なるほど、そうでしたか。その当時の印象と10年、20年経ってから聴いた印象が違うというのはたまにありますよね。

確かに、80年代後半当時のイメージでは、シカゴならどんなバラードをやっても許されるみたいな感じでしたね(笑)。

jamkenさんが早速楽しまれたように、休日にヴォリューム上げて聴くと楽しめますね。

余談ながら、『ウォーク・オン』も音作りの面ではなかなかいいアルバムでしたよね。出た当時は繰り返し聴いたものの、最近はほとんど聴いていませんが…。 (2009年10月19日 07時34分47秒)

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2009年10月04日
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8年毎にしかアルバムを出さないボストンの慣例の始まり


 以前、 『幻想飛行(Boston)』 で紹介したボストンのサード・アルバムが、ここで紹介する『サード・ステージ』(1986年)。『幻想飛行』の項を書いた時に、どっちを先に紹介しようか迷ったアルバムである。

 前にも書いたのだが、ボストンの最高作を一枚だけ選べといわれれば、筆者はとても悩む。1976年のファースト・アルバム『幻想飛行』も捨てがたいのだが、どうしても一枚だけとなれば、筆者はこの『サード・ステージ』を選ぶかもしれない。いや、その日の気分によるかもしれないので、とりあえず今日はこの『サード・ステージ』の気分ということにしておく。ちなみに、サウンド的には(シュワルツとしては、1枚ごとに進化しているのだろうけれども)、どのアルバムも似通っている。なので、あとはアルバム全体を通して見たときの盛り上げ方、抑揚のつけ方、さらには筆者の思い入れやその日の気分という観点での判断になる。

 さて、本作『サード・ステージ』は"8年に1作"という慣例(?)が確立された最初のアルバムで、1978年のセカンド・アルバムから、8年間を費やした末に1986年にリリースされた。トム・ショルツは79年に既に3枚目の構想について語っていたと言うから、まるっきりサボっていたわけではない。けれども、旧所属のレーベル(EPIC)とは作業の遅さから訴訟問題に発展し、MCAに移籍しての本盤発表となった。第1作・第2作とも大きなヒットを記録していただけに、レコード会社の期待も、ファンの期待も大きかったという状況だ。だからこそ、完璧なものを求めて、ショルツは十分に納得がいくまで年月を重ねることを是としたのかもしれない(1980年に実際に作業を開始してから、ショルツは1万時間以上を制作に費やしたらしい)。実際、本盤収録の楽曲は1980年から86年のものまでが入り混じっている。

 今回、本盤を挙げるのは、アルバムのトータリティ(全体性・総体性)という観点からの評価である。音作りという観点からすると、他の各アルバムも同様に優れており、この第3作だけが特段優れているわけではない。とりわけ、デビュー作から第4作まで(『幻想飛行』、『ドント・ルック・バック』、本盤『サード・ステージ』、『ウォーク・オン』)は変わらぬクオリティの高さを誇っていおり、その意味では、どれを聴いても、ボストンのサウンドの懐の深さを体感することができる。

 本盤の特徴の一つは、ストーリー性である。1曲目はシングルヒットしたスロー曲 「アマンダ」 だが、これだけ聴くと、単なるラブバラードである。しかし、アルバム全体としてのストーリーは"宇宙の旅"というテーマに沿って展開する。2.「ウィー・アー・レディ」(準備はOK、の意)で出発準備を整え、続くインスト曲の3.「ザ・ローンチ」で宇宙船は飛び出す。4.「クール・ジ・エンジンズ」では、エンジンを弱めて制御を保ち、5.「マイ・デスティネイション」では、"僕のゴールは君だ"と宇宙船の目的地と愛の目的地をだぶらせて語る。再びインストの6.「ニュー・ワールド」からがアナログではB面で、愛になぞらえた宇宙飛行は、11.「ホリーアン」まで続く。

 通して聴くと、他のアルバムに比べ、本盤にはスローナンバーやバラード系の曲が目立つ。これを売れ筋に走ったと取るか、はたまたデビューから2作までの傾向と違うと捉えるか否かは微妙なところだが、筆者は上で述べたようなコンセプト的な作りの結果と考えたい。本盤中の好きな曲もそうしたスロー・バラード系統の曲に落ち着いてしまうのだが、個人的には、1.「アマンダ」、5.「マイ・デスティネイション」、9.&10.「キャンチャ・セイ/スティル・イン・ラヴ」、さらには、11.「ホリーアン」がおすすめ。


[収録曲]
1. Amanda
2. We're Ready
3. The Launch: a) Countdown b) Ignition c) Third Stage Separation
4. Cool the Engines
5. My Destination
6. A New World
7. To Be a Man
8. I Think I Like It
9. Can'tcha Say (You Believe In Me)
10. Still in Love


1986年リリース。





サード・ステージ/ボストン[SHM-CD]【返品種別A】





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Last updated  2016年01月27日 06時30分26秒
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Re:ボストン 『サード・ステージ(Third Stage)』(10/04)  
jamken さん
andaleさん。相変わらずBOSTONに関しては熱いですね。そこまで語られるともう一回3rdにチャンスを与えてみましょうか。わたし、今度故郷の広島に帰りますのでもう一回聞いてみましょう。よかったらまたコメントしましょう。(笑) (2009年10月07日 20時52分49秒)

Re[1]:ボストン 『サード・ステージ(Third Stage)』(10/04)  
andale  さん
jamkenさん
書き込みありがとうございました。人それぞれ受け止め方は変わってくるのでしょうが、改めて『サード・ステージ』を聴いてみて、少しでもピンと来る部分があれば、ぜひまたご意見をお寄せください。批判的コメントも含め、お待ちしています! (2009年10月08日 08時24分46秒)

そうですか  
jamken さん
こんにちは。jamkenです。先日広島に帰りまして、早速3rdをさがしました。1st・・2nd・・ウオークオン・・・?あれ?まさか。そうです。わたしは3rdは持っていなかったのです。BOSTNは高校のときカセットで聞いていたため、後にCDを買っていたのですが、なんと3rdは買っていなかったのです。いやーそれほど自分の中で評価を低めていたのかと、反省。そして今日中古CDを買いまして、早速フルボリュームで聞きなおしてみました。なるほど。そうか。わかりました。何故わたしがこのアルバムの評価を低めていたか。やはりバラードの多さでした。そのころは若かったので、クラシカルなバラードに対するサウンドにやや垣根が合ったのではないかと思います。しかし、今こうして聞きなおしてみると、よく出来た作品ばかりです。というか1st、2ndより格段に進んだ完成度です。そのころはたぶん後半の「キャンチャセ
イ」と「ホーリアン」がゆるされなかったんだとおもいます。この曲はBOSTNがやっちゃいかんよ・・的な。シカゴならいいけど。という感じだと思います。今思えば笑える話ですが。若いころの思い込みはなかなかひこずる物でしょうか。このアルバムはおそらく日曜の昼下がりにでもゆっくり聞くと最高なのではないかな。今がまさにその状態ですけど。(笑) (2009年10月18日 13時33分48秒)

Re:そうですか(10/04)  
andale  さん

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