ルネッサンス 再生への挑戦

ルネッサンス

ルネッサンス ― 再生への挑戦
カルロス・ゴーン 著



感想:
この本に書かれているのは、カルロス・ゴーン氏による経営の秘訣ではありません。この本はむしろ、カルロス・ゴーン氏の自伝といったほうがいいでしょう。だからこそ、この本はおもしろいし、結果的に経営とは何かがわかるのではないだろうかと思います。経営とは、人が行なうものだし、その対象となるのも多くは人に関することだから。ピーター・ドラッカーは、経営について「人を通して正しいことを行なうこと」という定義をしています。人を通して正しいことを行なうためには、人を知らなくてはいけないし、何より自分を知らなくてはいけない。その意味で、ゴーン氏が自伝的要素の高いこの本を書いた理由がなんとなくですが、わかる気がします。

「リーダーはみずから現場に出て、部下を心から案じ、支えようとしていることを伝えなければならないという信念である。過酷な状況では、とくにそれが大事だ。口先で何を言っても従業員は受け入れはしない」
とゴーン氏は本書で書いている。現場に足を運び、そこにいる人たちの話に耳を傾ける。そこにはその人たちの人生がある。そして、経営をする人にも自分の人生があり、それは他の人たちとのかかわりの中で人生です。その意味で、この自伝的な本は、真の意味で、経営に関する本になっているのだと思います。そして、なにより、この本はたいへんおもしろい本です。


点数:
おすすめ度   ★★★★☆
わかりやすさ  ★★★★★
役立ち度    ★★★☆☆



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