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女中譚 [ 中島京子 ]中島京子朝日文庫☆☆☆☆☆ 三作の連作短編で、あっという間に読めてしまった。「小さなおうち」の姉妹編というが、テイストはかなり違う。女中さんたちの暗い一面が出ているような感じだ。かつて女中奉公をしていた すみ というおばあちゃんが、秋葉原のメイド喫茶の常連さん、というところからストーリーが始まり、すみばあちゃんが、問わず語りに語る、昔話という設定。各短編ともラストに英文で、林芙美子・吉屋信子・永井荷風の女中さんが主人公の小説へのトリビュートだと記されている。そして、巻末の解説で元ネタの小説がどういうものかざっと説明されている。また、興味深いのは各エピソードに当時の時代背景が書き込まれていて、時代背景が分かるようになっていること。最初の事件は昭和近代史に疎い私にはよく分からなかったが、あとの二つは大体分かり、そして最後は秋葉原での実際の事件を連想させる描写も出てくる。短いが読み応えは十分だった。機会があったら、元になった三つの小説も読んでみたい。
September 14, 2016
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神の時空(五色不動の猛火) [ 高田崇史 ]高田崇史講談社ノベルス☆☆☆☆☆ 今回は東京都内、江戸五色不動が題材。目黒のお不動さんにはいってみたいし、永代通りの語源になったのは永代寺というお寺だったのは初めて知った。江戸五色不動めぐりもやってみたい。近所の平井にもあるようだし。だが、今回、いつもの怨霊解釈は控えめ。だからといって凄惨な記述がないわけではないが。八百屋お七の話や、これと思い切り混同していた振袖火事のことが出ていてかなり興味深かった。特に振袖火事は題材にした小説があったら読んでみたい。それも社会派的な視点(面白そうではあるけれど)からではなく、因縁・因果応報といったおどろおどろしい系からの小説がいいなぁ。三津田信三さんあたり書いてくれないかな。 古代の怨霊の薀蓄は少なめだったが、福来陽一くんの死の前後のことが出てきたり、辻曲摩季が実は陽一の妹だったり、陽一と辻曲了のかかわりが出てきて、いよいよ登場人物に関するエピソードが出てきて、この先の展開が楽しみだ。
September 14, 2016
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明日香・幻想の殺人/西村京太郎【2500円以上送料無料】西村京太郎集英社文庫☆☆☆☆☆ ドラマではよく観ているが、小説で読むのは初めて。奈良、明日香が舞台だというので読んだ。夢を追って財を成した老人が、高松塚古墳で古代の扮装で殺されているのが発見されるところから始まる。東京でも関係者の殺人が起こり、そして、彼が持っていたはずの30億が消えていた。そこで十津川が捜査を始める。旅情ミステリとはいえ、思ったより蘇我氏についての記述が多く、結構楽しめた。でも、古代の服装を作って、容疑者のところに乗り込むとか、ドラマ以上に十津川警部はやってくれますね。亀井刑事は伊東四郎さんの声で読んでいました。他にもこの著者には奈良を舞台にした小説があるようなので、読んでみたい。
September 13, 2016
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リラ荘殺人事件/鮎川哲也【2500円以上送料無料】鮎川哲也角川文庫☆☆☆☆◎ ミステリは好きだが、実はこの人の本を読んだのは初めて。 三峰口にある大学の保養所に合宿に来た学生たちが次々に殺されていく。雪の山荘に近い設定。この大学のモデルになった大学はすぐに分かる。この大学の学生であれば、これだけ人を食ってなおかつ個性的な面々が揃っていても納得してしまう。しかも女子学生については「お嬢さん芸云々」とかまで書いてあるし。昭和レトロな雰囲気が色濃い小説だが、時代遅れの感は全くない。むしろ、ここまで警官が同宿している場所で人が殺されるものだと感心した。かつて読んだ「点と線」を時代遅れに感じ、ミステリというより風俗小説のように感じたのとは対照的だった。だが、女性の描写などはこちらの方が差別的に受け取れる表現すらあったし、かなり古めかしかった。また、警官が無能で、いつになったら探偵が出てくるのかと思ったら、フェイクが一回あり、そのあとの解決となりこのあたりの展開も結構新鮮に感じた。鬼貫警部の出てくる小説も読んでみたい。
September 4, 2016
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