わんこでちゅ

2004/2/1




カークが(自分以外の人間がともいえる)めん玉ひんむいて、激痛にたえている。そういうときって、自分が痛いわけじゃないから、どうしたらよいものか、困り果ててしまう。この痛みは、本犬(本人)でないとわからないし、自分が以前味わった、一番痛い経験から、類推して、その痛みでは大変だろう程度に考えるしかない。そして病院どうしようとか、このあと看病大変だなぁって、妙に醒めた目で痛がるカークをみつめたりしちゃう。とりあえず

「大丈夫だ、、大丈夫だからね」

とカークに声をかける。それがわんこに、しかも痛くてパニックになっているやつに通じるかわからないが、、。ともかくあわててタクシーを手配する。しかしここで問題なのは、抱くのも痛い、じっとしていても、ひーひー、震えてちぢこまって痛がるわんこを、どうやって車に乗せるかだ。大きめのキャリーバッグをもってきて脇のチャックを全開にする。

「カーク、病院いくから、なんとかここまで自分で入りな、無理に動かすより、自分で入ったほうが楽だからね」

ほら、ここだよとばかりにバッグの入り口のところをとんとんたたくと、はたしてカークはやってきた。背中を丸めていたがりつつものそのそと自分でバッグに入ってくれた。以前車から落ちたチャニが死にかけたときは、チャニはあまりの痛さにさわらないでくれとばかりに、私の手をおもいっきり二度噛んだ。カークがどういうつもりで自分の痛みをおして、自分でバッグにはいってくれたかはわからないが、振動をあたえないよう、両手でなるべく水平になるようバックを渾身の力をこめもちあげる。ほんの少しの揺れにひっひひひっと痛がるカークにわびを入れつつ、タクシーにのりこむ。そして震えて力なく寝そべるカークと診療をまつこと一時間。痛み止めの注射をしてもらうまでの、実に長い時間に、私はもうぐったり、疲れはてました。

昔、夜いつも私の布団にもぐりこんでくるのはカークだった。チャニがきて、ルナが産まれると、私の布団に入るのは、チャニとルナになり、カークは絶対はいってこようとしなくなった。中には入らなくとも、足元の上掛け布団の上にのっていることはあるが、、。が昨夜はちがった。のそのそと私の脇の下にはいってきて、私のわきのにおいをくんくんかいでから、甘えるように腕枕でねはじめた。今日はいっぱい痛い思いをさせたのに、母ちゃんのとこにきてくれるのかぁ?そのあとチャニとルナがはいってきて、シングルの布団の私は、かなしばり状態。嬉しくもあり、考えることもあり、そしてまったくみうごきできずで、延々ねむれぬ夜とあいなった。





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