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January 11, 2013
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テーマ: 本日の1冊(3712)
カテゴリ: 日本の小説

【送料無料】ゼラニウムの庭 [ 大島真寿美 ]
大島真寿美
ポプラ社 四六上製(?)
☆☆☆
 最近、注目されている著者だと思うのだが、この本に関しては、私には合わなかった。双子として生まれ、双子の姉はごく普通に成長していったのに、妹の嘉栄はその何分の一の遅いスピードで成長していく。この嘉栄と一緒に生まれた双子の姉、豊世からの聞き書きを中心に豊世の孫娘、るみ子(通称るるちゃん)の手記と嘉栄本人の附記が一冊になっている。このタイトルは上手いと思うが、るるちゃんの感覚に全く私は感情移入できず、この本はあまり面白いと思えなかった。ただし、このるるちゃんの感性と文体をこの著者がすべて計算の上でやっているのだとしたら、大変な文章力とストーリーテリング能力だと思う。
 この本はかなりイマイチだったのだが、同じ著者の「ピエタ」を図書館に予約しており、こちらはヴィヴァルディに関係したストーリーのようなので、ちょっと楽しみにしている。
 この本の底流は嘉栄の周囲の四代にわたる女達の話だ。嘉栄の母(るみ子の曾祖母)和佳、嘉栄の姉(るみ子の祖母)豊世、嘉栄の姪にあたる、るみ子の母、静子、るるちゃんことるみ子、るみ子の娘の葵だ。そして、嘉栄のシンパともいえる主治医の桂、その息子の冬馬、るみ子の家の家政婦達も重要な役割を果たす。ちなみに途中で明かされるのだが、るみ子がこの手記をつづっているのは大体推測すると今から10年くらい前かもっと前で、嘉栄の手記はるみ子の娘葵の成長した姿も描いている。
 正直、私は嘉栄と和佳、豊世の強さとしたたかさには関心したが、るみ子の母静子とるみ子本人にはあまり共感できない。静子は仕方ないところもあるが、るみ子は本人に問題がありそうな気がする。レビューにあるような命の大切さというより、昔の女は強かった、と思ってしまうのだ。
 というか、一族に八百比丘尼のような人物がいたら、という設定に興味を覚えたのだが、るみ子視点の手記はかなり表層だけを捉えたような内容に感じ、(そう嘉栄も暗に批判している)つまらない。嘉栄の附記がなければ物足りなさが残っただろう。そして、このるみ子の手記の内容の浅さもあって、私には、正直、この話の読後感はまりよくない。もっともこのての内容で読後感にカタルシスを感じたら、却って陳腐なストーリーに堕してしまうような気がするからそれはいいのだが。そして、以前に女系家族の映画を観に行ってつまらなかったので、多分私はこういう女視点の女っぽいストーリーが合わないのだろう。
 そういえば、この本のカバー絵は内容に合っていない。そして、この本の口直しにハインラインの「メトセラの子ら」でも読んでみようかな。





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Last updated  January 11, 2013 10:30:20 PM
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