物置


ただ、今は何も無い
それはワケは簡単だ
何故なら置く物が特に無かったからだ
しかし、今、キミが見ているこの文
確かにここに置いてある
では、こうしよう
これがここの荷物だ
帝国輸送艦隊も開いた口が塞がらない事だろう
武器でもない、弾薬でもなければ原油でも食料でもない
ただの拙い誰かの書き殴りの日誌なのだから
誰が輸送を頼んだのかは知らない
しかし、もうじき私の元に輸送艦隊がやってくるだろう
そうすれば、私はここには居られない
何故かって?
それは私が帝国内でも有名なお尋ね者だからだ
殺しをしたわけじゃない
ただ、帝国金庫から盗んだ金をクリスマスの夜に町に撒いただけだ
その報告を聞き、寝巻き姿のまま飛び出してきたディーク将軍のマヌケ面はとても快適だった
威厳たっぷりのちょび髭がしなびていた
兵士達も寝巻き姿に長靴、ライフルという可笑しないでたちだった
中にはサンタ帽子を被っているヤツもいた
そして、将軍が喚いていた
『あるクソ娘! ワシの金をばら撒きおって!!』って
かなりの悪政で、国民からも評判が悪い人だった
路地で泣いている人や間引きされる子を見ると溜まらなく切なくなったから一杯食わしてやったんだ
そしたら、お尋ね者
見つけたら即刻処刑台行きだとかなんとか
味のあるマネをする父親である
遠くの方からプロペラ音が聞こえてきた
そろそろ行った方が良いだろう
1年間慣れ親しんだ、この廃屋にもサヨナラ
次は何処へ行こうかな?
まだ、行った事の無いところが良いな
そして、マヌケな父さんへ
私は絶対捕まらない自信があります
何故なら帝国でも筋金入りのクセモノのあなたの娘だから

-廃屋に残されていた輸送物資代わりの日誌より-

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