ミュータントウオーズ・新人類戦記-飛鳥京香作品

ミュータントウオーズ・新人類戦記-飛鳥京香作品

ミュータント・ウオーズ●第5回


(1978年作品)第一章 激 怒
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
(■30年前の小説ですので、設定がその時代です。)

インドシナ戦争以来、戦火が絶えたことはないのだ。アメリカ軍が
介入し年第二次インドシナ戦争は十二年と1
カ月読いた。現在のカンボジアとの抗争は第
三次インドシナ戦争と呼ばれている。

 村長があらわれ、竜とハイニンを歓迎し
た。先程の娘は村長の子供で「ジウ」という名前
であることがわかった。

 ハイ・ニンはこの村が襲撃され、さらに外
国記者団が殺されたことを知らせるために、
近くの人民軍を呼びにいぐことにした。

 竜は残り、村長の家へ泊まることにした。
 村長は竜に話を始めた。
このカンボジア兵に襲われる原囚となった『クチニンの虐殺』
の事件のことをである。
「この事件の時には、誰も生き残ってはいな
かったのですか」
「それは。それは、今思い出しても身の毛のよだ
つ思いがする。皆、銃や剣でめった撃ちにな
っていたのじゃよ。異様な感じじゃった。こ
の世の終りの光景かもしれん。草原が、林が
血でまっ赤に染まっておったからの。それは
先程のこの村の虐殺どころではなかった」
村長の言葉がしばらぐとぎれた。
 「ワシには、とても人がやった事とは思ええん
だ。異世界から悪霊がやってきて、人々にと
りついたとしか思えんほどじや」
 「最初の発見者は誰なんですか」
 「それが。。」
 村長はいいにくそうだった。
 「濃の娘のジウじゃよ。あの娘はその時
以来ショックを受けてふさぎこんでいるんじ
ゃ。あの子も不敏な娘でな。何年もの間、神
隠しにおうどづたんじゃ」
 「神隠し」
 「そうじゃ。何年間も行途不明に々っていた
んじゃ。三年前ベトヂム解放後、ひょっこり
もどってきたんじゃ、その間のことは全然億
えて訟らんのじゃ」
 竜の心の中に確信が生じてきた。それで
やはりあの子は…
 ドアを急いでたたぐ者がいた。
「村長、村長、大変だ」
 村長は急いでドアをあけた。
「何事だ」
 おびえている村人の後にはAK47突撃銃を
構えたカンボジア兵の姿があった。
 「お前が村長か。よし、みんなついてこい。
村の中央に全員集まるんだ」
 村の広場には、人々が集められていた。
指揮官らしき男が台に立ち発言した。
 「この村の中に、先日の『クチェンの虐殺』
の真相を知っているものがいるはずだ。名の
り出ろ。名のりでない場合は一人ずつ殺して
いく。いいか、我々は本気だ。それは先刻の
攻撃でよくわかっていることと思う」
 カンボジア兵が、村の家々に火をは々も姑め
た。1人の少年がそれを見て、自分の家へ帰
ろうと親の静止をふりきり、走りだそうとし
た。
 カンボジア兵のはなった銃弾が、ジウの目
の前を走りすぎようとした少年を、はねあげた。

土ほこりと絶叫を残し、少年はもんどりうち
倒れた。

ジウが悲鳴をあげた。
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/

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