Cat Tail

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SS-世界クラブ選手権

世界クラブ選手権

「深井中尉、ブッカー少佐をどうにかしてちょうだい。これは命令よ」
 いきなりクーリィ準将に呼び出されたと思ったら訳の分からない命令を下された。
「少佐をどうにかしろとは?」
 俺の質問に準将は深いため息をついた。
「先日まで地球で大きなサッカーの大会があったのは知っているかしら?」
「そういえば少佐がそんな話をしていたような気もするが…」
 めずらしくジャックが熱っぽく話していたな。
「ならば少佐の母国のチームが出場していたのは知っているわね?決勝戦まで勝ち進んだわ。でも、負けてしまった」
 それは残念なことだと思うが、それがどうしたと言うんだ。思わずため息が漏れた。
「その様子だとまともに顔も見てないわね」
 たしかにその話を聞いてから、ブリーフィングで顔を合わせただけで、飲みに誘われることもなかった。
「仕事に影響しているとは思えないが」
 准将がどうにかしろと言うからには仕事のことだと思うのだが、特殊戦の出撃に関して問題は何もないように思える。俺もつい先日出撃したばかりだが、ブリーフィングの時も別段いつもと違うようにも見えなかったし、フライトプランについても何の問題もなかった。
「仕事はきちんとこなしているわ。今まで以上にね。でもオフィスに籠もりっきりで宿舎に帰っていない、食堂で食事をとっている様子もないようだし、誰かしらオフィスに出入りがあって殆ど眠っているとは思えない。倒れないのが不思議なくらい。ゲッソリとしていてまるで幽霊があるいているようよ」
 思わず眉根をよせた俺を準将は正面から見据えた。
「分かるでしょう?このままでは近いうちに影響が出るわ」
 いつも多忙な特殊戦総監とはいえ、宿舎にきちんと帰ろうと思えば出来ることだし、でなければ俺を飲みに誘ったりできない。食べることに関しては俺よりずっと美食家で、人にきちんとした食事をしろと言うからにはと、どんなに忙しくても3食欠かさず食事を取っていたのだ。
「まさかと思うが、その試合に負けたのが原因なのか?」
「そのまさか…ね。眠ると夢を見るそうよ。何かしていないといられないと言うことらしい」
 あのバカ。たかがサッカーの試合で眠れないだと?
「誰もどうすることも出来なかったわ」
「俺がどうにか出来るとでも?」
 いくら親友だと言ったところで何が出来ると言うんだ?
「あなたでも駄目なら少佐が倒れて特殊戦は立ち行かなくなるわね」
 それは困る。今の特殊戦を動かしているのはジャックでそれ以外の人間につとまるとは思えない。思わず天を仰いだ。
「どんな手段を使ってもかまわないわ。でも保たせられるのは2日くらいね、今日から2日間、必要なら休暇も認める」
「了解した…と言うしかないんだろう?」
 その答えにあきれたようにため息をついて准将は俺を睨んだ。
「あいかわらずね、深井中尉、これは命令よ」
「了解しました」
 きちんと敬礼をして命令を受ける。
「退室してよし」
「失礼します」
 准将のオフィスを退室すると、少佐のオフィスに向かいながらどうしたものかと考える。准将は休暇も認めるといったな。まず、俺かジャックの宿舎まで引っ張り出さなくてはな。
「まぁ、なんとかなるさ」

 ニヤリと人の悪い笑みを浮かべながら廊下を歩く深井中尉を、驚きながらも触らぬ神に祟りなしとばかりに、みんな避けて通るのであった。


 2日後、すっかり元気になった様子のブッカー少佐がオフィスに出勤した。深井中尉がどんな手を使ったのかは、いろいろな憶測がとんでいたが二人して秘して語られることはなかった。



コメント
 うわ~とうとうやってしまいましたよ。日記さえまともな文章が書けてないのに(^-^;) ホント駄文で申し訳ないです。
 OVAの感想からUpしようと思っていたんですけどね。世界クラブ選手権を見ていて思いついちゃったので。
 本当は他の隊員も絡めていろいろ考えてたんですが、それやってるといつになってもUp出来そうもないのであきらめました。本当はもうだいぶ時間が経ってしまったのでUpするのをやめようかと思ったのですが、世界クラブ選手権について日記に書いたのに最終結果について何も書かないのもさみしいかなと思ったものですから。自分で思ったよりリバプールの敗戦がショックだったようでおちゃらかさないと書けなかったようです(^-^)
 零がどうやってジャックを"どうにかした"のかは、ご想像におまかせします(^-^) 一応ふた通り考えてるんですけどね。ちなにみ私は零襲い受けが好きです。


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