BLUE ODYSSEY

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『アリスの大豪邸』第3部 ACT.130




ニセアリスは完全にドスの効いた目付きになっていました。

ニセアリス「……………………。

もいっぺん今の言ってみろ!」

フォルクスワーゲン「え?
は?あの”女装されたコスプレイヤーさん”ですか?」








ニセアリス「 この世界一の美少女をつかまえといて、
どこが”女装”だ?!えーーーーーーーーーーーーーーー?!!!








フォルクスワーゲン「え?”女装”と言われるのがお嫌ですか?」

ニセアリス「なんだと?

いいか、アタシはな……、






"女"だーーーーーーーーーー!!!







フォルクスワーゲン「なんとこれはビックリ!!」

ニセアリス「なんだとーー?!!このおーーー!!

こんな車はいらん!!!別の車を買う!!」

するとウサギさんはそれを”かあるく”無視してお店の人に、

ウサギ「なるほど、”生きている”という意味はわかりました。
では契約書にサインを……、」







ニセアリス「こんな車は買わんと言っておろうがあああ!!!」







アリス「おしゃべりな車ですのでミルキーさんとちょうど合うかもしれませんね?」

ウサギ「では”40万ゴールド”、即金です。」

お店の人「はい、確かに!まいどありがとうございます!」









ニセアリス「 買わんと言っておろうがああああ!!!








こうしてウサギさんはなんと中古車を買ってしまいました。

アリス「車ができてよかったですね。
さっそくみなさんで乗ってみましょう!」

フォルクスワーゲンは自らドアを開けました。

フォルクスワーゲン「さあ、乗ってください!綺麗なお嬢さん!」

アリス「まあ!」

ウサギ「そう言えば……、あれ?誰が運転しますか?」

アリス「まあ、ウサギさんは”免許”をお持ちで?」

ウサギ「いいえ、持ってません。」

アリス「え?」

そう言えば……、アリスも運転免許は持っていませんでした。





ACT.131 ではスタート! 『アリスの大豪邸』 第3部 黄色いワーゲン編 


アリス「あの、ではいったい誰が運転を……?」

ウサギ「はああああ!しまったああああああ!
誰も"運転免許"を持っていません!
これじゃ車を走らせる事ができません!」

ニセアリス「よかったな!これで晴れてこの車を買わないで済ませられる!」

フォルクスワーゲン「オイラ場所を言ってもらえれば自分で走れます!
誰も運転する必要はありません!」

アリス「まあ!」

ウサギ「助かった!これでこの車に決まりですね!」

ニセアリス「いらーーーーーーーーーーん!!!!こんな車返せ~~~~!!!」






こうしてみんなで車に乗り込む事になりました。

お店の人「オイル交換も全て済ましてあります!ではお気をつけて!」

ところが「誰がどこの席に座るか」で少し迷いました。ニセアリスは後席にドカッと足を投げ出して座りたかったようですが、それだと後席のモグモグが大変嫌がりました。それでしかたなく、ニセアリスを助手席に座らせる事にしました。
アリスが運転席に、ミルキーはアリスの膝の上に、
そして後席には由美とウサギさん。その真ん中にモグモグが座りました。

フォルクスワーゲン「ではどちらに向かいましょうか?」

ウサギ「”お屋敷”に向かってくれるかな?
”丘を越えた向こう側”の以前流行っていた”お屋敷”。」

ニセアリス「バブル期に投資のしすぎで潰れた屋敷だ!
ビアガーデンやバイキングレストランを行っていた”会館”!」

フォルクスワーゲン「わかりました。オイラにお任せあれ!
ひとっ飛びで行きます!」

ニセアリス「なんだかなあ。」

フォルクスワーゲン「発進準備!
セルモーターコンタクト!メインエンジン始動5秒前!!
あっ、ヨン~!
サン~!
ニイ~!」

ニセアリス「やかましいーーーー!!!んな演出はいいから、早く出発せんか?!」

フォルクスワーゲン「はい、行きます!
エンジン始動!」





バババッババババッバババッバババ





フォルクスワーゲン「エンジンパワーアップ!
メーター計器類全て良し!
発進準備全て完了いたしました!」

ニセアリス「大げさ過ぎる!」






フォルクスワーゲン「 発進!






ブルンブルンブルルルルルルルルル!!!






フォルクスワーゲン「BGM始動!」

ニセアリス「”BGM”だあ?」

フォルクスワーゲン「ワンダバダ!ワンダバダ!ワンダバダ!ワンダバダ!ワンダバダ!ワンダバダ!ワンダバダ~~♪」

ニセアリス「なんだ?!その”ワンダバダ”って言うのは?!!」

フォルクスワーゲン「はい。”ワンダバ”は”発進だ!”というような意味になります。」

ニセアリス「わかった、わかった。とにかく出発しろ!」





ACT.132 ざけんなよ! 『アリスの大豪邸』 第3部 黄色いワーゲン編 


フォルクスワーゲン「オイラ、いったん”道”に出たら最強無敵です!
オイラの前は何者も行かせません!」

しかしニセアリスは呆れたような表情をしました。
そしてドカッ!とダッシュボードの上に足を乗せました。

ニセアリス「やんなちゃうよなあ~~。お喋りな車なんてうんざりだ!」





フォルクスワーゲンは走りました。すごいスピードです。
アリスたちがいままで歩いて2~3時間かかっていたのがウソのようです。
景色が後方へと流れて行きます。

アリス「……………………。」

アリスはその様子を見て喜んでいました。これで疲れずにお屋敷に着くことができます。
そしてお掃除を始められます。




しかしニセアリスはまったくおもしろくないようです。退屈していました。

ニセアリス「音楽をかけろ!」

フォルクスワーゲン「はい、わかりました!」

ニセアリス「”ドールズネクストドア”の”幸せのひっすう条件”をかけろ!」

フォルクスワーゲン「はい、わかりました!






ああ~~~~~♪滝の流れのよおにい~~~♪」






ニセアリス「なんだそれは?







まさか”みちょらひばり”の”滝の流れのように”じゃねえか?!!







フォルクスワーゲン「はい、そうですが……、







ああ~~~~~滝の流れのよおに~~~♪」








ニセアリス「ふざけんじゃねえ!それは”演歌”じゃねえか?!
誰がそんなものをかけろと言った?

それになんだか歌が変だぞ!
”安っぽい二流歌手の吹き替えバージョン”じゃないのか?」

フォルクスワーゲン「いいえ、これはオイラの”アカペラ”です。」







ニセアリス「 ふざけんじゃねえぞ!ゴラアア!!


誰がアカペラで歌えと言ったあああ?!!!






どうやらフォルクスワーゲンとニセアリスは馬が合わないようです。
ニセアリスは不機嫌になりました。そして後席を見ますと……、
ウサギさんと由美にはさまれ、モグモグがこうこつの表情を浮かべて席に座っているのが見えました。

モグモグ「……………………。」

いつものモグモグの表情とまったく違います。
足を投げ出してやや上の方を見つめていました。目がうつろです。
これまでモグモグはアリスたちのために一生けんめい荷物を運んできました。
時には音速を超える速さで走り、アリスたちのためにほんそうしました。
ですが……、自動車というものに乗っているとまったく疲れません。
モグモグは久しぶりに足を伸ばしていました。

モグモグ「……………………。」

その姿を退屈していたニセアリスが見つけました。





ACT.133 退屈したニセアリスが 『アリスの大豪邸』 第3部 黄色いワーゲン編 


ニセアリスはモグモグの様子を見てニンマリと笑いました。そして……、

ニセアリス「くくく!
自動車も手に入ったし、”荷物運び”もそろそろ”お役ゴメン”だな?」

それを聞いてモグモグは「ビクッ!」となりました。楽しい世界にひたっていたのが一気に現実に戻された感じです。

モグモグ「………………。」

ニセアリス「なにも知らないでのんきに座っているとは!
まあ、何も知らない方が幸せというものか?」

ニセアリスがそんな事を言いました。
いつものことが始まるようです。後席に座っていたウサギさんも呆れていました。

ニセアリス「では聞かせてやろう!
”食料”がいない時に影ではどんな事が言われていたか!」

ニセアリスは寸劇のような感じで語り始めました。




***************************************************************************


ミルキー「ルンルンルン~~♪
ねえねえアリスタン、ミルキータン、”フライドチキン”が食べたいんだけど!」

アリス「そうですか。
もう自動車も手に入りましたし、そろそろお料理して食べましょうか?」

ミルキー「うん!」



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ニセアリスはそんな「作り話」をモグモグに聞かせました。








モグモグ「 ピィーーーーーーーーーーーーーー!!








かわいそうにモグモグはその「作り話」を真に受けて車内で暴れ始めました。








バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!!!






ウサギ「どうどうどう!」

ウサギさんはモグモグの気を沈めようとひっしです。
しかしモグモグはバタバタと暴れました。
そんなモグモグにニセアリスが追い打ちをかけます。

ニセアリス「何も知らないでよく車に乗ったなあ。
着いた先では”バーベキュー”が待っていると言うのに!”鶏肉”のな!」

そう言いながらニセアリスは後席に手を伸ばし、モグモグの背中を怪しくなでました。

ニセアリス「うまそう!この黄色が食欲をそそる!」








モグモグ「 ピィピィーーーーーーーーーーーーーー!!








後席の車内にはモグモグの羽が舞いました。





ACT.134 ”返す”と申される 『アリスの大豪邸』 第3部 黄色いワーゲン編





モグモグ 「 ピィピィピィピィピィピィピィピィ!!!





バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!バサッ!







バサバサと羽ばたくその大きな羽が何度も由美の顔に当たりました。

由美「きゃ!」

モグモグの羽毛が舞ってそれが由美の頭の上に落ちました。
ウサギさんはモグモグを押さえつけようと必至でした。

ウサギ「どうどうどう!」

モグモグはまるで仔猫が暴れるようにドタバタと暴れました。
ニセアリスはその様子を見て大いに楽しんでいました。

ニセアリス「きしししししししし!」

アリスはフォルクスワーゲンにちょっと止めてもらうように言いました。
後席が大変なことになっているようですから!しかし……、

フォルクスワーゲン「もう着きました!」

アリス「え?」

フォルクスワーゲンはすでに止まっていました。
アリスがウインドウ越しに見ますと確かにあの”お屋敷”が見えました。

アリス「まあ!」

短時間で着いたようです。これまでの徒歩での移動と比べますと、信じられないぐらい早く着きました。

ウサギさんは車が停止したので後席のサイドのドアを開けました。
するとモグモグはウサギさんの身体を押しのけてドアから外へ飛び出しました。
そして20メートルほど向こうに行って止まりました。
モグモグはピリピリしています。

ニセアリス「あはははははは!あはははははは!」

アリス「……………………。」




フォルクスワーゲン「どうですか?オイラの走りっぷりは?
気に入っていただけましたか?」

フォルクスワーゲンはそんな事を言いました。

ニセアリス「いや、まったく気に入らん!
売ってしまおう!こんな車!」

フォルクスワーゲン「そんな?買われたばかりなのにもう売るなんて!」

ニセアリス「買った所に引き取ってもらう!」

フォルクスワーゲン「オイラあそこに戻されるのは嫌です!」

ニセアリス「ほう!あの中古車屋はそんなにイヤな所なのか?」

フォルクスワーゲン「いいえ、あそこのご主人様は車をとても大切に扱ってくれます!
とても良い所でした!」

ニセアリス「じゃあなぜ戻されるのがイヤなんだ?」

フォルクスワーゲン「オイラのとびっきり優れた能力を発揮できるのはオーナー様に買われた時だけです!”自動車”というものはオーナー様に買われて初めてお役に立てるのです。そうしてもらってやっと”一人前の車”になるのです。」

ニセアリス「じゃあ……、
戻ろうか?”中古車屋”に!!」

フォルクスワーゲン「今の話をちゃんと聞いておられましたか?!!!
オイラはオーナー様のもとで働きたいのです!」

ニセアリス「ああ、もちろんちゃんと聞いていた。
では戻ろうか?”中古車屋”へ!」

フォルクスワーゲン「聞いておられるように思いませんが!!」

フォルクスワーゲンはウサギさんに向かって言いました。

フォルクスワーゲン「”オーナー様”!
こちらの”女装のコスプレイヤー様”がオイラの事を”返してしまう”と言っておられるんです!」

ウサギ「ああ、言い忘れていた。
君が”女装のコスプレイヤー様”と呼んでいる人の言葉を真に受けちゃいかん!
”女装のコスプレイヤー様”は時々”ジョーダン”を申される。
それを本当の事と思っちゃいけない!」






ニセアリス「 誰が女装のコスプレイヤーだ?!





ACT.135 ”心のきれいな方” 『アリスの大豪邸』 第3部 黄色いワーゲン編

ニセアリスは怒りました。

ニセアリス「それに誰が”ジョーダン”を言うって?

やはり返してしまおう!こんな車!
ああ、今決心した!返す事に決めた!」

フォルクスワーゲンはアリスに向かって言いました。

フォルクスワーゲン「助けてください、”美しい方”!
こちらの”女装のコスプレイヤー様”がひどいことをおっしゃるのです!
オイラを返してしまうなんて!」

アリスは言いました。

アリス「あなたは役に立つようなのでここに置いておきます。
心配いりませんよ。」

フォルクスワーゲン「おお!なんと心のきれいな方だ!
あなたはきれいな方ですが、心まできれいです!」

するとニセアリスは腰に手を当ててフォルクスワーゲンの前に立ちました。

ニセアリス「もうひとりの”きれいな方”にあいさつをしていないようだが?」

フォルクスワーゲン「は?”もうひとりのきれいな方”?」

するとフォルクスワーゲンは玄関にいる由美の所に行ってあいさつをしました。

ニセアリス「どこへ行ってる?
違うだろ?」

するとフォルクスワーゲンは今度はウサギさんと話を始めました。

フォルクスワーゲン「”女装のコスプレイヤー様”は”きれいな方”と同じような服装をしておられますが……、どうも同じような心の持ち主とは思えないのです。」

ウサギ「同じような服装をしていても心の”きれいな人”と”汚れている人”がいるんだ。
そう、とても”汚れていて”それはまるで”洗っていないぞうきん”のような心を持っている人も中にはいるんだ。」



ニセアリス「 誰が”洗っていないぞうきん”だって?!




ウサギ「人間を外見だけで判断しちゃいけないと言うが、
このアリスさんの心はとてもきれいなんだ!
逆にアリスさんととてもよく似た服装をしていようとも……、”心が汚い人”もいるんだ。
そう、どうしようもなく”言葉が汚い人”もいる。
どうしようもなく”いたずらばかりする人”もいる。
どうしようもなく”他人にちょっかいばかりだす人”もいる。
どうしようもなく……、」

ニセアリス「何が言いたい?」





アリスは今日もお屋敷に着いたことを嬉しく思いました。
そしてお掃除を始めようと意気込みました。
アリスはお屋敷を見つめていました。
フォルクスワーゲンはそんなアリスに言いました。

フォルクスワーゲン「”心のきれいな方”!
オイラいつでもお役に立てるようにいたします!ですからここに置いてください!」






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