“Last Summer Ⅰ”


2年半なんていう月日はあっという間


生まれた子供は

2年半もすれば言葉を発するようになる


人生を80ページの本に例えるとするなら

2ページ半


高校野球は僅か2ページ半の中に

語り尽くせぬ物語が凝縮されている


苦悩

葛藤

歓喜

後悔

憧れ

夢…

夢を追い求める力は

計りしれず果てなく


踏み締めた土の感触が

また少し憧れを増幅させる


夢は追っても追っても遠かった


走っても走っても辿りつけなかった


手をのばしても届かなかった


つかみかけてもすり抜けていった…


汗を拭うのも忘れていた


白球だけを追い続けた


真っ白いユニホームは


いつのまにか泥だらけだった


握りしめた拳の隙間からこぼれ落ちる土


同じ仲間でこの土を踏む事は


もう一生ないのだと知った


涼しい風が一瞬だけ通り抜けて


背番号を揺らした


高校野球最後の日は


太陽がてりつける


7月の暑い日だった…

“Lust Summer Ⅱ”


この夏新しい魅力を見つけた


舞台を去る後ろ姿に


強さが見える事を知った


涙で腫らした真っ赤なその目が


必死に前を見ていることを知った


そして、その目にやきつけられた舞台が


彼らの心の奥に


いつまでもいつまでも


輝き続けることを知った


白線の内側にあるその感動を


ずっとずっと追い続けて


いつもまっすぐに前を向いていた背中に


たくさんの勇気をもらった人がいることを


決して忘れないで


日本中を魅了した真夏のヒーローにも


きっと負けないくらいの


大切な大切な宝物を


今 君は手にしているということも


■■■解説■■■


これは、大学4年の時に書いたもので、
以前していたHPに載せていたもので、
また引っ張り出してきました。
2001年7月26日の日記に書いたものです。


この日、夏が終わったある高校球児にむけてかいたもので
自分が高校生だった時を思い出して書いた覚えがあります。

というのも、私自身も高校時代は吹奏楽を必死にしていて
あと1点で夢が叶わず…
吹奏楽シーズンも夏なんですね。

その時の悔しさは勿論、今まで犠牲にしてきたもの、
仲間、練習風景などなど、色んな想いが錯綜しまして。
ムシムシした練習室に一瞬入ってきた涼しい風のこと、
今まで毎回舞台にのっていた仲間ともう演奏できないこと。
夢に破れ、夏が終わった瞬間に考えたことって、
そういうことでした。

きっと、野球限らず、何でもそうなんだと思います。


この詩のモデルというか、
対象になった球児の在籍するチームは
本当に本当にあと1歩で惜敗しました。

まさにつかみかけていた夢でした。
選手達は終わった後、「負けた気がしない」と
口々に言っていました。
私が高校時代に体験したものと似ていました。
自分と球児をオーバーラップさせて、
何かかけそうだと思ったのが、
この詩を書いたきっかけです。


甲子園に出てプレーできる選手はほんの一握りです。
8月まで野球ができずに……
7月で野球が終わってしまう、そう、
夢が叶わずに高校野球を終える選手の方が多いのです。
私はそんな選手にスポットライトをあてたかったのです。


【Up Date 2003/09/21】



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