あのヒト =2=




それから高校3年生になった夏。
突然の再会。

きっかけは、彼氏の友達(私が最初に狙っていたヒト)から電話がかかってきたのだ。
それから、その彼と「淳」と3人で会うことになった。

1年半ぶり。
淳はあのままだった。
それが逆にうれしかった。

そして、それをきっかけにまた私達は連絡を取り合い、付き合うことになった。
9月のことである。

その当時、彼は地元でも有名な某ホテルのコックをしていた。
彼の夢、「店を出すこと」「洋食のコック」はまだ続いていた。
さすがに忙しく、会えるのは週に1日だった。
それでもうれしかった。

たいした大きな喧嘩もなく、ラブラブだった・・・・。
はず。

でも、私はどこか彼に遠慮していたといころがあったかも知れない。
すべてを彼に合わせていたところもあったかも。

私は、毎日でも遭いたい、束縛されたいタイプでとても嫉妬深い。
彼は、その逆で、毎日じゃなくても、一日会えるだけでもいい。束縛はしたくない、放任主義だった。

そんな異なった恋愛価値観は、いつまでもつのやら。

私は言いたいことを我慢して、彼に合わせて・・・それでも幸せだった。
彼のことが好きだから。

だが、見てはいけないものを私は観てしまった。
一度は見てしまうもの。

携帯電話。

彼の携帯電話の着信、メールには知らない女の名前があった。
彼の受信、送信履歴には彼女の名前がびっしり。
『最近彼女とうまくいってないんだよねー』
『別れたよ』
そういう文字が送信履歴にあった。

ショックだった。


それから、私は彼といても、心ここにあらず状態で彼が接してくれる優しい笑顔も言葉も全てを否定したくなった。
裏切られた気持ちから、彼の前で泣くことが多くなった。

もちろん、メールを見たことは言えずに。




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