旧:無菌室育ち

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                    『毒 -アルカイド系コルヒチン- 』


   死を招く貴婦人の手

コルチカム
サフランに似る
昔滅んだコルキス王国の
草地に群れ咲く紫の花
風が吹くだけで咲くという
その花の 球根に
人を殺せる毒がある

アルカロイド系コルヒチン
内蔵の壊死
激しい下痢・嘔吐
死に至る

「秋の庭が淋しいから」

その人は微笑んで
花々を咲かせた、美しく

イヌサフラン


『コルチカム』とは、秋咲きの紫の花である。コルキス地方の草地に群生することに由来した名。植えなくても空気中の湿気で咲くことから、『裸の貴婦人』の別称がある。
また、花がサフランに似ているので、“偽もののサフラン”と言う意味で、『イヌサフラン』の名も持つ。
球根・茎には毒がある。アルカロイド系コルヒチンで、症状は、
“内蔵の壊死
激しい下痢・嘔吐
甚だしい場合は、死に至る“
一方、痛風の痛みを和らげることから、薬として使用されていた時期もある。現在は副作用が強すぎるので使用されていない。
推理小説などには殺人用の毒として登場するが、サフランが春咲きなので間違えることは稀。ただし、球根をユリ科の食用のものと間違えて食べて死亡した実際の例もある。

以上は、調べたことを編集した。

葉が出ないで、土に植えなくても咲くので「変な花だ」とは思っていた。
変だ、というのは“健康”に対する“病的”につながる感覚で、『ヒガンバナ』も私の好きな花だが、それに近いイメージがある。
しかし、秋咲きの花は地味なものが多く、最近コルチカムは人気のようだ。

調べて最初の感想。
「えー、私、毒草を育ててたわけ?危ねー。」
続いて
「自殺に使えるのかな?げ!嫌だこんな死に方。」

コルテス地方はサフラン料理が名物らしい。だから、毒殺に使われていた可能性、大。
『コルテス』の地名は古代の『コルテス王国』にちなむ。時代は紀元前らしい。

「何人も殺したその末裔かい、うちの庭は。」

もっとも、コルチカムの方は、“厳しい自然条件の中で花を咲かす力”をたくわえているだけであろう。人間が食べたら死ぬなんて知ったこっちゃない。
それにしても何で葉を出さず花だけ咲かすんだ?葉を出した方が太陽エネルギーを栄養にできるだろうに。花の時期が終わってから葉が出るらしいが…、出てたっけ?
植物にとって「花を咲かす」ってのはかなり大変な仕事のはず。そんな無理をするから毒を溜め込むんではなかろうか。

似ている、人間関係と。

無理目に元気な花を咲かせて、中に毒を溜め込む。溜めた毒はまた次の花の栄養になったりするけど、下手に食おうとすると相手を殺す、と。

何故、園芸用に栽培されているんだろう?推測だが、庭で植える程度の量では危険ではないのだろう。
コルチカムは丈夫な花だから、今年の秋も、たぶん咲く。抜かないかぎり。そして、抜いても置いておくだけで咲くだろう。だったら、そのまま咲かせよう。

野生のコルチカム群生か…ちょっと見てみたい気もする。


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