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パンドラの鳥籠 毒草師/高田崇史【もれなくクーポンプレゼント・読書家キャンペーン実施中!】高田崇史朝日新聞出版 四六上製☆☆☆☆☆ 毒草師シリーズ三作目。毒草に対する薀蓄は少なめだったが、面白かった。 薬学関係の専門出版社に勤める西田に編集長を通じて毒草師御名形史紋に連絡を取って生薬学者で失踪した叔父を探してほしいという依頼がある。その依頼者が美人だったものだから、西田君は舞い上がってその依頼を引き受ける。そして、前作から御名形の助手となった女性との再会も喜んでいる情けなさ。でもこの情けない西田と御名形の取り合わせがギャップがありすぎていい。このシリーズの好きな点の一つだ。 この生薬学者は丹後半島で失踪するのだが、西田の車で行くことになり、更に目的地の前に奈良、飛鳥に寄るようにと言われる。これは私も首をひねったのだが、ここで蘇我氏関連の史跡に寄ってから丹後へ。丹後では、代々続く生薬学者の名家や魔女の家と呼ばれる廃屋が出てきて、かなり怪しい雰囲気が増していく。ただ、勘のいい読者であれば、この著者の十八番であるしもしや……と思うところもあるが。そしてそこは舞台小道具なので、案の定だった。やがて浦島伝説や天の羽衣、そして神功皇后の話になってくる。この浦島太郎の名前と蘇我氏・推古天皇の名前の類似がここに来る前に彼らが奈良に寄ったことにつながる。なるほどねーだから奈良に寄ったのかと西田君と一緒に納得していた。欲を言えば、飛鳥で御名形が碑文などを見て一人で納得している場面があったらよかったのに。更にここでカンナシリーズとも蘇我氏で繋がるわけだが、まだ、源流が見えてきたに過ぎない。これがどんな流れを作っていくのかはまだ見えていない。これがどんなつながり方をするのかが楽しみだ。それがQED、カンナ、毒草師、あるいは他のシリーズでの話になるのかは分からないが。そういえば、作中御名形が「和歌などには自分よりもっと詳しいヒマ人がいる」というのはQEDのタタルのことだろーなーと思って笑ってしまった。 この作品は現代ではあるが正確には1999年の話だ。作中で南北線開通が来年だとか携帯が圏外になるという記述がある。これが現在2013年に近づくにつれどうなるのか楽しみだ。また、丹後半島というと私も天橋立のイメージくらいしかなかったのだが、古代史的にも面白い神社が多そうだ。今度是非行ってみたい。調べてみよう。
March 22, 2013
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【送料無料】謎解きはディナーのあとで(2) [ 東川篤哉 ]東川篤哉小学館 四六並製☆☆☆☆ 大人気シリーズの二作目。短編集。慇懃無礼執事とお嬢様のやりとりが軽妙で笑える。狂言回しの御曹司警部も面白い。今回、特に面白かったのは、麗子お嬢様が出席したパーティーのストーリー。実は、ポイントのトリックが一つ分かっていたのだが、それでも、登場人物同士のやりとりが謎解きのキイであり、また読んでいても面白かった。 個人的にはもっとドロドロか衒学趣味か、ステロタイプな新本格の作風の方が好みなのだが、このシリーズもトリックには意外と(失礼!)手を抜いていないと思う。ただいかんせん、お嬢様と御曹司が庶民過ぎる。大財閥のお嬢様だから成金の娘ってことはないと思うのだが、どーも行動がはしたない。このお嬢様の父親が名前だけ出てくるのだが、この人が登場したら続巻も読んでみてもいいけれど……。書評で好みそうな本を探して、この著者の他の本もいいかもしれない。
March 17, 2013
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【送料無料】幼き子らよ、我がもとへ(上) [ ピーター・トレメイン ]【送料無料】幼き子らよ、我がもとへ(下) [ ピーター・トレメイン ]ピーター・トレメイン創元推理文庫☆☆☆☆☆ 西暦665年、イエロー・プレイグ、黄熱疫病と呼ばれる黄熱病が大流行しているアイルランドが舞台。日本では大化の改新の20年後だなーと思って年表を調べてみたら、天智天皇の時代。白村江の負け戦の二年後で、遣唐使を派遣したことくらいしか大雑把な年表には載っていなかった。 モアン王国の次期国王で兄のコルグーに王都キャシェルに呼び戻された修道女キルデアのフィデルマ。兄の話では王国の領内にある修道院で研究のため滞在していた隣国からの客で高位の修道士が殺された。その殺された修道士は隣国の王家に繋がるものであり、この死を国王の責任として、数世紀前にキャシェルに奪われた小国の返還を賠償に求められており、その死の調査を実績のあるフィデルマに依頼するものだった。本当は兄妹の叔父である現国王カハルが依頼したのだが、彼は黄熱病で死に瀕していた。そこで次期国王のコルグーが代理となる。 フィデルマは護衛に国王の精鋭騎士団の騎士カースを共にその舞台となったロス・アラハー修道院に向かうが、その途中、小さな村が黄熱病の恐れから焼き討ちされているところに行き当たる。それは、属国の族長の一人による虐殺行為だったのだが、その生き残りをロス・アラハーに伴うことになる。 この生き残りの子供たちと修道女、そしてロスアラハーの関係者もフィデルマの調査が進むにつれて、胡散臭い感じが芬芬としてくる。そして、焼き討ちから生き残った修道女も殺されてしまう。 フィデルマはこの焼き討ちと修道士の殺人事件の捜査を並行して行う形になる。その過程でスケリッグ・ヴィハルという孤島に渡るのだが、ここは今、世界遺産となっているところで、「肩甲骨は翼の名残」という小説の主人公の名前の語源ともなった島だ。それが、現役の修道の島として機能していた頃の物語なので、興味があって読んでみたのである。船で2・3日かけて渡り、険しい岩山の中を歩き回る光景は短くはあったが興味深かった。 しかし、フィデルマの考えの浅さもあって、さらに流血沙汰は続く。それも、善良な人々と子供が殺されるという陰惨な事件だ。 事件はアイルランド全土の王のもとで行われる審判の場で片がつく。その場面は今から13世紀半も昔の物語というより、ブレホン法と呼ばれるアイルランドの当時の法整備の充実もあって、現代の法廷物を読んでいる気分だった。この法整備の充実、女性に対する言葉・暴力での虐待を禁止していたり、別の本では身障者に対する保護なども規定されていたそうで、現代法とほとんど変わらないようだ。ただ、極刑がないという刑罰は今の人間には甘いように感じるが、当時の王侯貴族が財産を全て没収されて生国を追放されるって、身一つで遠い外国に放り出されるようなものだから、結構キツい刑罰かもしれない。(今だったらさしずめ身一つでどこかの治安の悪い遠い国にでも放りだされるようなものか?) このフィデルマ、気が強くて性格が悪いと読書サイトでも書かれている。確かにその通りだが、とある別の女性探偵よりはマシかな。所詮は若くて・頭が良くて・美人と色々恵まれた若い女の小賢しさにすぎない気がする。このシリーズ、ケルト社会の様子も面白いし、続巻も読んでいこうと思う。
March 11, 2013
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【送料無料】伝説の日本史(第1巻(神代・奈良・平安時代)) [ 井沢元彦 ]井沢元彦光文社 四六上製☆☆☆☆○ 久しぶりの新刊、だが、著者の前著を読んだことがあるとあまり目新しい論説はない。ただ、経年変化(?)で新しい論考が加わっていたりする。確か、前に読んだときはこの人は邪馬台国東遷は書いていなかったように思う。でも、卑弥呼や台与(本文中はとても難しい字なのでこちらにしておく)が名前ではなく、称号だというのは納得できる。また、神様の格下げというのも面白い。そして、日常的に殺生に関わっている武士は貴族と違い、怨霊を信じないというのも説得力がある。そして、「源氏物語」や「古今集」が藤原氏に排除された豪族の鎮撫のため、というのは経年変化で付加された論考だと思う。 でもやっぱり昔読んだ論考のおさらい感は抜けない。講演会の原稿がそのまま本になったような文章はいいとして、本文中に結構変換ミスらしき誤字も多い。「開花」天皇はさすがにナイでしょ。さらっと読むにはコンパクトで分かりやすくていい。でも私はこの中のどれか一つのネタをとって、小説が読みたいかも。
March 5, 2013
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