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【送料無料】弥勒の掌我孫子武丸文春文庫☆☆☆◎ 家庭内離婚状態だった妻が行方不明になり疑われた高校教師と妻をラブホで殺された生活安全課のガラの悪い刑事が彼らの妻の失踪・殺人の原因が新興宗教団体にあると思い、ひょんなことで知り合った二人は、共同でこの新興宗教団体を調査することになる……。 確かに、最後のネタが明かされるまでは、割と展開も面白くてよかったのだが、、、私はこの本で読者をミスリードするのに使われていた叙述トリックが嫌いなのだ。これで一気に興ざめになってしまった。それまでは、互いに相手を信用しきれないと感じながらも、一つの目的のためになんとなく大同団結しているところがよかったのだが。この本で用いられたトリックが一番嫌いな用いられ方だったので、ここが違う方法になっていたら、もっと面白く感じられたのになぁ。確かに結末のどんでん返しはミステリを読んでいて「やられた!!!」と思う最大の楽しみの一つだが、私の場合この本の「やられた!!!」にはあまり騙された爽快感(というのもおかしな表現だが)が伴わない。たぶん、少し前に上梓された本なので、このトリックが流行っていた頃に書かれたんだろうけどね。
May 31, 2012
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【送料無料】高原のフーダニット有栖川有栖徳間書店 四六上製 火村&アリスシリーズの中編三作。「オノコロ島ラプソディ」「ミステリ夢十夜」「高原のフーダニット」である。三作とも傾向が違っていて楽しめる。オノコロ島はこの著者には珍しく旅情ミステリ。まあ、私が読むと関西が舞台になっているのでもれなく旅情ミステリになるのだが。ただ、作中アリスが少々オノコロ島こと淡路島の薀蓄にも触れていて、そこがとても面白かった。でもこの作品のトリックはアリかなぁ。。いかにも本格ミステリ的とか書いたら怒られるだろうか。夢十夜は夏目漱石へのオマージュ。私は恥ずかしながら漱石のは読んだことがないのだった。作中人物はオールスターキャスト。欲を言うならもう少し話にオチが欲しかったかもしれないが、夢だからな。作家アリスの頭の中をのぞいたと思っておこう。高原のフーダニットは一番この著者らしい作品だと思う。実在する場所をモデルにしたのだそうで、美しい高原を舞台に殺人事件が起こるのだが、ここで珍しく作家アリスの作品の傾向が出てくる。警察など出てこない空想的な作風だそうだ。で、探偵役は学生アリスなんだっけ。 私にとっては読んでる本の中でも大定番なこのシリーズ、読むと何となくほっとする。
May 21, 2012
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【送料無料】鬼の棲む楽園価格:1,200円(税込、送料別)中村啓宝島社 四六並製☆☆☆☆☆ 奄美諸島の中の架空の離島(モデルは喜界島だそうだけど)喜多住島が舞台のミステリ。東京から著作の取材のために奄美大島を訪れたライターの夏木はその取材相手のカリスマ占い師が頭蓋骨を切断され、脳を奪われた状態で殺されているのを発見する。事件に興味を持った彼はその占い師の交友関係、家族関係を調べるため、大島から離島の喜多住島へと渡る。この占い師はこの島の旧家の一族だと分かり、その旧家について調べ始めるためだ。 彼の調査が進むにつれ、この占い師の周囲の人間が轢き逃げしていることが判明したり、転落死してしまう。そして、彼の周囲にも危険が迫るのだ。主人公の調査の過程で喜多住島の遺跡発掘の模様なども出てきて、個人的にはそちらに絡めた歴史伝奇ミステリの方が好みなのだが、ストーリーはもっと現実的だった。それでもこのラストはいい。ただ、この作中一番奥に隠されていた謎については、同じネタ結果が出てくる小説を読んだことがあるせいで、ちょっと拍子抜け。主人公の頭の中にその仄めかしが出てくるまで気付かなかったので、まだいいんだが。次に同じネタが扱われてたら気づきそうだなぁ。 最初文体がこなれていないような感じがして、少々読むのに時間を取られたが、クライマックスからは一気に読めた。それでも後半に色々盛り込みすぎかもしれない。設定上少々??となるところもあった。とはいっても、離島の明るい雰囲気と旧家の陰惨な因習が対比され、こうしたドロドロストーリーは大好物なので、全体的には好みの小説だった。ただ夏木が過去に関わった凶悪犯罪者を出す意味があるのかどうかは少々疑問だ。とはいっても、この著者のもう一つの本の方が評判もよさそうだし、もう一冊の方も読んでみよう。 ちなみにこの本、文庫化で「奄美離島連続殺人事件」に改題されている。こちらのタイトルの方がキャッチーだと思うが、単行本タイトルであるこちらの「鬼の棲む楽園」の方が作品内容を言い当てていると思う。
May 17, 2012
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【送料無料】 再会の街 探偵・竹花 / 藤田宜永 【単行本】藤田宜永角川春樹事務所 四六上製☆☆☆☆☆ 元総会屋の娘がその息子を誘拐されそうになったところを助けた私立探偵竹花とかつての依頼人で今はヤクザなブローカーをやっている新浦。二人はそれがきっかけで、その総会屋中里から娘の居所を探してほしいと依頼される。そして、そこに怪しげなインドネシアの鉱山がからんだ詐欺事件と殺人事件が重なる。 ハードボイルド小説とはいえ、ミステリ要素がかなり強く、プロットは複雑。舞台も現代の東京。東陽町とか亀久橋とか馴染みのある地名も出てくる。そういえば、前このシリーズを読んだときも葛西橋通りがもろに出てきて楽しかったんだと思い出した。私はこの探偵・竹花のシリーズは数年前に既刊2冊を読んでいるがそのどちらも平成の初めころが舞台だった。それから20年を経ての新刊を読んだわけなのだが、この20年の歳月がいい舞台装置になって、この小説の雰囲気を増している。この20年で世の中はかなり変わった。故意にだろう、震災後の余震の様子も挟み込まれ、それがいい演出効果になっている。でも還暦を過ぎた竹花は何も変わっていないのだ。かつての依頼人だった新浦もブローカーに身を落としているし、彼の仲間も銀行の支店長だったが、取締役になれず辞めてブローカーになっただのどっかで聞いたような怪しげな履歴の持ち主で、インドネシアの鉱山の話も無論以下同文である。そして、かつては羽振りのいい総会屋だった中里もすっかり引退している。ただ影響力は残っているようだけど。そして、竹花に反感を持っていた彼のかつての恋人の弟は(遅い)結婚をして、警部に昇進していた。この人が少し丸くなっているのがいい。そして、総会屋の娘、真澄の息子健太が誘拐されそうになったのも、国際結婚の離婚のトラブルからだった。これも最近時折ニュースになっていることだ。 私は新浦の周囲のブローカー達の履歴に少し自分の周囲を重ね合わせ、何とも複雑な気分になりながら読んでいた。竹花はタフなのかもしれないが、決して武闘派ではない。向けられた刃に酒と車と時には違法な武器で立ち向かうだけで、あまり考えていないように思える男たちがナルシスティックな言葉を口にするハードボイルドも悪くはないが、向けられた刃に遵法精神を発揮しつつ、絡んだ糸を解きほぐすことによって立ち向かう探偵はもっとかっこいいかも。でも、還暦過ぎて若い女にもてるとかはちょっと違うかもしれないけど。
May 14, 2012
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【送料無料】奈良橿原殺人物語価格:900円(税込、送料別)秋月達郎実業之日本社 Joy Novels 新書版並製☆☆☆○ 「奈良橿原」の地名につられ、「名家」の文字につられて読んだが……何となく犯人の見当がついてしまったし、ヒロインが「私おばかですから」と繰り返すのもちょっと鬱陶しかったしで結構今一つ。どちらかというと2時間ドラマの原作のような展開と内容なのだが、連続殺人の被害者の女性が結構過激な姿態で死んでいるので、ゴールデンのドラマはムリだろうけど。だが、刑事と探偵役はシリーズで登場しているらしいのだが、彼らのやりとりは結構好きかもしれない。また、この本のゲストキャラともいえる、奈良県警の刑事さんは結構味のあるキャラだった。そういえば、ストーリーは今一つだったけれど、登場人物はもう一人くらいいなくてもよさそうだったが正確はそれぞれそれなりに個性的だったかも。 登場したのは橿原市の今井町や益田の船石。たしかこの船石は松本清張の「火の路」でも登場してなかったかなぁ?そして、私の記憶が確かなら、清張の本の描写と比べて、この本の執筆当時でもあまり風景が変わらないらしい。今度行ってみたい。ただ、今井町の風景はなるほどと読みつつもあまり惹かれなかった。実際に行った時もそうだったのだが。 もう少し素材の料理の仕方が面白かったらもっと好みだったんだけどな。ちょっと残念。でも探偵と刑事のやりとりは気に入ったので、別の作品を読む日がくるかもしれない。
May 11, 2012
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レベル7 新潮文庫 改版 / 宮部みゆき ミヤベミユキ 【文庫】宮部みゆき新潮文庫(改版)☆☆☆☆☆ 何となくSFっぽいカバー裏の解説で食わず嫌いして読んでいなかったのだが、今度ドラマ化されるので、予習用に読んでみた。 失踪した女子高生を探す電話相談員の女性と記憶を失った男女、彼ら二組の行動が平行して描写される。最初はお互いの行動に結びつかずよく分からないのだが、これが最後に収束する。そこにいたるまでには、過去の事件が絡んだりしてなかなか面白かった。また、男女二人が眼を覚ますマンションが描写からいって江戸川区のどこかなのだが、その中で言及される地名が馴染みのある地名ばかりで面白かった。「新開橋通り」って葛西橋通りのアナグラムに思えるのだがどうだろう。 ただ、この小説は携帯電話やパソコンが普及し始める少し前の話なので、そのへんが少しわずらわしくもある。ただ、過去の事件と結びつき、かなり前の方で意味深に言及されたことが、最後になって意味が通じたりするので、読後の爽快感は大きい。クライマックスになってどんでん返しが続き、一気に読めてしまうのだが、ドラマのキャストを知っているとそのうちの一つがどんでん返しにならず、ほんの少しだけ損をした気分にならなくもない。ヘンな役をしない俳優さんがキャスティングされているのだ。 ドラマは小説そのままのストーリーで放映されるのではないようだし、放映を楽しみにしていよう。
May 6, 2012
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【送料無料】ミレニアム(3 〔上〕)価格:1,700円(税込、送料別)【送料無料】ミレニアム(3 〔下〕)価格:1,700円(税込、送料別)スティーグ・ラーソン早川書房 四六並製☆☆☆☆☆ いよいよ三部作完結。前巻で瀕死の重傷を負ったリスベットはザラチェンコとともに病院に収容される。そして、ザラチェンコの悪事を隠蔽しようとする公安警察の一派、「班」が動き始める。このあたりの感じは冷戦がとうに終了しているにも関わらず、スパイ小説のようだった。班vs狂卓の騎士(当然女騎士もいるぞ)の息詰まるやりとりは緊迫感がある。本当に冒頭では班がすぐに動いたため、ブルムクヴィスト名づけるところの「狂卓の騎士」、リスベットの支持者達のグループは先を越されるんじゃないかと思った。実際、エーヴェルト・グルベリの動きは実に見事。しかし、彼の失策は自分がザラチェンコの口封じをしてとっとと自殺してしまって指揮を後に任せてしまったことだろう。さらに、名探偵カッレ君が実に冴えているのだ。この後は、カッレ君の方が有利に事を進めていく。 とはいえ上巻のほとんどは公安警察の説明に費やされて少々読むのに時間がかかってしまった。しかし、後半からの怒涛の展開はやっぱり一気読み。班の動きがやっぱり高齢化のせいで動きが鈍く、カッレ君に先を越されてしまったのは大きい。彼らは自分達がいつしか過去の遺物になっているのに気づかなかったのだ。 あまりに無愛想で独立心の強いリスベットにもミカエルをはじめ、彼女の不当な立場に憤りを感じて彼女の名誉を回復し、現在の状態から救おうとする「狂卓」の騎士たちがついていた。カッレ君は「ことが決着したら狂卓のメンバーで彼女を悪口を言おう」とか言い出している。 最後まで一気に読ませるが、伏線の引き方も見事だったといえるだろう。スウェーデン警察が殺傷力の強い実弾を使っていることで、リスベットは自分の友人に怖い思いをさせた金髪の巨人を見事に葬り後始末まで済ませてしまうのだ。 だが、身を守るためには眼を瞠る強さと賢明さを見せるリスベットもこと友人問題に関しては子供のようだ。唯一信頼していた元後見人の弁護士パルムグレンが倒れた時ももう助からないという言葉を鵜呑みにしてしまって、非難されるが、今度も女にだらしないカッレ君や怖い思いをさせられた挙句、マスコミに叩かれた不運な友人にどう対応していいかわからないのだ。この三部作を通してリスベットの精神的な成長も描かれているので、これがもし完結していたら、どうなっていたか興味深い。 この三部作、第一部は横溝真っ青のドロドロした孤島密室ミステリ、第二部は警察小説、第三部はスパイ小説・ポリティカルサスペンスで、三部作とも趣きの違う謎解きが楽しめた。本当は第五部まで構想していたという作者の急性が悔やまれる。リスベットの妹の設定はおそらく次への布石だったのだろうと思われるが、それがどう扱われたのか見ることはもうできないのだ。 そういえば、細かいことなのだが、作中ゲイの登場人物がいるのだが、彼の言葉遣いがオネエ言葉なのが少々引っかかる。原書がそうなっているのならいいのだが、何もゲイだからってオネエ言葉にする必要は必ずしもないよなぁ。 この本の底流にあるのは女性への暴力なのだが、この本の男で最低な男は本当にどうしようもなく最低だ。そしてふと思ったのが、主人公のミカエル・ブルムクヴィストは本当にどうしてそんなにモテる男なんだ???と疑問に思うレベルの女ったらし。リスベットはそれで彼に不信を抱くし、妹でリスベットの弁護士となるアニカは「兄は恋愛に関しては本当に無責任」とか言われている。ただ読んでいても、最低男という感じはしないのだが。このミカエルの女に節操がないのは三部作では変わらなかった。もし第五部まで完結していたら、これにも何らかの結果が現れたのだろうか?今となってはもう永遠に分からないけれど、ずっとミレニアム執筆を手伝っていた女性の存在があるそうなので、この女ったらしがなんらかの報いを受けてたら面白いのに。 そうそう、このザラチェンコの事件に関する報道が最終的に高い評価を受けたという記述が本文にあるのだが、これって自身もジャーナリストだった著者の夢かな、とか思ってしまった。かなり読み応えのある小説だったし、私は北欧に興味があるので、全六巻とても楽しく読めた。映像で見たらスウェーデンの国の様子がビジュアルで見られるから、DVDを観てみようかな。
May 2, 2012
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