日記

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対面



主人の兄、母、私の母が泣きながら私たちを出迎えた。そのときの会話はほとんど覚えていない。「パパのところへ早く行ってあげて」と奥のふとんに横たわる主人をさして言われた気がする。

子供たちは「パパ、パパ」と主人をさすりながら泣き続けていた。私はただ涙が落ちるばかりで呆然としていた。ワンワン泣くこともなく、寝ているような主人の顔を見続けた。小さな声で「なんで?なんで?」って言いながら。

まわりの人たちに「家族4人にして」とお願いした。みんなが出て行った部屋で親子4人、やっと本当の悲しみに浸った。泣けて泣けてしょうがなかった。

主人は急死だったため、やつれることもなく、いつもどおりの家で見ていた寝顔だった。まだ起きてくるんじゃないかと思うくらいだった。それでも、これだけ長い時間止まっていた心臓を考えてみれば、もう脳にも酸素がいかず、体内の内臓も生き返るわけはないと冷静に分析する自分がいた。

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