BLUE ODYSSEY

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第7話 委員長の恋 act.71~80




しかし、思い直してアンナを引っ張って行った。そしてロボットのコクピットにアンナを連れて入り、ハッチをしめた。

神田 「アンナちゃんーーーーー!!」

クーガの操るロボットはビルから離れた。
そして、上昇しまばゆい光を周囲に放った。
その後、ロボットの姿は消滅した。

クリス 「…………。」

それで空中にはもう何者も存在しなくなった。
それまでロボットが出していた機械音やガラス窓がビリビリと震える音が全て消えた。
周りは急に静かになったような気がした。

神田 「消えた…………。」

豪 「ええ。」

神田 「これ、夢?」

豪 「いえ。”現実”です。」



委員長は壁際でうずくまってまだ震えていた。

委員長「”クーガ”……。」




神田はクリスに言った。

神田 「クリスとやらぁ~~~。こっちもタイムマシンを出してアイツを追いかけようや!」

クリス「さっきのは”はったり”だよ。
”スポルティーファイブ”なんてマシンは夢に出て来ただけだ。実際に僕がタイムマシンを持っているわけじゃない。」

神田 「はあ?」

クリス 「それは実在するものかどうかもわからない。」

神田 「そんなあ!」

神田は驚いた。

神田 「じゃあ、どうすっるてんだ?!!」

クリス「どうにも出来ない。」

神田 「なんやって?
かーーーーー!
さっきクーガの事をビビらせてたあれが全てはったり?ガッカリや!」

豪 「アンナさんを助けようとしてついた嘘ですね。
ところで、クーガは僕らの存在を消しに別の”時間”に行ったんでしょうか?」

クリス「わからない。こちらも彼を追跡するマシンがあれば話は別だが。」






スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.72] 295


その後、皆はビルから脱出した。ビルの上部は被害を受けて壁に亀裂が走っていた。
特にクリス達のいた階はロボットに壁面を壊されメチャメチャになっていた。





その後、クリス達4人は警察に呼ばれた。
そして、アンナという少女が消えた事について説明を求められた。
クリス達は一応”起こった事”をありのまま話したが………、
やはりあまり信用されてない様子だった。

その後、警察の事情聴取は終わった。
不可解な事件であり、それ以上警察は追及してこなかった。
クーガという人物がロボットを使って都市を攻撃した事は警察も知っている。
ただ”攻撃ヘリが消えた”事実はどこにも無いそうである。もちろん出撃した記録も存在していない。

神田 「警察は”俺たちが嘘を言ってる”と思ってる!」

豪 「あの攻撃ヘリは”歴史上から消された”のでしょう。もはや誰も知る筈がありません。」

皆、気落ちした。

神田 「俺達がやったんじゃないって言うとるのに!アンナちゃんが消えたのは!そやのに誰も信じへん!」

委員長「………………。」

豪 「僕らを犯人扱いしているような感じでした。」

神田 「ただの学生の俺達に何が出来るちゅうねん!」

クリス 「……………。」






そしてそれから4人は連絡を取り合うようになった。
この事件については他人に話してもきちんと理解してもらえそうにないので、自然と4人の結びつきは深まった。
委員長はクリスと知り合えた事を幸運だと思いつつも、アンナの行方不明の件ですごく落ち込んでいた。

自宅に帰った委員長はベッドの中でつぶやいた。

委員長「クーガ……。クーガ……。」

その名には聞き覚えがある気がしてならない。そしていつもなにか嫌な感じが沸き起こる。
だが、思い出そうとしても、まるで封印でもされているように思い出せなかった。







ある日、クリスは委員長・神田・豪を図書館に誘った。
委員長は最初は断ったが、神田がなんとか委員長を説得して連れ出した。
そして市で一番大きなデータ図書館に行った。

豪 「クリス君、いったいここで何を?」

クリス「クーガが言っていた”歴史”。
そして、僕が夢の中で見た”タイムマシン”。

僕の見た夢は”予知夢”だったのかも知れない。
それを話した時のクーガの驚き様を見ると……、夢の中の事はだいたい当っていた筈だ。
そう仮定すると………、
”クーガはタイムマシンを操作して歴史に干渉できる”ようだ。
歴史をたどれば彼を追跡する事が出来るかも知れない。
ここで、関係のありそうな歴史を検索するんだ。」

豪 「なるほど!!」





スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.73] 296


クリス「タイムマシンが実在していて、過去に戻れるとしたら………、
それを操作する人間の意志で、”歴史”というものは自由に変えられるのかも知れない。」

こうしてクリス達は手分けして参考になりそうな事柄の検索を始めた。
皆で図書館中の本をあさり、パソコンからデータベースを閲覧した。
タイムマシンに関する本も探した。
すると『超自然現象』という題名の、ちょっとオカルトチックな本の中に目指す情報の一端が見つかった。

豪 「見てください。”謎の巨大ロボット出現!”という記事を。」

豪が見つけたのはそこに記載された古い新聞記事だった。50ほど前のニュース記事。
神田がそこに書かれた副題を読んだ。

神田 「”私は見た。正体不明の赤い巨大ロボット!工場地帯に出現!”」

それを皮切りに、他の古い文献の中にもたびたび”赤いロボット出現”の記述がある事を発見した。

クリス「いろいろな時代に渡って、このロボットは出現している。」

委員長「……………。」

豪 「記事によりますと、赤いロボットはその時代で破壊工作活動をしている時もあれば、ただ出現するだけで何もしなかった時もあります。」

クリス 「”何もしなかった”というのは、一見そう見えただけで、この間の攻撃ヘリと同じく”何かが歴史から消された”んだ。」

豪 「そうですね。でも不思議と僕らはその事を覚えていますね。ヘリが消された事を。
本当なら僕らも覚えてない筈ですが。」

クリス「ああ、不思議だ。”印象深かった”とでも言うのだろうか。はっきり覚えている。
だが、警官達は攻撃ヘリの事は覚えていない。誰一人。”自衛軍”の人達もだ。」

豪 「なぜ、僕らだけがその事を覚えているのでしょう?」

神田 「それは俺達が選ばれたヒーローやからや!!!
実は俺達には特殊な能力があるんや。いわば超能力や!
その力で持って、最後は巨大ロボットを操縦して敵を倒す!!」

委員長「テレビの見すぎです。神田君。」

豪 「でも、4人ともヘリの事を覚えているのは不思議ですね。」

クリス「……………。
とにかく今度はあのアンナという少女を連れた男の事が書かれた記事を探してみよう。」

神田 「そやそや!アンナちゃんを探すのが先決や!俺のアンナちゃ~~~~~~ん!!」

委員長「……………………。」






その後も図書館でデータ検索して探したが………。

豪 「アンナさんをつれて現れたクーガらしき記録は見つかりません。
類似の”少女を連れて不思議な人物が突然現れた”と言う記事も、参考になりそうなものは見当たりません。」

クリス「そうか………。
だが、赤いロボットがどこに出現したかの記録はある。
するとクーガは別の時代に行った時、”ロボット”………、つまりその”タイムマシンから下りていない”とい事だ。」

豪 「そうですね。」

クリス 「これ以上探しても手がかりはなさそうだ。
とにかく、これら現時点では存在している”赤いロボットが出現した”という記事は、おそらく少し前には存在していなかった。ここに書かれてはいなかった筈だ。
そしてクーガがタイムマシンを使い始めた最近、これら歴史の文献は書き換えられた。」

委員長 「書き換えられた?」

豪 「歴史が勝手に書き換えたんです。」

クリス「”次に彼が出現する場所”はわからない。
それさえわかれば……、手の打ちようもあるんだが……。」

委員長「……。」

豪 「未来の事なんてわかりませんからね。それこそタイムマシンがありませんと………。」

神田 「ここには未来の記事なんてないもんな!
過去の記録ばかりや。
はあ。いったいどうすれば?」

クリス「そうだ!夢!”予知夢”だ!皆で予知夢を見よう!」

委員長「えーーーー!」

クリス「予知夢は未来を見る事が出来る。そして僕にもその能力があるようだ。」






スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.74] 297



神田 「実を言うとな………。
ここにいる委員長と豪、そして俺は同じ夢を見る事が多いねん。
そして夢の中で見た未来は、実際にそれと同じような出来事が起こる事が多いねん。」

豪 「そうですね。そういう意味では僕らは確かに”予知夢”を見る事が出来ます。
もし、4人が同じ夢を見たなら……、その予知が当る確立も高まります。」

委員長「確かにそうね。」

クリス「とにかくそれしかない!それでクーガの次の出現場所を知ろう!」







こうして皆は一箇所に集まって眠る事にした。
夢を見た後、記憶が鮮明の内に皆で話し合えるようにだ。
そして、その場所は委員長の家に決まった。皆で委員長の部屋に通された。

クリス「悪いですね。部屋を使わせてもらって。申し訳ない。」

委員長「いえ、いいんです………。遠慮しないでね。」

神田 「悪いなあ!委員長!
ところで夕飯は出るの?
それと夜食をコンビニに買いに行かんか?
今日はひとつコンパ風にいこうやないか?!
酒やおつまみもいるかな?あっ、俺サラミ大好きなんや。」

委員長「遠慮してね、神田君……………。それにお酒はダメよ…………。」







委員長の自宅の2階には空き部屋がもう一室あったので、そこでクリス・神田・豪が眠る事になった。委員長だけは自分の部屋で眠る。

神田 「なんや、別々かいな?」

豪 「当然でしょう。」

神田 「期待して損したわ。」

豪 「……………………。」

神田は別の部屋の通されて………、

神田 「わーーーーー!まるで旅館やんか?!」

と、喜んだ。
そして、ベッドの上に飛び乗ってバウンドした。


ドスンドスン!


神田 「やっほーーーー!!!」


ドスンドスン!


豪 「かっ、神田さん!下の階に響きます!委員長のご両親がおられるんですよ!!」







クリスはさっそく眠る準備に入る。
一方神田はベッドの上に寝転んで、

神田 「くくくく………最高やな。この布団、いい匂いがするで。はあ~~~~。」

と、シーツをなでた。

豪 「委員長はきれい好きですからね。」

神田 「なるほど、これは”委員長の香り”かあ~~?!」

豪 「……………………。」

豪は”旅館気分でハイになっている神田”についていけなくなった。
神田はその後もまた冗談を続けて言おうとしたのだが…………、アンナが消えた事を思い出して、急に静かになった。






スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.75] 298


クリス「もう寝よう。とにかく皆”念じて”眠ってくれ。”未来の夢を見たい”とか”クーガの出現場所”を知りたいとか。強く念じるんだ!」

神田 「それで見れるの?」

豪 「願えば……、夢は見れます。見れると信じていれば不思議と見れるものらしいですよ。
前に先生がそう言ってました。」

神田 「ところで……、委員長はなんでこっちの部屋で寝えへんのや?」

豪 「”女の子”だからです。」

神田 「へーーー!これはびっくり!
委員長様は”オナゴ”でしたか?
いいや違う!騙されちゃいかんで!俺らと少しも変わらん!
いいから!こっちで寝るように言ってきなさい。」

豪 「…………。」

こうして皆は眠りについた。


















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そこは何かの施設だった。

そしてこの建物はミサイル基地。
クーガはいつの間にかその基地内の建物の中に現れていた。
どこから出現したのかわからない。
そして彼の目的は………、
大型ミサイルを操作して発射しようとしていた。

クーガは1人の少女をともなっていた。それはアンナだった。

アンナ「何をするつもりなの?」

クーガ「”冷戦”さ。」

アンナ「”冷戦”?」

クーガ「僕が冷戦を起こして、歴史を変える。」

アンナ「……………………。」

クーガは計器類が並んだ制御パネルに手を伸ばし、そこでミサイル発射装置を操作した。
それにしてもここの警備員や当直員はどうしたのだろうか?まるでいない。消えたように。
警報はどこにも鳴っていない。

アンナ「そんな事していいと思っているの?」

クーガ「勘違いしては困るな。
僕は数発のミサイルを撃つだけだ。
そのミサイルの目標は”山奥とか、人気の少ない土地とか廃墟の街とか”そんな所だ。ミサイルの爆発によって直に人はしなない。
だが、そのミサイルを発射する事により、”冷戦”は起こる。
それが引き金となって、…………その後、世界大戦が勃発するだろう。」

アンナ「……………………。」






スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.76] 299


クーガは小型のコンピューターらしき物を持っていた。
それは手の平サイズの物だ。この手のサイズの物は比較的よく売られているが、よく見るとクーガの持つそれは見た事も無いデザインをしていた。
それをここの操作パネルにつなぐと…………。

クーガ「ここのミサイルを発射できるようにしろ。」

コンピューター「わかりました。」

と、そのコンピューターが合成音声で答えた。

コンピューター「ここのシステムに侵入。ウイルス送り込み成功。
パスワード解読。
セキュリティーシステム解除。
外部通報システム遮断。警備回線切断。
ミサイル慣性システムから独立。”発射キー無しでミサイル発射可能”にプログラム書き換え完了。
警報装置無効化。各種センサー切断。」

簡単にミサイル発射の準備がなされていく。

コンピューター「ここのコンピューターがコマンド命令を受付けました。ミサイル発射に関するデータを入力。飛行コース指示。座標入力。
ミサイル発射に必要な予備水素燃料注入開始。慣性軌道装置作動開始。
テレメトリーシステムオン。人工衛星追跡システムオン。誘導装置オン。
ミサイルから信号が返って来ました。ミサイルの管制を完全に掌握。
オールグリーン!
ミサイル発射の全てのプロセスを完了しました。後は発射指示を待ちます。」





アンナがクーガに言った。

アンナ「…そんな事をして何なるの?!面白い?」

クーガ「これで人類は、以後、僕の言う事を全て信用するようになる。
後は……、僕は人類の”王”になるのだ。」

アンナ「そんな理由で人の命を奪っていいの?!」

クーガ「いいや。さっきも言っただろう?直には奪わない。歴史を少しいじるだけさ。
ミサイルを発射しても途中で相手国に撃墜される。そう歴史には記されている。未来のね。
だが…、それが引き金となって悲しい戦争が起きる。それも歴史に書かれているのさ。これから僕が作る歴史にね。
そして……、僕自身は手を汚さない。」

アンナ「タイムマシンをそんな事に使うなんて……………。」

クーガ「これからは………、歴史に大きな変動が起きる。地球全土を巻き込む戦争になる。
地表にはミサイルが飛び交い、海中には魚雷が走る。
シェルターに逃げ込んだ一部の人間や宇宙ステーションや潜水艦にいた者だけが生き残るだろう。地表に安全な場所は無くなる。
だが、君は僕といれば安全だ。」

アンナ「……………………。」

クーガ「これからは僕が用の無い人間だと判断した者はこの地球上から消えてもらうのだ。」

アンナは怒りを込めてクーガに言った。

アンナ「殺人だわ!」

クーガ「”殺人”ではない。もともと”その人物が歴史上に現れない”事になるだけだ。もともと”存在してなかったもの”とされるのだ。」

アンナ「………………。」

クーガ「そこには苦しみも悲しみも存在しない。心配しなくてもいい。」





スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.77] 300


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クリスは起きた。夢から覚めた………。

クリス 「”ミサイル発射基地”だ!!」

クリスの声に起こされて、神田と豪も夢から覚めた。

神田 「なんや?大きな声出しおってからに!まだ朝の6時やんけ!」

すると、委員長がクリス達の部屋に飛び込んで来た。
それを見た神田が……、

神田 「かーーーー!委員長のパジャマ姿、なかなか色っぽい!!
ピンクの色のパジャマ!まさに”おこちゃま”って感じや!!」

委員長はピンク色の地にいろいろな動物のキャラクターが入ったパジャマを着ていた。確かに少々子どもっぽいが、かわいらしさは演出できていた。
しかし、今はそんな事どうでもよく、委員長は興奮気味だった。

委員長「もう!神田君、うるさい!
そんな事より…………、夢を見たのよ!かなりリアルな夢を!
いままで自分の見た夢とまったく感じが違うわ。まるで本当にその場所にいるみたいな夢だった!」

神田 「俺も見たで!パジャマ姿の委員長とステーションビルでデートする夢を!」

委員長「がああああああ!!!!」

委員長は恥ずかしさで顔が真っ赤になった。

クリス 「僕も夢を見た。
あの”アンナ”という少女が出て来る夢だ。
クーガとアンナがミサイル発射基地に現れるんだ。」

委員長「私も同じだったわ!クーガとアンナさんがいっしょに出て来た!
それでクーガは”ミサイルを発射できるようにする”って言ってたわ!」

豪 「僕も見ましたよ。同じ夢かも知れません。
アンナさんが出て来て、そしてクーガというタイムトラベラーも出て来ました。ミサイル発射基地もありました。
そしてクーガはそこのミサイル発射システムを完全に掌握しました。
それで”冷戦”を起こすつもりだったようです。」

クリス「クーガはその後の世界征服の事も言っていた。”用のない人間は全て消す”とか!
クーガはタイムマシンで”歴史”を操ろうとしているんだ。自分の征服欲の為に。」

神田 「俺の見たのもそんな感じや!クーガのヤロウ!確かにそんな事言いよった!」

委員長「神田君…………、
最初は”別の夢”の話をしてなかった?パジャマがどうとか…………。」

神田 「夢って一晩の内に複数見る時もあるやん。俺が見たのもそうや。
1つは委員長とデートする夢。もう一つはクーガとアンナちゃんが出て来る夢。」

委員長「…………じゃあ、そのクーガはなんて言ってたの?」

神田 「俺の……、いや、僕のアンナちゃんに”いっしょにいろ”みたいな事言ってた。
”安全やから”とかなんとか。」

クリス「同じ夢だ!やはり全員同じ夢を見たんだ!ミサイル発射基地にクーガが現れる。アンナさんを連れて。間違いない!ミサイル発射基地へ行こう!」

豪 「ええ!」





スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.78] 301


クリス達は苦労してネットからミサイル発射基地の住所を割り出した。

クリス 「夢の中の基地内の表示には日本語があった。だからそれは”日本”にある基地だ。
それに夢の中に出てきた基地はそうとう大きい印象があった。
ネットによると日本にはミサイル発射基地は数箇所あるが……、一番大規模なのが実はこの近くにあるんだ。」

神田 「しかし、どうやってそこに入るんや?!絶対無理と思うで。俺達”ただの学生”やん。学生証で入れるの?」

豪 「確かにそうです。僕らを入れてくれる筈ありません。
それに侵入する事もできません。警備が厳重です。」

クリス「じゃあ、どうやって中に入ろう?」

豪 「ほとんど不可能ですよ。軍関係者でもないと。」

神田 「こういう時、映画や漫画ではヒロインのお父さんが軍の最高幹部だったりする。」

委員長 「はあ?」

神田 「しかし、まあ、今回ヒロインはいないが………。」

委員長「くーーーー!!」

神田 「ちと聞くが、”子役”の小川君。君の父上は軍関係者ではないかいな?」

委員長「ないです!!全然違う職業です!!」

神田 「映画みたいにはいかんか……。他に誰か親とか親戚に軍の偉いさんを持つ者はおれへんか?」

豪 「僕は無しです。」

委員長「親戚にもいないわ……。」

クリス「僕は……、両親も親戚もいないんだ。」

委員長「え?」

豪 「え?」

神田 「……。」

委員長「かわいそう。」

豪 「これは悪い事を聞いてしまいました。」

神田 「しゃあないなーー。誰も軍関係者の偉いさんを持つ者はおらへんのかいな。俺の所もいないしな。これでお手上げやな。」

クリス「こうなれば…………、ミサイル発射基地か軍関係に直接電話をかけよう。」

委員長 「直接?」

クリス「そう。直接電話をするんだ。ほら、ニュースなんかでは、いたずらの”爆破予告”の電話がかかって来ても、一応真実味のある物については調査したりするだろ?」

豪 「それは確かにそうですが……。受け合ってもらえますかね?”タイムマシン”なんて話しても。」

クリス「それしか手はない。当たって砕けろだ!
それに嘘を言ってもしかたない。真実を話そう。」

神田 「コネがないもんね俺達。それしかない!」







こうしてクリスは電話をかけた。そのミサイル発射基地を統括する軍の施設にだった。
そして電話応対に出た者に簡単に説明をし、”基地司令官に会わせて欲しい”と言った。”そうすれば全てを話す”と。
クリスは自分の名前や住所を聞かれたので正直に答えた。

軍 「照合して折り返し電話をかける。」

と言って、向こうは電話を切った。





スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.79] 302


クリス「僕には出生の記録が無いんだ。それを調べられたら、信用してもらえるかどうかわからない。」

委員長「じゃあ、私が代わりに名乗り出るわ。」

クリス 「軍と言っても素直に信用しない方がいい。個人情報をむやみに教えないようにするんだ。君は名乗らない方がいい。」

委員長「でも…。」

するとクリスの携帯に折り返し電話がかかって来た。
なんと、基地の司令官が電話に出てくれるという。

豪 「信じられない!」

神田 「なにかのワナや!」

電話オペレーター「今、司令官におつなぎします。そのままでお待ちください。」

豪 「用心してください!」


神田や豪はクリスの携帯に耳を近づけた。会話内容が聞き取れるように。
やがて、電話口に相手が出た。

司令官「私がこの辺りの地区を担当する軍の司令官の”郷田”だ。」

クリスは簡単にこれまで起こった事を司令官に説明した。
クーガの事や、予知夢の事などを。夢の中ではクーガがミサイル発射基地に現れた事も言った。その時の基地内の様子も語った。
そして、司令官と直接会う約束を取り付けた。
そこで話は終わり、いったん電話を切った。

クリス 「良かった。会ってもらえる。」

神田 「声の感じからして、なんや人が良さそうなオッサンやったな。
話を聞いてもらえた。”向こうから会ってくれる”っていう話の運びになった。」

クリス「そうだね。」

神田 「でも用心しいや。大人は何考えてるかわからんで。腹黒いかもしれん。
気いつけえや、普通、軍の司令官がおいそれと俺たちみたいな学生と会うかいな。
これはやっぱりワナや!」

クリス「しかし、もう残された方法は無いんだ。時間もあまりないかも知れない。とにかく行ってみよう。」

豪 「基地まで行ってそこで逮捕されると言う事も考えられます。いたずら電話をかけたとして。」

委員長「……………………。」







こうしてクリス達は約束の場所に向かった。
基地のゲートに行き、そこの警備員に事情を説明した。

「司令官から聞いています。どうぞ中へ。すぐ案内の者が来ます。」

ゲートは開いた。
そこをくぐり、厳重な警戒の敷地内に入った。
やがて案内の軍人がやって来て4人を案内した。
建物内を歩いて、そこに設けられた令官室に通された。









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