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岩手旅レポートが止まったまま、夏休みが終わろうとしていました。。。更新できずにごめんなさいー。夏休み中は学童保育も毎日終日だし、また何かとイベントや活動続きでほんと慌ただしくしておりました。ここ(30日)に来て、ようやくゆっくりする時間が。最終日にもつれこんでジタバタしている小5息子の宿題の追い込みを横目に久々のブログです。さて、早池峰神社例祭の続きです。宵宮の次の日は、本祭。まずは神社から神輿が担ぎだされます。先頭を歩く天狗の面は、おそらく「山の神」。神輿行列の後を、神楽や鹿踊りの列が続き要所要所で舞いながら進みます。境内は、巨木が立ち並ぶ鬱蒼とした森。その中を鮮やかな衣装をつけた行列がゆっくりと進む様子がなんとも自然と一体になった土着的な雰囲気をかもし出しています。やがて行列は、境内を出て近くを流れる猿が石川の川原に出ます。そして、そこで神輿を清めるのですが周囲の人たちが、川原に生えている草を手に手にとって川の水で濡らし、その雫で神輿の周りを払うのです。それを見た時も、なんだかとても素朴な感じがして感じ入りました。清められた神輿は境内に戻り本殿の前で鎮座。それからまた、神楽や鹿踊りの出番です。行列は、舞いながら本殿の周囲を3回周ります。これは「しんがく」といって、比較的簡単な舞い。獅子の頭についているのは、木のカンナくず。これを身につけると安産のお守りになるとも言われています。背中に立つのは、ヤマドリの羽根。最後に、また神楽の舞いが本殿前で奉納され祭りは終了です。最初から最後までちゃんと見たのは実は今日が初めてだったかもしれません。住人として参加するのでなく、観光客の目線で見る、というのはまた新鮮なものです。なんとも素朴で味わい深いお祭りだなーと改めて思いました。いろんな神社を訪れていますがこの早池峰神社の境内ほど霊気に満ちた場所を他に知りません。幽玄な森、土の匂い、清冽な空気、そして静寂。。。かつて自然と共に生きた山の人々の思いや願いが今もまだ、その場に息づいているようなそんな感じがするからだと思います。本祭の夜、遠野は土砂降りの大雨にみまわれました。水の神様である、早池峰神社の神様が喜んでるから。当たり前のようにそう言う遠野の人たちはきっと、山の神と共に生きる民の末裔なんですね。
2009.08.30
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岩手をはじめ、東北地方は伝統芸能が人々の暮らしにとても身近に寄り添っています。例えば、我々家族が住んでいた遠野。各地区にそれぞれ、神楽や鹿(しし)踊りが伝承されていて少しずつ振り付けや衣装などが違って存在しているのです。しかも、年に何度かあるお祭りの機会には子ども達もみな、踊り手として参加するのでおそらく、遠野に住んでいる人はほぼ全員がそれぞれの地区の伝統芸能に携わっている、ということになるかも。私が住んでいた「附馬牛(つきもうし)」地区にも2つの神楽と1つの鹿踊りの団体がありました。そのひとつ、大出(おおいで)神楽が伝わるのが、遠野の最も早池峰山の麓寄りにある大出地区。そこに鎮座する「早池峰神社」の例祭の宵宮が7月17日の夜。今回私がどうしても訪れたかった、神楽奉納のある日です。少し遅れて境内に入った頃には辺りは宵闇に包まれようとしていました。本殿の手前にある古い神楽殿。松明の炎と裸電球の黄色い淡い光。人々のざわめきと共に流れる笛と太鼓の音色。「ああーやっとこの場所に来れた!」という嬉しさが沸き上がってくる瞬間でした。舞っている演目は、日本神話に基づいたものや山の神、翁、三番叟など、能や狂言の世界に近いものなどがあります。その振り付けはその地域によって様々で例えば、やはり早池峰山の反対側の麓にある大迫(おおはざま)地区に伝わる岳神楽などは、テンポがかなり早くて、踊りもダイナミック。対照的に、大出神楽は少しゆっくりめのテンポで、踊りも優雅な感じです。翁舞。動きがゆっくりな上に中腰の姿勢が多く、舞い手はかなりハードとか。。。実は私も、少しだけこの大出神楽をやっていた時期がありました。鶏舞(とりまい)という、基本の舞いのみでしたがこれがまたけっこう難しい!恐れ多くも、何度か本番で舞わせて頂きましたが結局最後まで、ちゃんと覚えるに至りませんでした。。。一緒に踊る人のを見ながら、やっと、でしたね。早池峰神楽・映像へジャン プこの大出神楽の伝承を、一手に支えているのが遠野在住の千葉さんという方。我々家族が遠野に来るきっかけともなった方で移住に際してとてもお世話になった恩人です。「パハヤチニカ」(アイヌ語で「早池峰」の意味)という地域に根ざした質実剛健な冊子づくりを続けて来られていて大野平(おおのだいら)という、遠野では最も早池峰山に近い最後の集落のこれまた最奥部に自分で家を建ててご夫婦と子ども達3人、あと動物多数…と一緒に住んでおられます。千葉さんご自身は、「デクノボーブラザーズ」というバンドのボーカルもされていて宮沢賢治先生へのオマージュを込めたCDアルバムも出したり神楽では、一番の見せ場である「山の神」をそれはもう精魂込めて演じる、素晴らしい舞い手です。宵宮のクライマックスは千葉さんの「山の神」。鬼気迫る舞いは見る者を惹き込む。まさに神が降りて来てます。。。今回も、横浜から「神楽をやってみたい」という女性が来られていて1週間程滞在して練習を重ね、宵宮に出ていましたがそういった、遠野を訪れる人々をいつでも温かく気軽に迎え入れてくれるのも千葉さんご一家の懐の深いところ。私もその女性と共に、1泊お邪魔しましたがここでも、ウチの息子を可愛がってくれていた二人のお姉ちゃん達が素敵な中学生になってて、びっくり!娘さんも二人とも、立派な神楽の舞い手に成長していました。奥さんのあっちゃんは、実におおらかでユニークな魅力的な女性。ご家族のあったかい雰囲気は以前と少しも変わらずとても居心地が良く、楽しい時間を過ごさせて頂きました。早池峰神社の神様は、水の神。宵宮の夜には必ず雨が降るのですが(実際、神楽の最中に突然スコール!ということも過去にはありました)今回も、案の定。次の日は、午後から大雨になりました。日本の原風景がある遠野の地、そして古式ゆかしい神楽。天と地が、神と人間がかなりはっきりと繋がっているのだろうなあ。。。と思わずにはいられません。宵宮の次の日は、神社の本祭です。つづく。。。
2009.08.10
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