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【送料無料】午前零時のフーガレジナルド・ヒル早川書房 ハヤカワポケットミステリ1843☆☆☆☆☆◎ シリーズ第22作目。もう40年にわたって書き続けられているシリーズだ。前々作で大爆発に巻き込まれたダルジール警視、前作ではリハビリ中、今作ではようやく現場復帰が近くなってきたものの……しょっぱなでちょっとやらかしてしまう。 真夜中から始まって24時間の中に起こった出来事を並列して描写していく手法。時系列が重複したりしているので、時々時間経過を確認しながら読んだ。でも某海外ドラマのような安直なご都合主義にも陥らず、八岐大蛇のごとく様々に触手が伸びた事件が最後でひとつに収束する。最初に描写される、仕立屋の指を骨折させるシーンが発端となり、最後にはその遺児が悪党に相応の報いを受けさせるという因果応報な結末だが、その遺児もその悪党を手にかけた報いを受けないとはいえない終わり方だ。 それに、ダルジールとパスコーのやりあいも年季が入ってきて面白い。それにウィールディが加わると、高みの見物したら面白そうだ。部下になると大変だろうけど。お気の毒なのは、唯一の女性刑事ノヴェロがまた頭を殴られて入院することになったこと。登場人物たちもそれなりに負傷したりはしているが、この人はちょっと貧乏くじを引いているかもしれない。でもダルジールにも(そしてたぶんパスコーにも)評価はされているだろうから、まあ、いいか。 作中には長期読者にはあれだ!と分かる「骨と沈黙」のあの場所も登場し、ダルジールがあの時、どうしていたかが分かる。巨漢、気づいてた、というか目に入っていたんだ。 それにしても20年以上過去の事件に遡ってまでストーリーがひとつに収束していく展開は本当に読んでいて見事だった。タイトルも午前零時に始まった最初の主題が展開されて繰り返されるフーガの手法をストーリーの展開に喩えたものだ。あちこちから事件を追いかけていくさまがそんな感じになるのだろうか。 これで巨漢に現場の勘が戻ったのか、長期の休みの影響はまだ後を引くのかも興味のあるところ。次回作が楽しみだな。
December 31, 2011
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【送料無料】風のなかの櫻香内田康夫徳間書店 四六上製☆☆☆☆ 物心つくか、つかないかの頃に奈良の由緒ある尼寺尊宮寺の養女として引き取られた櫻香(さくらこ)。彼女が中学生になってすぐ、その周囲に怪しい大人達が現れるようになった。それを心配した尊宮寺の庵主が浅見家の母親に相談、必然的に光彦に話がいくことになる。しかも光彦は仕事をしている「旅と歴史」の編集長からも尼寺の取材を依頼され、奈良へと向かう。 しかし、奈良の描写はあまり多くなく、櫻香の出自を調べ、殺人まで絡んでいることをつきとめた光彦は鳥羽や九州にまで調査に足を延ばすことになる。奈良から三重というのは、関東の感覚でいうと遠いような気がするが、近鉄線で(乗換が少々面倒だが)接続されているし、車ならもっと近いと思う。また、この作品は描写から奈良のどこの尼寺がモデルがすぐ分かってしまうため、後書きによると、この本のゲラを読んだ尊宮寺の庵主のモデルとなった人から実名使用の許可が出たとか……。実は私は尼さんというと京都の尼寺に行った時や尊宮寺のモデルのお寺ではないが奈良の某尼寺に行った時の印象で、おっかないというイメージが強いので、こんな風にさばけたことを言ってくれるんだとちょっと驚いたのだった。あとは、櫻香が今の子供とは思えないほど、大人に気を使う良い子だということだ。これがお転婆娘だったら、またストーリーも違ってきただろうと思う。 また、作中、光彦が過去に関わった事件を知っている人間が多少とも出てくるので、言及されていた本も読んでみたい。 だが、少々結末が気に入らない。ちょっと安易な解決過ぎるような気がするけれど、八方丸く収めるのだったら、この方法がベストなんだろうか。
December 26, 2011
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【送料無料】紅雲町ものがたり吉永南央文藝春秋 四六上製☆☆☆☆☆ 短編集。最初の短編「紅雲町のお草」が著者のデビュー作らしい。文庫化にあたってタイトルがこの本の最後の短編「萩を揺らす雨」に変更されている。 この本の続巻「いつの日か…」から読んだのだが、殆ど不自由は感じなかった。丘陵(山腹だと思っていたけど)の上に観音像の見える町で暮らす、75歳のおばあさん、杉浦草が主人公。この丘陵に観音像の見える町、そして市庁舎の描写や片側2車線の橋から観音像を望むといった描写から群馬県高崎市がモデルの一つじゃないかと思う。 ミステリ色が一番強いのは最初の「紅雲町のお草」。でも日常の謎解きという雰囲気は全部の作品がそうだ。私は後半三つの「0と1の間」「悪い男」「萩を揺らす雨」が好き。また、このお草おばあちゃんが、自分と友人たちに忍び寄る老いに気を重くしながらも、しゃんとして、また昔の苦労からかどこか飄々としたところがあるのが好き。ミス・マープルとはまたちょっと違ったおばあちゃんだ。 このお草さんの経営する小蔵屋でコーヒーを飲みながら本を読んで長居してみたいけど、扱ってる和食器は高そうで手が出ないだろうな。
December 23, 2011
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【送料無料】白蛇の洗礼高田崇史朝日新聞出版 四六上製☆☆☆☆ う~ん、千利休及び茶道に関する(マニアックな)薀蓄と毒に関する薀蓄。シリーズの二作目だ。登場人物は主人公が上司命令で首を突っ込んだ挙句の巻き込まれ体質でしかもヘタレな男性編集者なのでQEDシリーズのように鬱陶しいということはなく、生温か~い気持ちで読んでいられる。大体この西田クン、作中の女性に惚れては失恋しているからだ。利休の薀蓄を盛り込んだストーリーとしては妥当なところだと思うが、細かい登場人物の行動については、警戒している野郎のところに連れがいるとはいえ、女性二人で行って、歴史議論を交わすか?というギモンや、この現代日本でポイズンメイデンだの耐毒体質だのアリか?というギモンというか不自然さを感じる設定があったのが少々残念。それにこの設定、この作者の読者なら知ってそうなネタでもあるのだ。私ですら途中で気づいてしまった。まあ私はポイズンメイデンと耐毒体質をごっちゃにしていたが。あと、あの結末はさすがにちょっと……だと思う。 このシリーズはもっとマニアックにイッてくれると更に楽しめると思うので、続巻に期待したい。何だかんだと西田クンのヘタレっぷり結構気に入った。あと、自由が丘にあるバーのカクテルの描写がおいしそうだったのは、この作者らしい。物騒なことは物騒なのだが、やっぱり毒草や毒薬の薀蓄って好き。推理小説好きのツボを刺激するんだと思う。
December 21, 2011
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【送料無料】真夏の方程式東野圭吾文藝春秋 四六上製☆☆☆☆☆ ガリレオシリーズ。綺麗な海が自慢だが今は寂れる一方の海辺の町に、その沖合いに海底鉱床があるのでは、という調査があり、その関係者としてその町を訪れた湯川と、彼と電車で隣り合わせた子供、恭平。そして、事件は恭平の伯父が経営する旅館で宿泊客が殺されるところから始まる。 テレビの前でこの本を読んでいると、ドラマでガリレオ役を演じられた福山雅治さんのCMの声とガリレオ先生の台詞が重なってくる。この冬の寒い時期に暑い描写のある本を読むと寒さがすこし和らぐような気がすると思っていたが、この作品の場合、鄙びた海辺の町だったせいか、あまりその効果(?)はなかったように思う。 そして、この本で一番の注目点はガリレオ先生が「嫌いだ」と言ってはばからない子供に親切なことだろう。子供とのやり取りが出てきた時に予想はしていたが、子ども扱いせずにちゃんと話を聞いてやるし、話をしてやっている。そして、科学の面白さをその子に伝えようとして、丁寧に色々と教えてあげていることだ。ここらへんにガリレオ先生の科学者らしいところが出ているように思う。そして、最後になってきて、最初の方に出てきた先生の行動がその確認のためだったことがわかり、事件の全体像が浮かび上がるのだ。人を食ったような叙述トリックもないし、実に正統的なミステリだと思う。それに、私が一番好きなミッシングリンクが小説の中核になっているので特に楽しめた。この作品の結末については、大人の方は釈然としないが、子供の将来についてはこの解決がよかったと思う。ガリレオ先生の「君は一人じゃない」という言葉はいい。この先生なら、きっと親身になってくれると思うし。 それにしても……周囲への配慮ゼロのガリレオ先生の捜査手法(?)に草薙と内海はすっかり理解者というか保護者というかサポーターというか……。現役時代瞬間湯沸かし器とまで言われた多々良管理官もまた出てきてくれないかな。
December 18, 2011
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【送料無料】絶対、運が良くなる旅行風水新版価格:1,260円(税込、送料別)李家幽竹ダイヤモンド社 B6変型(188*120)☆☆☆☆ 旅行も好きだし、特に神社やパワースポットといわれる場所に行くのも好きなので、参考にしようと思って図書館で借りてみた。まあ、旅行に行くときの縁起担ぎみたいなものかなぁ。 風水について、私はさほど興味があるわけではないし、実際、「当たり前のことや生活の知恵がそのアドバイスの正体」くらいにしか思っていないのだが、だからこそ、旅行前に家の掃除をしておくと運気がよくなるというのはそういうものかも…と思ってしまった。今後、旅行に行くときの実践目標はこれかなぁ。これ、私のような無精者には難しいのだ。マメな人にはそれこそ「当たり前」のことだろうけど。だが、占いや縁起担ぎは結構好きなので、この本の中の旅行に出かけると「4・7・10・13の法則」で効果が現れるというのと、方位でも十二支の中で同じ気を持つものは引き合うという性質を使った「三合法」は特に興味深かった。日本地図買ってきて三合法は実践してみよう。 また、巻末にはパワースポットの情報も載っていて、私も行ったことのある場所がいくつかある。パワーストーンのことをネットで見ていて載っていた神社に今年行ってみたら、そこはかなり強いパワースポットだと紹介されていて、びっくりした。この神社も私好みの場所(早い話、関西の田舎で株主優待のタダ券が使える近鉄線沿い)にあるので、毎年はムリでも何年かに一回くらいはお参りに行こう。 この本は旧版で今は改訂三版が出ている。こちらだと、方位やパワースポットの情報が更新されているようなので、他の本とも較べてみて、面白そうだったらまた買おうかな。
December 18, 2011
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【送料無料選択可!】その日まで 紅雲町珈琲屋こよみ (単行本・ムック) / 吉永南央/著吉永南央文藝春秋 四六並製☆☆☆☆☆ 私はつくづくこういったミステリ系の小説が好きらしい。読みやすいというのもあるだろうが、いつもの系統の本に戻った途端、読むペースが上がってしまった。 山腹の観音像が見える町で、親から雑貨店小蔵屋を引き継いで、こだわりのコーヒーと和食器などを扱う店にした、ヒロイン杉浦草(すぎうらそう)。彼女の経営する店とその周囲をとりまく人間模様。シリーズものの第二作目だが、私は初めて読んだ著者だ。最初はそれと気づかず読んでいたが、最後に話全体がゆるくまとまる連作短編集。場所のモデルは高崎かなとも思うが、関東のどこかの市街地のような感じだ。草の暮らす町の描写が細かくて、そこにいるような気分になる。しかし、彼女の周囲の人間模様は決して綺麗ごとではない。詐欺まがいの不動産取引や、近所にできた競合店など彼女の周囲もちょっとキナ臭くなっている。多分続巻があるだろうから、是非出たら読んでみたい。それに、前巻も既に図書館に予約して届いてるし。小蔵屋みたいな店が傍にあったら、行ってみたいが、コーヒー飲むだけで、和食器には手がでないだろうなぁ。でも誰かのプレゼントにはこの店で必ず買う、とかやっているかもしれない。
December 18, 2011
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【送料無料】真夜中の探偵有栖川有栖講談社 四六上製(簡易上製?)三方色づけ:藍色☆☆☆☆☆ 久しぶりのミステリ。「闇の喇叭」の続編。「召和」から「平世」に移って二十数年の世の中で、日本列島の大阪に当たる都市が舞台だが、この国は北海道だけが分離独立して「日の本共和国」となっている。そして朝鮮半島は一つの国、というパラレルワールドな設定。しかもこの国では探偵業が法律で禁止されているのだ。そんな中で両親とも非合法で地下活動をしていた探偵だった空閑純(そらしずじゅん)は、自分も探偵になることを目指す。そして、高校を中退してバイト生活を送っている。 この本では、親の探偵業の様子が現在の様子が出てくる。そして、これからも準レギュラーになりそうな新しい人物も登場する。前作では重苦しい国家の様子が主だったが、この本では、純の生活の様子を通じてパラレルワールドの描写に生活感が出てきた。この本での水の棺のトリックはいかにも著者らしい。 また、ブックデザインも本文ページが「真夜中」を連想する藍色というか深い青色に着色されていて素敵だった。 多分、続巻となりそうなので楽しみだ。
December 15, 2011
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