続ひこうき雲6



 家に帰ってボクはとても眠くなり、じきに寝てしまった。
夢の中に入ると、隣で本物のちび犬が待っていてくれた。
「ごめんよ、長いこと身体を借りちゃって、
はい、この身体はキミに返すよ。
みんなにいっぱい可愛がってもらうんだよ」
「犬太にいちゃんありがとう、
またいつでもボクの身体に入ってきてもいいよ」
ちび犬は別れ際にそう言ってくれた。

ありがとう。でもね、ボクはなるべくキミの邪魔にならないように、
キミが寝ている時にそっと身体を貸してもらうくらいにするよ。
キミが早くみんなに愛されるように、
そして、キミを中心にしてまたみんなの心がひとつになって、
笑顔いっぱいの家になるよう応援してるよ。

【お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん
そしてボクを可愛がってくれたみんなへ】
ちび犬は、もしかしたらボクの生まれ変わりかと、
何人もの人が思っていると思う。
たしかに、それくらい似てるよね(*^_^*)
でも、ちび犬はちび犬(^^) ボクはボクなんだ
ちび犬は、ボクとは全然違う個性を持っている。
それは、もしちび犬がボクと全く同じだったら、
家族も今までとは違う愛し方がしにくいし、
成長も少ないからなんだって(光さんに教えてもらっちゃった^^;)
それでも時々ちび犬が、
信じられないくらいボクに似ているって思う時があったら、
その時はボクが身体を貸してもらってみんなに甘えてるんだと思って、
昔のように可愛がってよね。
それと、ちび犬の名前のことなんだけど、
「犬太」にしてもボクは全然かまわないよ。うれしいくらいだよ。

でも、安心したなあ、みんなの笑顔がもどって(^o^)
さあ、ボクはまた、バイクに乗って友達のところへ行かなくっちゃ

みんな、いつもひこうき雲に手を振ってくれて、
話しかけてくれてありがとう
どんなに高くを飛んでてもみんなの姿や笑顔はよく見えるよ

母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、
もう一度ありがとうと言わせてください
みんなの後ろにも小さな小さなひこうき雲が見えます
それは、大切な出逢いの時に大きく尾を引くんだ
生きている間は目に見えなくて、大切な出逢いを見逃すこともあるんだよ
どうか、心の中のきれいな目で、
近くの人から出ているひこうき雲を見つけて欲しいんだ。
そして、絶対に幸せになってください。
ボクは、いつもいつもみんなを見つめています。
母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん!ちび犬をよろしくお願いしますm(_ _)m
ありがとう、大好きなボクの家族、また逢おう!


<おしまい>



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