そよかぜにっき

そよかぜにっき

こころのにげみち





いるかたち


深刻なブルーの季節を抜け出しても、

急に心が落ち着いたわけではありませんでした。

公園と買い物に行くだけの毎日は、

とってもつまらないものでした。

自分のための時間というものが無くなり、

自分の名前を呼ばれることすらなくなったわけです。

 それで、私は、毎日周囲の人に、

この不満をぶつけることとなりました。

「私には、自分の時間がまるで持てないし、

やりたいことがなんにもできない!」

誰も私の言葉を聞いてはくれませんでした。

「あなたは、元気な子供と、優しいだんな様と、

その両親に囲まれて、一体何をいっているの!」

その通りでした。私は、とっても幸せなのです。

でも、まるで透明人間になったように、

私の存在が、感じられないのです。

 ある日も、高校の時の友人に同じこと言ってみました。

つらくて、いやで、悲しくて・・

そんなことをいつものようにぶつけてみました。

すると、その人は、

「そうかあ、そうなんだあ。」

と繰り返すだけで、他の人のように

「あなたは恵まれている」とは言いませんでした。

不思議になって、私は聞き返しました。

「あなたはどうして、恵まれているのに気がつかないの!

って言わないの?」

すると、こう答えました。

「私は、あなたの心のにげみちを作ってあげたいのよ。

いつでも、逃げてこれるように・・・。」

私は、その言葉にとても救われました。

 だから、もし、誰かの心が追い詰められて

行き場のない時、自分も

「こころのにげみち」になれたらいいなって、思います。



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