arisize room

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自分を探す旅 +2




            旅に出た
            自分を探す旅に出た

            海に行って、崖に立ってみた
            怖かった
            荒波よりも強い追い風が
            何よりも怖かった

            山に行って、森に佇んでみた
            怖かった
            猛獣よりも広がる静寂が
            何よりも怖かった

            砂漠に行って、砂丘を歩いてみた
            怖かった
            砂嵐よりも砂しかない世界が
            何よりも怖かった

            誰も知らない所に行ってみた
            怖くなかった
            誰も知らない所だから
            誰も僕を知らないから
            案外怖くなかった

            結局、何所を探しても
            自分を見つけられなかった

            それがなぜか分からなかった

            あんなに探し回ったのに
            僕に残されたのは
            身体1つだけだった

            ・・・これが僕だったんだ

            自分を探す旅に出なくても
            僕はずっと僕だった
            生まれた時から僕で在り続けた

            自分の大切さに気づいた

            僕がもう一度息づいた瞬間

            僕は生まれ変われた






          『集合体』


           あじさいが一つだけ
           頭をもたげていた
           そんなに重いのは鮮やかな色のせいなのか
           雨に弾かれて
           なおさらに重そうだ

           花ではではない、がくの集合体
           それがあじさいという花
           三色で奏でる雨音で
           いつもおしゃべりをしているのだ

           しかし、重た気なあじさいだ
           雨が降らないことを悩んでいるかのように
           あじさいが一つだけ
           頭をもたげていた

           今日は虹がかかればいい
           それがあじさいの願いであるなら
           僕はそれを願うだけだ






            『下手な思い出し笑い』


            音楽が響く一人の部屋で
            あなたは私を思い出すのかな

            送ったメール
            つけている香水の甘さ
            マニキュアの色
            まつげの長さ
            髪の毛の柔らかさ
            くちびるの感触
            寝ぼけた声・・・

            ひとつひとつを思い出して
            下手な思い出し笑いとかしてて欲しいな

            それで
            少しずつでもいいから
            いつか私に辿り着いてくれたら
            胸がいっぱいになれる
            あなたでいっぱいになって
            泣けたらいいな

            それをまた
            気にしないで
            抱き止めて欲しいな

            私はそれを思い出して
            下手な思い出し笑いをしたいの

            それ位私を狂わせてるって事は
            教えてはあげないけどね

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