わんこでちゅ

13 ヤマダくんの涙











精も根も尽き果てるまで笑ったのは、いったいいつが最後だろう。俺がずっと子供だったころ、、、。むじゃきに毎日を過ごせたころ、、。

「いや~笑い疲れました。ところでご旅行はどちらへ、、。はぁ~苦しい。」

「富士山の裾野のほうです。どうやらそこでもらってきたみたいで、、。ちゃんとお尻を火であぶって、びっくりして離したところをつかまえましたんで、、。」

「あぶるのもいいですが、なんでもマニキュアを塗ると、苦しくなってはなすようですよ。」

「本当ですか?でも私お化粧も、マニキュアもしないから、、」

カーク君の飼い主の言葉に手をみると、爪はきっちりきりそろえられていたが、本当にマニキュアのたぐいはしていなかった。指輪もなにもしていないそっけない手だった。

「寄生虫専門の先生に聞いた話だから、たしからしいですが、僕も男ですから、マニキュアはもってませんから、やってみたことはありませんねぇ。」

「やっぱり口が体内に残って化膿しないようにするのには、うちの場合今回みたいにお線香でお尻をあぶるのが一番かしら。」

「いや、あんまり熱くしてもくっついたまま死んじやって、結局口がのこってあとがひどくなっちゃうんですよ。まったくダニってやつはやっかいなやつですよ。」

「でもそれをコレクションなさるのも、、。ふふふふっ。」

カーク君の飼い主は自分がもってきて、テーブルのすみに広げた、フィルムケースにはいった、まさにカーク君にきのうまでたかっていたダニをみて含み笑いをした。

「いや~前に縫い針のときもお願いしましたが、こう犬の体内からでてきたものとか、こういうのって、無性に集めたくなってしまって、、だからみかちゃんには変態扱いされているんですよ。コレクションするのに、口がきちんとついたままのダニはありがたいんですが、、、。にしても~、たっぷり血をすって大きくなって、本当にこのダニ、すいかの種にそっくりですね。」

「これをみながら、すいか食べちゃうんですもの、私もみかちゃんに知られたら、変態かしら、、。でも今度マニキュアためしてみます。おしゃれになったダニをみならって、マニキュアが残ったら、私が塗ることにします。くすくす。」

俺の頭の中にマニキュアを塗ったダニの絵が浮かんだ、、。それも呼吸ができなくなって苦しむダニではなくて、あの細い足のさきにマニキュアをぬっておしゃれしてしなをつくるダニの絵が浮かんだ。また笑いたくなった。今晩夢にでてきて、しなをつくるダニにうなされそうだ、、、。











5

チャニと川の中のボール

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