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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2022.12.17
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カテゴリ: 文芸

 目次を見て「読んでみたい!」と、即購入に至ったことだけは覚えています。

 そのラインナップは、「第1章  キム・ジヨン が私たちにくれたもの」
 「第2章 セウォル号以後の文学とキャンドル革命」
 「第3章 IMF危機という未曾有の体験」「第4章 光州事件は生きている」
 そして、「第7章 朝鮮戦争は韓国文学の背景である」等々。

私の既読作品から始まって、
隣国の節目となる主要な出来事が次々に登場。

しかし、実際に読み進めていくと、私が勝手にイメージしていたものとは少々違いが……

まず、著者の斎藤真理子さんですが、隣国作品を数多くの翻訳し、
2020年に韓国文学翻訳院の韓国文学翻訳賞文化体育観光部長官賞を受賞した方でした。
そして、本著はタイトルの通り「韓国文学」を主として扱ったものであり、
各出来事については、一部を除いて文学との絡みの中で語られるに留まっています。

   ***

  まず、国土のほとんどが戦場になり、苛烈な地上戦が行われたことだ。
  日本の本土は、度重なる空襲や原爆という惨事は経験したが、
  身近に敵が潜む中を逃げ惑う地上戦の恐怖は経験していない。
  それを味わったのは沖縄の人々だけである。(p.180)

これは、日本に生まれ育った人が、朝鮮戦争をイメージするときに重要なこととして、


  占領者がいつ入れ替わるかわからない日常の中で、
  人々は相互に監視し合い、白か黒かを常に問われ、中間は許されなかった。
  緊張の連続だったが、
  しかし何にどう緊張したらよいか見当がつく人は少なかっただろう。
  多くの人は、わけもわからないまま書類にハンコを押したり、

  不条理な死に追い込まれた。(p.186)

  誰が敵で誰が味方か区別が困難な状況の中で、
  子供・女性・老人までもが敵と見なされ、集団的に殺された。
  同時に、密告と密告返しの連続の中で、私的な報復としての殺人も多く起き、
  地域のコミュニティはずたずたになった。(p.188)

しかも、この戦争はいまだ休戦状態で、終結していないのです。
このことが、隣国に暮らす人たちのメンタリティや行動に
現在も大きな影響を与えていることは、想像に難くありません。
何かがスッと腑に落ちたような気がしました。





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Last updated  2022.12.17 22:07:14 コメントを書く


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