音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2013年04月20日
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 本名マリーア・ルイーサ・サンチェス・ベニーテス(María Luisa Sánchez Benítez)。名のマリーア・ルイーサを略してマルー(Malú)のアーティスト名で知られるのは、1982年出身のスペインの女性シンガー。フラメンコ・シンガーのペペ・デ・ルシーアの娘にして、かの有名フラメンコ・ギタリストのパコ・デ・ルシーアの姪っ子という、音楽サラブレッドの家庭環境に育った人物である。

 このアーティストを最初に知った時の曲の一つということで、本ブログでは 「アオラ・トゥ(Ahora tú)」 という曲をすでに取り上げている。この曲が入ったアルバムもお気に入りなのだけれど、本作『ビベ(Vive)』は、その1つ前のアルバムで、2009年にリリースされたもの。

 ジャケのアートワークがなぜか60年代アメリカン・ガールのポスター風(しかも筆者の手持ちは、通常より大判な変形紙ジャケタイプ)なのだが、中身はそのイメージとはだいぶ違っていて、じっくり聴かせるヴォーカルものという感じ。ところどころフラメンコ風を思わせるヴォーカル(7.「コモ・テ・オルビード(あなたを忘れられない)」や9.「ディセン・ポル・アイー(あの辺りに)」など)も含まれる。けれども、全体としては、上で述べたような叙情的ポップ・アレンジな中に位置づけられており、実力発揮のヴォーカル盤といった仕上がりになっている。

 それもそのはず、そもそも彼女は15才の時にフランメンコのホームパーティで歌っていたところ、あるプロデューサーの目にとまり、1998年にデビューしている(当時、本人は授業に行かなくてよいという言い訳が立つからといってデビュー話を受けたとか)。早くからキャリアを積み重ねた結果、27歳の誕生日とほぼ同時にリリースされた本作『ビベ』は、既にキャリア11年目、オリジナルのスタジオ作としても7作目(ライヴ盤と編集盤を入れると9作目)という、成熟した作品になった。

 ついでながら記しておくと、筆者はこの手の声に滅法弱い。情感たっぷりに歌え、伸びと迫力のある歌声が出せ、それがハスキーがかっているというもの。本盤でのお気に入り曲としては、アルバム全体のトーンを代表する1.「ア・エスト・レ・ジャマス・アモール(あなたはこれを愛と言う)」のほか、バラードやスロウ曲に惹かれるものが多く、3.「オハス・セカス(乾いた葉)」、6.「ナディエ(他には誰もいない)」、上記の9.、フラメンコテイストの11.「イヌティルメンテ(無為に)」なんかがいい。下手なシンガーが歌うと陳腐なラヴソングになってしまいそうな曲も結構含まれるが、この声と表現力ゆえにそうはなっていないというのは、やはり彼女自身の実力発揮と言ったところだろうか。



[収録曲]

1. A esto le llamas amor

3. Hojas Secas
4. Guárdate
5. Días de sol
6. Nadie
7. Como te olvido
8. El fallo de tu piel
9. Dicen por ahí
10. Qué esperabas
11. Inútilmente

2009年リリース。







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Last updated  2013年04月20日 07時11分17秒 コメントを書く
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