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December 31, 2013
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カテゴリ: 日本の小説

【送料無料】黙示録 [ 池上 永一 ]
池上永一
角川書店 四六上製
☆☆☆☆☆
 本文633頁の大作。江戸時代、七・八代将軍の頃のストーリーで、幕末が舞台だった「テンペスト」より100~150年くらい前の話だ。江戸に琉球王の即位を知らせる謝恩使の花形、踊童子に選ばれた蘇了泉の激動の人生を軸にした歴史物語。舞台は那覇・首里の他、薩摩・大阪・江戸に北京だ。巻末の参考文献によると、一部は実在の人物だ。
 とにかく、主人公の了泉が野放図。業病に冒された母についていって最下層の被差別民になったものの、踊りの才能を見込まれて踊童子になるのだが、母のために江戸に行けば、将軍にした手に入らない、母の病気に効く薬が得られると言われてからの踊童子になろうとする執念がすごい。手段を選ばないのだ。そして、そのえげつなさは彼を踊童子として、士族にまでなったのに、また大罪を犯して被差別民に逆戻りさせてしまう。しかし、それでも彼は踊りから離れることができず、やがて、誰も到達しなかった境地へと彼を押し上げていく。また、それは太陽しろ(てだしろ)と呼ばれる琉球王の対の月しろとなることでもあったが、それは日向の太陽しろの対極にいる、人の世の穢れや悲しみを集めたような存在になることでもあった。
 作中、踊りを極めようとする了泉のライバル雲胡、了泉の師、石羅吾と彼のライバル玉城朝薫この二組の師弟がいがみあいつつも互いに高めあっていくのがいい。また、彼らが展開する踊の芸術論、美学論は非常に興味深い。他にも了泉と訣別せざるを得なかった彼の母に親切にした、しかし若い頃は了泉真っ青のとんでもない跳ね返り娘だった音知戸(おとちと)や江戸の瓦版屋で了泉を格好のネタにしていた銀次、ちょっとオツムが足らないが皆に愛されるチョンダラー、また謝恩使の正使であり、この人の作品には良く出てくる怪物だった与那城王子などなど個性的な登場人物には事欠かない。
 そして、最後に斎場御嶽の下で了泉が見出したものはとても印象的だった。私も斎場御嶽に行ったことがあるが、この場面を読んでから行きたかったかも。また、久高島も出てきたので、行った時の島の風景を思い出しながら読んでいた。
 しかし、太陽しろだった琉球王、尚敬王の肖像画が描かれる場面があるのだが、その肖像画とおそらく同じ主旨であろう琉球王の絵を首里城で見たとき、全ての絵に「沖縄戦で原画は焼失」となっていたのを思い出してなんともいえない気分になった。





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Last updated  December 31, 2013 10:55:02 AM
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