わんこでちゅ

20 ヤマダくん猛反省











なにげないある朝の日、、。突然の異変それはトイレからはじまる。

「ぎゃーーーーーーーっっっつ!」

カークの母ちゃんは、便器を指差し大声で叫んだ。そのあと震える手でレバーをまわし、水を流した。暫く悩んだ末に病院にいくことに決めた、、、。駅に近い大きな総合病院にゆくと、ひとひとひとであふれかえっていた。入り口の受付機械で担当と思える内科のボタンを押し、診療の順番をまつ番号札をもらう。内科の前の椅子には数十人もの人が順番を待っていた。さらに内科の専用受付で、事前に次々と問診がされ、数人の先生に患者がふりわけられていく。問題はここだ!大勢の人間のあふれかえっているこの場所で、問診票をかきこみ、看護婦さんと会話しなくてはならない。プライバシーもへったくれもない。かといって、すぐに専門の検査のできるところといったら結局大きな病院だ。

「今日はどうしました~。」

そら、きたなぁ~。ひや汗。

「はぁ、あの~便の中に虫みたいなのがいまして、、。」

恥かしいので消え入るような声で答えたのに、

「えっ?便に虫?寄生虫ですか?実物ちゃんと持って来ましたか?」

とてもよく通る大きな声で、お返事をいただいた。そのとたん、待合の椅子にいた他の人の視線はいっせいにカーク母ちゃんに注がれた。

「いや、そのう、気味悪いんで流しちゃいました。」

「それじゃなんの寄生虫かわからないじゃないですか?箸ででもつまんで、何かに入れてもってきてくれれば、診断がはやいんですけどねぇ。」

そういわれればそうだが、なにもそんな大きな声でいわなくても、、、。顔は真っ赤で泣きたい気持ちだ。

「じゃ,初診なんでカルテ作りますのでお待ちくださいね。」

看護婦さんにそういわれて、てじかの椅子に腰かけた。すると、なにげにカーク母ちゃんのまわりの椅子にかけていた人が、すーーーーっとたって、別の椅子に移動していく。寄生虫って染るのかな?そう簡単に染らんだろう、、、。まるでカーク母ちゃん自身が寄生虫のような反応だ。混雑している病院でぽっかりとカーク母ちゃんのまわりだけが、ひろびろとしていて、冷たい空気がながれていた。


この話をきいて俺は酸欠になるほど笑ったが、同時に猛反省した。









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花をかぐチャニ

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