日記

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亡くなってから2週間後


忙しさ、さびしさ、つらさで泣きながら寝ることもしばしばだった、
あの頃。まだ実家にいた。

そんな彼でいっぱいの日々だったのに夢にはなかなか出てこなかった。
初めて出てきたのが2週間後ぐらいだった。

なぜかいつもの我が家で、彼もまだ元気でいつものようにいた。
かわらず。

内容までは余り思い出せないのだが、たしかに彼がいて、私も
普通に彼の存在を受け入れていた。

ところが、
我が家に帰ってきてから、しばらくたってまた彼の夢をみた。

彼はなぜか我が家のトイレを一生懸命掃除している。私は心の中で思う。
この人はあともう少しで死んでしまうのに・・・。
彼に言った。「そんなにがんばらなくていいよ。」もうトイレ掃除なんか
やめてほしかったのだ。彼自身は亡くなってしまうであろうことは
知らないのだが私は彼の未来がわかったいるのだ。そんな彼が
不憫でたまらないという内容だった。

私は気づいた。もう私の中で「彼は死んだんだ」という認識ができあが
ったのだということに。亡くなった当時は事実をまだ受け入れがたかった
のかもしれない。時を経て、彼の死がもう私の中に事実として、
入ってきたのかもしれない。

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