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【送料無料】論理爆弾 [ 有栖川有栖 ]有栖川有栖講談社 四六(簡易?)上製 三方色付け(ピンク)あり☆☆☆☆☆ 北海道と本州以西が分断された平世の日本というパラレルワールドもの。この本で3巻目。軍と徴兵制度もあり、ミステリの発刊・読書が禁止され民間人の探偵行為も禁止されている国だ。添付の東アジアの地図では「大韓民国」38度線で分断されてもおらず、中華民国と中華人民共和国が別になっている。 非合法の探偵を両親に持つヒロインの空閑純(そらしず・じゅん)は母が消息を絶った宮崎県の僻村、深影村に向かう。狭い村の中で母親を探し始めるのだが、そこに日本に侵入した日ノ本共和国(北海道)の特殊部隊員だの連続殺人事件が起こる。そしてその背景では電脳(コンピュータのことらしい)に侵入して中身を破壊するウィルス「論理爆弾」が世の中を騒がせ、その犯人が捕まるというニュースが報道されたりしている。 村の旧家、拝みやのおばあさん、落ち武者伝説のある村、と横溝チックな舞台はそろっているのだが、この著者だけにおどろおどろしくはならない。作中20歳とは偽っているが17歳の若い娘のこととて、戦中の日本がそのまま現代になったような世相なのだが、彼女はなんだかんだと周囲の好意の中で過疎の村で調査をすすめる。見習い探偵を自認する彼女の推理のプロセスも面白いが、やっぱりジュブナイルだ。離れ離れになった学友が得意な歌を動画サイトに投稿して評判になったり、作中の背景で言及される「論理爆弾」以外の犯罪も未成年が関わっている。このタイトルも一見その論理爆弾にちなんでいるようだが、でも読んでみるとちょっと違うことがわかる。やっぱり前の2作のストーリーはほぼ忘れていたが、この本が一番面白かったような気がする。続巻が楽しみだ。 そういえば、この本の扉の変ニ長調(Des-dur)の音階とカデンツ(だよね?)、何の意味があるんだろう?
February 28, 2013
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【送料無料】謎解きはディナーのあとで [ 東川篤哉 ]東川篤哉小学館 四六並製☆☆☆◎ ものすごく話題になっていたので、図書館に予約したのは2011年の10月20日。一年四ヶ月前のことだ。1556番目だった。蔵書数は当時37。借りられたときには43になっていたけれど。どのくらい待つことになるのか実験してみようとあえて予約してみたのだ。今でもこの近所の図書館では400人くらいの予約人数だが、職場近くの図書館ではもう棚にそのまま置いてあった。そして読了までは二日。これは想定内。お陰で、手元で積読になっている貸し出し期間が延長できない(後にまだ予約者のいる)本の返却が随分楽になる。 内容の方はどこまでもライト。お嬢様刑事と慇懃無礼執事、お嬢様刑事と御曹司上司の会話が楽しい。が、短編という制約があるせいもあるが、お嬢様と御曹司のお金持ちぶりのディテールがあまり書き込まれていないし、私はどちらかというと生活感があるほうが好みなので、正直なところ今ひとつ。でもアームチェアディテクティブのヴァリエーションだし、謎解きの手法も本格ミステリといえる。でもどこまでもライト。推理小説にあまり馴染みのない読者にはいいミステリ入門編になると思う。でも私はもっとドロドロして込み入った小説の方が好きかも。正直、登場人物のやり取りパターン化されているし、小説より漫画・ドラマ向きの内容だと思う。楽しめたといえば楽しめたのだが、読み応えはあまりなかった。重苦しい話を読んだ後の気晴らしなんかにはいいね。
February 25, 2013
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【送料無料】フランチェスコの暗号(上巻) [ イアン・コ-ルドウェル ]価格:660円(税込、送料込)【送料無料】フランチェスコの暗号(下巻) [ イアン・コ-ルドウェル ]価格:660円(税込、送料込)ダスティン・トマソン & イアン・コールドウェル 柿沼瑛子訳新潮文庫 ☆☆☆☆ 最初タイトルを目にしたときは、アッシジの聖フランチェスコの暗号かと思っていたが、全く違うフランチェスコさんだった。「ヒュプネロトマキア・ポリフィリ」というルネサンス期の奇書を元ネタに、そこに複雑な暗号が隠されており、それを解読していく、というストーリー。主人公はアイヴィーリーグの名門、プリンストンの大学四年生、トム。彼の友人のポールが卒論としてこの奇書の謎解きにあたるのだが、この本の謎解きに魅せられたのはポールだけではなく、トムの父もそうだったため、トムは相棒のようにポールの卒論を手伝うことになる。そこに卑怯な陰謀が起こり、殺人が起きる。トムとポール、そして彼らの寮の同室である大柄だが心優しいチャーリー、何事もそつなくこなす銀行家の息子ギルが加わって、本の謎解き、そして事件に巻き込まれたり、トムの女性問題が絡んだりする。 このトムとポールの関わりが学生時代の親密な付き合いといえばそれまでだが、やっぱり翻訳者が柿沼さんだけのことはある。どうも、トムのガールフレンドが邪魔に見えてくるのだ。いくらアイヴィーリーグとはいえ、イギリスのパブリックスクールのような耽美な雰囲気ではなく、ずっと猥雑だがそれでも学内の図書館・美術館の描写はいい。ただ、肝心の「ヒュプネロトマキア・ポリフィリ」の暗号解読の場面ははっきりいって、私の浅学ではとても追いつかなかった。しかし、この本、ウィキ日本語版に項目ができているとは思わなかった。ポールやトムと違い、ギルとチャーリーは何度聞いてもこの本の名前が覚えられないと本文中にあるのだが、私も以下同文。この本の名前を確認している時にウィキに項目があるのを見つけたのだ。また、訳者あとがきによると、渋沢龍彦氏もこの本について記述しているし、この小説が上梓された翌年には英語完訳も出たらしい。ま、私の英語力でこんな本読めないだろうけど。機会があったら、渋沢龍彦氏の「ポリフィルス狂恋夢」は読んでみたいかも。
February 25, 2013
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【送料無料】時の娘 [ ジョセフィン・テイ ]ジョセフィン・テイハヤカワミステリ文庫☆☆☆☆☆ リチャード三世の遺骨が特定されたというニュースを聞いて読んだ。随分前に旧版を読んだので再読だが、結論以外ほとんど忘れていた。そして再読しても薔薇戦争の詳細は良く分からない。。。ただ、旧版を読んだ時は感じなかったのだが、登場人物の一人ひとりがこんなに個性的だったっけかと思った。とはいえ、ミステリ的手法でリチャード三世の人となりを推理し、結果彼が巷間言われているような極悪人ではなかったと証明していく手法は説得力があると思う。というか、リチャードと王位を争ったヘンリー7世側の参考資料を元にシェークスピアが戯曲を書き、それが今の定説となっているのだ。この本によると結構昔からリチャード三世はシェークスピアが描いたような悪人ではなかったという説はあったらしい。 この小説を読んでまず思い出したのは仮名手本忠臣蔵。私が馴染んでいる「忠臣蔵」では吉良上野介は悪人で、四十七士の快挙を江戸町民が泉岳寺までの行進の沿道の左右で喝采を送ったという話が伝わっていると思っていたが、実は、その喝采も史実に残っていないらしい。そして、大石内蔵助のあだ討ちも実は、浅野内匠頭の乱心、刃傷、切腹は前例があったものの、赤穂藩改易までは前例になかったための幕府に対する憤りが吉良に向いたという側面があるのだという。つまり、吉良はとばっちり。でも実際は人形浄瑠璃によって史実がフィクションにとって変わられてしまったらしいのだ。実際吉良上野介は領地では結構名君だったというし。なんだかよく似た話だと思ってしまう。 そして、今回リチャードの姉の子孫が探し出されてDNA鑑定となったが、その人、リチャードみたいな歴史上の極悪人の子孫と分かって云々とコメントしているようで、この本などのリチャード三世は実は悪人ではなかったという説は知らないようだ。リチャード三世、、ちょっとお気の毒かも。 イギリスの薔薇戦争の歴史は興味あるが、なにせ日本史の南北朝時代や明治維新の頃など比べ物にならないくらいのややこしさなのだ。この本の冒頭にも関係系図があるが、なんで、ああもエリザベスだの、リチャードだのエドワードだの同じ名前が連なるか……まあフリードリヒがフェデリコだのなんだのになってしかも同一人物だっていうのとはマシかもしれないけどね。
February 18, 2013
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【送料無料】残穢 [ 小野不由美 ]小野不由美新潮社 四六上製☆☆☆☆☆◎ 初めて読んだ著者。この本は著者の本にしてはちょっと毛色が変わっているらしいけれど、この著者を始めて読むのであまり関係がなかった。そして、中身はとっても好み。とあるマンションの一室で起こる怪異の情報が読者から寄せられ、以前にも似た情報があったことに気づいた主人公が情報提供者二人にコンタクトをとって、その怪異について調べていく、という内容。いわば、怪談のルーツ探しだ。最初は人のいつかないマンションだの戸建ての団地だのから始まるのだが、そのうちに色々不気味な事件が浮かび上がってくる。そこからはゾクゾクしながら読んだ。なにが不気味って、最初はマンションで畳みを擦るような音がする、から首吊り自殺、嬰児殺し、工場火災、黒こげの折り重なった黒い人影……など不気味な事柄が出てくるのだ。それをこの本の中では、「怪異は伝染する」という一文であらわされているが、なんとも怪談好きには堪らない一文だ。そして、京都のマンションの話だったのが、東京に飛んだり、最後は九州の炭鉱に行き着く。 この調査の過程で実名の怪奇作家の人が出てきたり、「夫」という記述があってそれはミステリ作家のあの人のことだろうし、京都の大学のミステリ同好会のメンバーで「本格推理云々」ってやっぱりあの人のことかなぁと思いながら読んでいた。虚構と現実が上手くミックスされていて、本当の怪談を読んでいる気分になりつつ、でも、これってフィクションだよね、とその境目の曖昧さがなんとも好みだ。 最終的に主人公の調査が行き着くのは、明治大正期の炭鉱だがどうせなら、縄文期くらいまで遡って、断続的に恐ろしい怪異が続くという話を読んでみたくなった。怖いだろうけど、どこかでそんな小説ないかな。日本の小説だったらなおいいな。また、この著者の本も今まではストーリー紹介で今ひとつだったのだが、好みのタイプの本は読んでみたい。
February 10, 2013
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ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)三上延メディアワークス文庫☆☆☆☆○ 古書店のミステリというで結構前に近所の図書館に予約していた。そして、ドラマが放映されている最近になって予約の順番が回ってきたのだ。連作短編集。テレビで放映されたストーリーも少々含まれている。が、短編小説の謎解きの背後にはさらに大きな謎が見え隠れしており、その辺の設定の込み入り具合はドラマ以上でさすがに小説の方が面白い。が、栞子のキャラクターはテレビの方が自然でいいなあ。小説の正確設定は古本の話が絡まないととても内気でまともに会話を続けられない。しかし、いったん古書が絡むととても頭が切れ、はきはきと謎解きをしていくという二面性のあるメガネ美人として描かれている。そして地味な服装の割に巨乳。このキャラ設定ってマニア好み以外のなんだろう。彼女の謎解きが始まるまでは結構しらけつつも読み進めたが、謎解き・本の薀蓄は面白いし、あっという間に読めてしまう。一巻の最後で、冒頭から描写されていた彼女が入院していた理由というのは明かされるが、続巻でもタイトルなどその種の謎が見え隠れしており、読んでみようかなという気になる。このチラリズムがなければ、私は続巻を読もうという気にはならなかったかもしれない。そういえば、この本の中に出てきた「せどり屋~」とかいう小説、面白そうだな、これも読んでみたい。
February 6, 2013
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藪の奥 眠る義経秘宝 (講談社文庫) (文庫) / 平谷美樹/〔著〕平谷美樹講談社文庫☆☆☆☆☆ 随分前にこの著者の縄文時代の宗教に迫る伝奇小説を読んで面白かった記憶が消えず、再び歴史推理を見つけて読んでみた。主人公はトロイアの遺跡を発見したシュリーマン。彼が幕末の日本で奥州藤原氏の隠し財宝を探しに旅をするという設定だ。最初図書館でこの設定を読んだとき、どう旅するのか全く考えもせずに借りてきたのだが、読んでみて、結構納得の身のやつし方アイヌの首長に化けるという方法で現在の東北地方を旅するのである。東北へは横浜から海路という設定なのでこれも上手い。 ページ数のほとんどは幕末の平泉地方の描写に費やされ、暴力沙汰は後半4分の1くらいの割合だ。その解決も結構ご都合主義かも。でも結構すっきりするけど。また、奥州藤原氏が貴賎に関わりなく平和に暮らせる土地を理想として平泉を築いたというのは、作中の設定からはうなずけるがちょっとできすぎという気もしなくもない。当時って末法思想が全盛期じゃなかったっけか?とはいえ、設定の妙はまだある。奥州藤原氏の隠し財産も実に上手い。全編を通じてかなりトンデモな設定だが、こういう解釈もありかも、と思わせてくれる。著者には他にも義経を扱った小説があるようなので、読んでみようかな。
February 4, 2013
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