あのヒト =8=




彼に、JOに別れを告げるために私は彼を呼び出した。

車の中で、私はあの出来事を話した。

「もう会うなって。あれから、ちゃんと連絡くれるようになったし」
「会うなって言われたから、もう会わないの?」
「彼氏、一筋でいくことにする・・・」

私の隣で、JOが泣いていた。ポケットから取り出されたハンカチは、もうぐしょぐしょだ。
男のヒトが泣いているのを、初めて見た。
「俺は、こんなにもスキなのに」

ふと気付く・・・。私の為にこんなに泣いてくれるヒトがいただろうか。こんなに引き止めてくれるヒトがいるだろうか・・。
機がつけば、私も一緒に泣いていた。
「ごめんね」

「・・・・」
突然泣き止んだかと思えば、JOが急に車のアクセルを踏んだ。
「ちょっ、どこ行くの!?」
「・・・・福岡。約束したでしょ」

昔、約束をしたことがあった。一緒に福岡行こうって。

本当に、今から行きださんばかりのJOを慌てて止めた。
暫く、二人の間に沈黙。


私、やっぱりJOのこと好きだ。
本当に離れたくないよ。


その翌日、JOは私をつれてドライブに出かけた。

「最後のドライブだから」



向かった先は、宮崎・・・。




© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: