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はちみつキレイをつくる74の魔法価格:1,050円(税込、送料別)清水美智子青春出版社 B6判並製☆☆☆☆ はちみつが美容にもいいし、料理に使っても使いでがあるということで、基礎化粧品に少しまぜて使って保湿効果を高めるといったことから、肉じゃがや魚の照り焼きといった定番家庭料理に砂糖の代わりに使うためのレシピや、のどが痛いときの大根とのシロップ、蜂蜜を使った果実酒のレシピなど結構盛りだくさんで紹介されている。でも活字が大きいし、イラストも多用されているので、あっという間に読める。また、様々な花粉から作られる蜂蜜の特徴や、蜂蜜の効能も分かり易くまとめられている。蜂蜜の甘さはおよそ砂糖の倍、また魚などの生臭さを消す効果もあり、肉や魚の下ごしらえの時、蜂蜜をかけておくと生臭さが取れるらしい。ほんの少量ご飯を炊くときに入れてもいいとか。蜂蜜が大量にあるとか、蜂蜜を使い切りたい、ワンパターンな使用から抜け出したい、なんてときには役に立つんじゃなかろうか。私もいくつかのシロップや果実酒はちょっと作ってみたい。
March 30, 2011
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【送料無料】花神の都浦山明俊祥伝社文庫☆☆☆☆◎ シリーズ第三弾。「陰と陽」「京都の花」の中編を二編収録。「陰と陽」は石田千尋とその秘書でもと医師(!)という経歴を持つ小島幹大との出会いを描いている。ここで猫のヤンも登場。賢いシャム猫だ。「京都の花」は山桜が里桜より早く咲いたという京都では、大勢の人々がいきなりめまいや耳鳴りを訴えて、病院が一杯になってしまい、それを怪しんだ小島の元の同級生が彼に連絡を取るところから始まる。案内役はまだ若い舞妓の市乃。 「陰と陽」の方はまだ小島と千尋が初対面であるため、何となく事件の展開について行きにくいような気がする。けれども、他の作品でさりげなく入る小島の突っ込みはここからもう現れている。ここで語られるストーリーがきっかけとなって小島は医師を辞め、千尋の秘書になるわけだけど、もう一つくらいエピソードがあった方が説得力があるような気がする。でも小島が最初つけていたモンデイン・エヴォの腕時計、時間が見やすいならちょっと欲しいかも……お高そうな時計だけど。 「京都の花」は思わぬ人物(?)が事件に密接に関与しており、その人物の恐妻家ぶりが楽しい。ほとんど夫婦漫才だ。出てくる京都の寺社も私があまり足を運ばなかった場所だったのも読んでいて楽しかった。それに作中に出てくる一直線の建物ラインは興味深い。この人、かつての主君同様あんまりそんなこと信じなさそうに思えるけど、ブレインにはそうでもない人がいたんだね。こちらの京都の花はちょうど桜が扱われていて、ちょうどこれからの季節にぴったりの内容だった。 千尋と小島の漫才が楽しいので次作も出たら読みたいな。そういえば、あまりブランドの欧文横書きルビつき表記はなくなっていた。やっぱり見づらいからだろうか。それともおおよそのこの二人の愛用ブランドが出尽くして、二回目以降言及するときは普通のカタカナ表記にしているせいだろうか。
March 30, 2011
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【送料無料】魔女遊戯価格:980円(税込、送料別)イルサ・シグルザルドッティル集英社文庫☆☆☆☆☆◎ アイスランドを舞台にしたミステリ。この本に描かれている日付の約5ヶ月後に私はアイスランドに3泊5日の旅行に行った。そして頁をペラペラめくると、旅行中に迷って行ったアイスランド大学や、多分ここでエッダ写本を見たんじゃないかと思われる古文書館も出ているし、観光で立ち寄った教会も出ているようなので、図書館に蔵書されるのを待たずに購入。すぐ読んで大正解だった。そして、当時、博物館で唯一英語併記なしのアイスランド語表記の展示があったのだが、それって、宗教改革関連のことだったんじゃなかろうかと思ったが、この関連だったのだろうか?と思っているところだ。 アイスランド大学の史学科に留学しているドイツ人学生ハラルドが殺されることから事件は起こる。この学生、非常に猟奇的な殺され方をしている上に、魔術や魔女狩りなどおどろおどろしい研究テーマを研究していた。が、犯人はすぐ逮捕される。しかし、お金持ちの学生の両親はその犯人に納得せず、ドイツで刑事の経験のあるライヒという一家が経営する銀行の保安部門の責任者をアイスランドに送り込む。が、彼はアイスランド語ができない。そこでライヒがアイスランド人の弁護士、トーラを代理人に依頼する。そしてこの二人が事件の真犯人を暴き出すのだ。謎解きもおどろおどろしいテーマではあるが、それは全てマテリアルの一つに過ぎず、トーラとライヒはハラルドの研究テーマと友人関係から捜索を進める。その過程で、アイスランドのキリスト教史の一端や、現地に行く際のアイスランドの風土が語られてとても面白い。洒落た革靴はアイスランドの未舗装の道を歩くのは向かないし、寒冷地だからグースダウンの大きなダウンを着たり、ジープを借りたり……。また、トーラのプライベートも私たちが持っている北欧のイメージが濃厚だ。それにハラルドは「肉体改造」が趣味だったらしく、体に鋲を埋め込んでいたり(これ、描写がはっきりしないのだが、多分ボディピアスと思われる。インプラントじゃなさそうだ)、日本でも「蛇にピアス」で描写されたスプリットタンにもしているという設定。こういう猟奇的場面にはつき物なのかねえ。 とにかく、ハラルドの研究テーマからある魔女狩り関連の古文書を追跡したり、魔術の博物館に行ったりと昔のダークな面に、ドラッグなどの現代の問題などを絡めた盛りだくさんの内容だ。ついでにココに出てくる魔女狩りのベストセラー(?)は結構この時代のネタ本の定番らしい。別の本でもネタになっていた。それでも随所にアイスランドの風景が織り込まれ、読んでいて退屈しない。外国人が殆どアイスランド語を話さずにすむ環境については、まさにその通りだが、アイスランド語って難しいらしい。シリーズになっているようで英訳はあるようだから、これの続巻も出版されないかな。ちなみにこの本はアイスランド語からの訳ではなく英訳からの翻訳である。巻末の解説によると他にもアイスランドが舞台のミステリがあるようだし、読んでみたいな。 そして、下の写真はこの本で出てくるスカゥルホルトの教会と、その傍にあったアイスランド語の看板だ。アイスランド語なので、なんて書いてあるのか分からないが、下の写真のタイトル部をグーグルの翻訳ウィンドウに入れてみたところ、"Fornleifarannsoknir i Skalhorti"は"Archaeological excavations in Skalhorti"、「スカルホルトの考古学的発掘」というような意味らしい。なるほど、ここの成果はこの本にも反映されてるんじゃなかろうか。
March 29, 2011
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【送料無料】東京百鬼浦山明俊祥伝社文庫☆☆☆☆☆ 「事件簿」となっているが、ミステリではない。陰陽師が主人公なのでそういう事件だ。だが、その事件がファンタジックでありながら、妙に現実感も失わないので読んでいて楽しめる。この作品の次である、「鬼が哭く」の方を先に読んだのだが前後関係はあまり気にならない。連作短編集で、各短編がゆる~く繋がっている。この本では主に関東と福島県が舞台。六本木ヒルズらしき建物や日光といった私も行ったことのある場所が出てくるのも楽しい。また、登場人物も最後の短編に出てきた警察官の武田クンや鳶の頭にはまた出てきて欲しい。あと小島の飼い猫のヤンも。でも六本木編で出てきたウザい高所恐怖症で閉所恐怖症の男はいらない。この小説では主人公の石田千尋とその秘書の小島幹大(みきひろ)の身につけているブランド品の名前の列挙が結構鬱陶しいのだが、その羅列のおかげで妙に現実味と生活感がプラスされているのかもしれない。
March 23, 2011
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【送料無料】沖縄文化論新版価格:1,890円(税込、送料別)岡本太郎中央公論(中公叢書)192mmx133mm並製 しばらく気になっていた本。昨年4月に沖縄に行って以来、結構沖縄の文化に興味が出てきたのだ。あまり暑いところは好きじゃないといいながら、また行きたいとか思ってるし。 著者が沖縄に赴き、その時の取材を元にこの本を書いたのは主として1959年、昭和34年11月から12月。今から半世紀以上前のことだ。まだ昭和三十年代、東京オリンピックの5年前だ。今から見れば東京だってまだまだ発展途上の時代である。著者が撮った写真には首里城址も「戦火の傷も古色に埋もれて」なんて書いてある。そして、その7年後の1966年、昭和41年のクリスマスイヴからイザイホー(この12年後の1978年を最後に以降行われていない)の取材に久高島を訪れたときのことと沖縄復帰にあたってという一文が増補として収録してある。ちなみに本土復帰を除いては全て私が生まれる前のこと。以前、文庫版を立ち読みしたときから、割と昔のことだろうと思っていたのだが、正直、最初が昭和34年だとは思っていなかった。今と共通した問題もすでに見られてはいるが、白黒の写真といい、隔世の感が強い。そして、本文からも察することのできる著者ご本人が超セッカチが、何だかんだと言いながら沖縄の「島時間」に象徴される風土に馴染んで(?)いっているような気がする。特に沖縄到着直後の様子を読んでいると、あまりいい印象が抱けなかったようで、この先を読んでも求めていた感覚とは違う感性で書かれていてつまらないのではないかと危惧したのだが、取り越し苦労だった。まあ、多少島唄の部分に関しては、「原始」への回帰(?)を強調しすぎのような気もしたが、留学先のソルボンヌ大学で民族学を学び、その知識のある著者にとっては、貧困や「口減らし」の凄惨な言い伝えも想定内らしく、淡淡としている。特に久高島、斎場御嶽、首里の観察の鋭さはとてもほんの半月程度の滞在からのものとは思えない。また読んでいて驚いたのは、久高島が属する当時の知念村が沖縄でももっとも貧しい村だと書かれていたこと。今はそんなこと全く分からなかった。また、レンタチャリで島内を走っていたところ、どこかで鳥を追い払ってるのか?みたいな声が聞こえた。これがこの本で紹介されている「イゾウ(気合)」だったのだろうか? そして、今、風葬の風習がこの頃までこの島にあったと書こうとして、検索をしたら、とんでもない記事を見つけてしまった。風葬がなくなったきっかけにこの本の著者が関係しているというのだ。本文によると那覇から来た新聞記者に案内されてこの場所に来た著者が、その風葬の場所の写真をこの本の雑誌掲載時に使ってしまって、島では大変なことになったという。最近、新聞記者に偏見を持つようになったが、新聞記者ってやっぱりそういう無神経な人種が多いのだろうか。案内する記者も記者だ。「地元の人が見られるのを嫌がる」場所にノコノコ入るのはやっぱりやめたほうがいい。まして写真公開するとか考えられない。実際今でも久高島には「祭の間は観光客が入ってはいけないところがある」と明記されているのだ。きちんと手続きを踏めばいいものを、無神経な行動としか書き様がないではないか。確かに著者は「死をたいしたことだとは考えない」と書いているが、それは自分の考えであって、地元の人は全く違う。この本でも本土復帰の沖縄について立派なことを書いているのに、当人がこれじゃ興ざめだなぁ。今更だけど、現代なら多分訴訟か警察沙汰にできただろうに。私も一人旅でヘンなところに入り込むことがあるので気をつけよう。道理で開放的だと聞いていた沖縄の人なのに、この島の人がどこか警戒しているように感じたのは、気のせいではなかったのだろう。折角面白いと思った本なのに。
March 21, 2011
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死の仕立屋価格:777円(税込、送料別)ブリジット・オベールハヤカワ・ミステリ文庫☆☆☆☆☆ 久しぶりのフレンチミステリ。かなりグロい。苦手な人は(まあ解説読んだら読まないだろうけど)絶対にやめたほうがいいレベル。私も食事中読まなくてよかった。少々のグロは平気なのだが、前もダメだったのだがカニバリズムの描写がダメなんだと気づいた。ニオイ想像しちゃった……。フランスのリゾート地、コートダジュールを舞台に複数の死体を繋ぎ合わせるという猟奇殺人が発生。それがどういうわけか、マルセル・ブランという巡査の担当区域でばかり起こる。で、警官達がどいつもこいつも結構無能、というか普通の人。夏の話なので、「暑い」という描写も多く、それで猟奇殺人……。私は気色悪いといいつつ読んでしまうタイプなのだが。犯人の変態っぷりの描写も凄いのだが、なんでブラン巡査の担当区域にしたのかちょっと説明不足。変態だからイミがないのかもしれないが。ニオイの描写もおとなしいんじゃないかな。それに最後のクライマックスもちょっと盛り込み過ぎかもしれない。グロ過ぎて映像化は厳しいだろうが、それを上手くベールやモザイク、映像加工で覆えれば、映像化したらよさそうな小説だ。でも、美男美女があんまりいないからつまんないかな。ただし、最後の一文を読んで、次作があるのでそれを読んでみたいとは思っている。結局苦手といいつつ、結構このての小説は好きだ。それにしても登場人物名もあまりフランスっぽい名前がなく、南アフリカからの移民やイタリアっぽい名前が多い。
March 20, 2011
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【送料無料】sol×solがおしえる多肉植物育て方ノ-ト価格:1,260円(税込、送料別)松山美紗監修 sol x solA5判変形(205mmx149mm)並製☆☆☆☆☆ 近所のホームセンターでセダム銘月の小さい鉢植えを買ったので、育て方を調べようと図書館で見つけて借りてきた。とにかく写真がお洒落できれい。特に寄せ植えの写真はどこかの雑貨のようだ。そして育て易い種類から難しいけれど面白い形態をしている種までコンスタントに載っていると思う。でもアロエベラ、キダチアロエなんかは載ってない。コンセプトが「インテリアになる多肉植物」なのでそういうことなのかな。あと、大型種も載ってないと思う。けれども、自生地の写真、切手になった多肉植物、多肉植物を食べたり、多肉植物で屋上緑化が試みられていたり、インテリアになる寄せ植えの作り方だけでなく、コラム的に様々な多肉植物に関わる情報も載せられている。一冊持っているだけで、楽しくなりそうな本。これでアロエのことが載っていたら家にあってもいいな。 近所のホームセンターで「グラスプラント」みたいな名前で売られている、ハオルシアは明るいところに透かすと一部半透明なところがあって面白い。この本によると室内でもOKっぽいので、ちょっと興味あり。また、ネイティブアメリカンが祭事に使ったというロフォフォラ、着生するというリプサリスという風変わりなサボテンっぽくないサボテン、ガステリアという強健な種類、また夏に蒸れ易いが石ころに擬態しているみたいで独特な形状・生態のリトープスやプレイオスピロスなんかも面白そうだけど、川の近くで空気湿度の高い家で育てるのはムリかな。前にサボテン蒸らしてからしたことあるし。私はつくづく変わった形で、手のかからない植物が好きらしい。「着生」という言葉にも弱い。これはマンション暮らしのせいだけじゃないと思う。でも薬にもなるというキダチアロエやアロエベラにも興味津々なのだ。
March 19, 2011
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【送料無料】1年365日、プーアール三昧井上菜津子亜紀書房☆☆☆☆◎ プーアール茶好きなので、どんなお茶なのか詳しく知りたくて借りてきた。が、ここに紹介されてるお茶は、ちょっと高そう。美味しそうだけど。一番興味深かったのは、お茶の歴史が綴られていたこと。四川省とチベット、お茶を通じて、こんなにつながりが深かったとは思わなかったし、プーアール茶、というか黒茶(後発酵茶)で辺境地方で飲まれていたお茶の力。体調の悪いパンダがこのお茶をねだるって本当かな、と思いながら読んでいた。 今まで紅茶とウーロン茶はきちんと淹れてもらったお茶を飲んだことがあるが、プーアールはない。今度どこかで飲んでみよう。やっぱりまたプーアール茶が飲みたくなってしまった。
March 18, 2011
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ベラム館の亡霊価格:1,050円(税込、送料別)アンドリュー・クラヴァン角川文庫☆☆☆☆☆◎ 本当は表紙の尼僧の絵につられたのだが、この絵、あんまり象徴的ではない。とはいえ、中世からの迷信めいた因縁が現代にまで結びついたゴシック小説。イギリスが舞台で、貴族の広壮で曰くつきのお屋敷、その傍にある打ち壊されたカトリック修道院(これ、イギリスのこのての小説の王道パターンらしい)、中世の写本に幽霊譚、若く美しいヒロイン、かっこいいヒーロー(でもキズあり)……。アメリカ人が書いているだけに一層「ゴシック・ロマンス」の王道の要素をちりばめていると思う。ヒーローはアメリカ人の男だが、彼もヤンキーらしく描写されている。1990年代に書かれたようで、パソコンについての言及はあるが、登場人物の(かなり男勝りで、怪奇雑誌の編集長である)おばあちゃんがビデオの再生もおぼつかないとかもあるが、携帯電話はまだ出てこない。また、ヒーローのアメリカ人は元ハリウッドの映画監督だが、ある事情でその仕事を投げ捨てて、無給で怪奇譚を集めて出版しているアヤシイ雑誌の編集部で見習いをしている。彼の父も西部劇俳優であり、ジョン・ウェインやジャック・ニコルスンが実名で出てきているのも面白い。また、プロットも良く練られていて、この主人公のアメリカでの仕事も結構ストーリーの中では重要な役割を果たすのだ。個人的にはこの中年男より、アタマを剃り上げているのに「天使のよう」と形容されているこの出版社のアシスタント、バーナードが好きだ。 しかし、中世からの迷信めいた因縁、曰くつきの広壮なお屋敷、廃墟などなど、物凄く好みの題材ばかりを並べられた感じがする。はっきり「ゴシック小説」「ゴシック・ロマンス」と銘打った小説を読んだのは結構初めてに近いが、こんな筋立ての小説、また探してみよう。ちなみに、この「ゴシック小説」、作家によっては茶化して作品にしているのも読んだのだがそっちも好き。 にしても……前に読んだのも日本のホラーだから、ちょっと食傷したかもとは思うが、やっぱり因縁話めいたホラーは好きだ。
March 16, 2011
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【送料無料】凶宅三津田信三光文社文庫☆☆☆☆☆◎ 「禍家」と「災園」の間のシリーズ第二作目。刊行順に読んでいないのだが、私にとっては久しぶりに奈良県「杏羅(あんら)市」という架空(だよね?)の市が舞台の小説。ここが舞台だと私が奈良好きのせいもあり、特に歴史と過去の因縁に纏わるホラーが楽しめるような気がする。この小説でも「蛇がとぐろを巻いているような山」とどこかで聞いたような山が出てくるし、大体、この山と周囲の描写、刀城幻哉のシリーズでもっと過去の話が出てたんじゃないかという気がしてくる。 小学校4年生の日比乃翔太は東京の国分寺から夏休みにこの杏羅に引っ越してくるが、その直後から色々な怪異を感じる。そして、近所のアパートに住む幸平という少年とともにその謎解きに挑戦するのだ。それにしても、そこで翔太が感じる怪異も特に近所の女性やおばあさんが絡んでいるととても気持ち悪い。けれども翔太がトシの割にアタマが切れるとかそういうことは置いておいて、この少年二人の友情も可愛らしい。そして他の二作にも登場している「吉川清」がまたここでも名前だけ顔を出している。これも不気味だなぁ。やっぱり最後の一文の「羊のハネタ」はすごく怖いし。この小説では真夜中に読んでいる最中に読書灯が揺らいだりもしなかったが、「災園」よりはこちらの方が好みの小説だ。過去の因縁が明らかになるのもいいが、ならなくても不気味さは変わらないような気がする。 この小説に出てくる地名も著者が遊んでいるらしく面白い。ちなみに奈良市には「杏南町」行きバスがあり、この表示を見たとき吃驚したのだが、今調べてみて「杏」を「からもも」と読むのが分かった。つまり「杏羅市」がアナグラムだということか。他にも作中で私鉄の乗り換えで伽陀石伊(がだいしい)という地名が出てくるが、場所的に大和西大寺だよなーと思いながら読んでいた。(法則が分からないけど、多分これもアナグラムだ)また、最後になると「アレ」の名前も漢字を用いた一種のアナグラム?であることが判明する。多分杏羅市は奈良市と大和郡山市の郊外あたりの(つまりは奈良のベッドタウン)風景がモデルなんじゃなかろうか。また「杏羅市」が舞台の小説が読みたい。次に奈良に行くときはこの「杏」町近辺にも行ってみよう。
March 11, 2011
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【送料無料】猫探偵カルーソークリスティアーネ・マルティーニ扶桑社 文庫☆☆☆☆☆◎ ヴェネチアに住む猫達が人間の殺人事件解決に奔走するミステリ。ヴェネチアの観光名所が各所に登場し、さらに著者がブロックフレーテ奏者ということで、ヴィヴァルディの曲の描写も読んでいて楽しかった。楽器などに対する描写も現実味があったし。それだけでなく、ヴィヴァルディが赤毛の二枚目の司祭に書いてあるのもツボ。そういえば、肖像画のヴィヴァルディって確かに結構いい男だったような気がした。ついでに、主人公で周囲の猫達のボス、カルーソーのパートナーカミッラの飼い主のカステッロ刑事の描写もイタリアの(ちょっと薄給っぽい)伊達男なので、こちらもツボだった。無論、猫達の描写もいい。カステッロ刑事をちょっとゴツくした感じのカルーソー、強面の黒猫兄弟のマッシーモとヌッツオ、伊達雄猫ロッコ、娼婦ということでコケティッシュな描写のラッファエラ、黒の美猫オルネッラなどなど……。結構女性読者のウケを得られそうなのが、カルーソーのパートナー猫で、「小柄で貧相だけど声が素敵で賢い」と描写されているカミッラだ。 ストーリー自体はさほど込み入っていない。悪漢たちもユーモラスで、殺人事件はそれなりに凄惨だだが、深刻な感じはしない。私は作中に描写されているヴィヴァルディの描写の方がいかにもミステリーで興味がある。人間がこのヴィヴァルディの謎(著者のオリジナルだろうけど)を解く歴史音楽ミステリが読んでみたい。当然、猫が大きな役割を果たすということで。原書はシリーズらしいので、是非続巻も読みたい。また、ミステリ評論家(だと思った)による巻末の解説も猫が重要な役割を果たすミステリの紹介が詳しくていい。
March 8, 2011
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【送料無料】塵よりよみがえりレイ・ブラッドベリ河出文庫☆☆☆☆ 連作短編集。が、一部これまでの短編をリメイクして収録しているので、この本がブラッドベリ初の私にはよく分からないところがあった。万聖節にアメリカイリノイ州にあるふる~~い屋敷に「一族」が集まる。四千年の生を生きてきた「ひいが千回つくおばあちゃん」や普通の人間の子供である10歳のティモシー、眠ったまま夢を見て、全ての生き物の中に意識を溶け込ませることのできる娘(魔女?)セシー、翼のあるアイナー叔父さん……。彼らは悠久の時を生きてきた闇の種族だ。そしてティモシーには蜘蛛のアラク、鼠、猫のアヌバというペットがいる。彼らは集まったものの、人間世界は時代が代わり「闇」がなくなっていた。そして彼らの身の上にもそれは及ぶのだ。 とても叙情的な小説なのだが、時々たとえが抽象的すぎてよくわからない時があった。こんな感じの小説ならSFでも読めそうな気がする。また、巻末の解説も参考になった。それでも華氏451度や火星年代記を読んでからにすればよかったかもしれない。
March 4, 2011
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