ふぁみりー・Kのおうち 別館

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そのころの私

     そのころの私


そのころの私は学生時代からつきあっていた彼氏がいました。

彼Gさんは一般企業、それも誰でも名前を知っている大企業に勤める、
文字通りのエリートサラリーマンでした。
Gさんとはお互い学生の時にバイト先で知り合い、もう4年のつきあい。
4歳年上で、学歴もすごい人でした。
(知り合いも読むからあえて学校名は伏せますが、
日本人なら冗談でも一度必ず口にしたことがある大学です)

自分勝手で、でも、優しいGさん、お互いになんとなく結婚まで考えていました。
私より2年早く就職して、バリバリ営業をやっている彼にスケジュールにデートは振り回されましたが、
それでも幸せに楽しくつきあっていられました。

私が就職するまでは。

中学校に勤務するようになって、彼との価値観のずれがどんどん大きくなっていきました。
彼は日本のトップを歩いてきた人で、私は全くフツーの人。
私が見ていたい生徒たちの目線とどうしてもずれるのです。
生徒指導で悩んでいるときに相談しても、
「そんなことも分からないのか。それで良く教師なんてやってられるな。」
         ………ぐさっ。経験のない私にそれはきつすぎる。
「もっと広い目で生徒を見ろよ。ちょっと考えれば分かるだろ?」
         ………分からないから悩んでるんです。
彼なりに一生懸命私に寄り添おうとしてくれていたのですが
彼の価値観に合わせようとすると、仕事とのバランスが崩れ、
仕事の価値観に合わせると、彼とのつきあいがつらくなり。

うまくいえませんが、自分でも「おかしな教師」をやっていた自覚のある頃です。

そして、最低なことに、教師になって2年目の冬、私はそういう自分に嫌気がさし、
逃げようとしたのです。
「彼との結婚」に。



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