世界平和とお金のない世界 知恵の輪

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親子の会話(母と娘)


いろんな疑問を解決するために。


「ねえ、お母さん」
「なあに?」
「社会の勉強の時、日本が財政破綻の話題になったの。財政破綻ってどういうことなの?」
「インターネットで調べてみたら?」
「財政破綻って載ってないわよ」
「財政と破綻で見れば」


ざい‐せい【財政】
1 国または地方公共団体が、その存立を維持し活動する
 ために必要な財力を取得し、これを管理・処分する
 一切の作用。
2 個人・家庭・団体などの経済状態。かねまわり。


は‐たん【破×綻】
1 破れほころびること。
2 物事が、修復しようがないほどうまく行かなくなること。
 行きづまること。「経営に―を来す」


「日本ではお金のやりくりが出来なくなっているってこと?」
「そう言うことみたいね~」
「じゃあこの日本はどうなるの?」
「でも心配ないわよ」
「何で~?」


「先生はほかに何か言ってなかった?」
「そう言えば日本の借金は外国からじゃないって」
「そうなのよ、だから心配ないのよ」
「だから~、なぜ心配ないのよ?」


「それはね、お家の中で例えると大家族のお父さんが家族みんながアルバイトやお年玉のお金を管理してね家の修理や電気代、水道代、食費にお金を使ってみんなが貯金していたお金を使ったようなものなのよ」


「せっかく働いたお金をお父さんが使ったってこと?」
「そうよ、でもねお父さんはみんなのために使ったのよ」
「一つの家族の中でお金のやり取りって変じゃない?」


「そうよね~、私たち家族の中でもやってないわよね」
「日本の中では家族のように出来ないのかな~?」
「お母さんもスーパーで買い物をする時思うわよ」
「何て?」
「我が家の家庭菜園のホウレン草を持ってこようかって」
「そう言えばホウレン草も食べきれないよね」
「みんなが余ったものを出し合えば無料でいいのにってね」
「出すものがない人はどうなるの?」
「そのために農家さんがいるんじゃないの(笑)」


「お金の要らない社会が出来たらどうなるの?」
「どうなるのって?」
「だ~れも働かなくなるんじゃないの?」
「何でそう思うの?」
「何でもタダで店の物を持って帰れるんでしょ?」
「たしかにタダで持って帰れるけどね。日本では『働かざる者食うべからず』なのよ」


「社会の教科書にあったよ『働かざる者食うべからず』って」
「お金の要る社会ではお金さえあれば働かなくてもいいみたいだけどね。本当は憲法で勤労の義務があるのよ」
「社会人になったら働かなきゃいけないってことなの?」
「そうよ、でもね失業者が300万人以上いるみたいね」
「失業者がいるって勤労の義務はどうなるのよ」
「変ね~(笑)」


「働くというのはね社会が機能するために働くのよ」
「お金の要らない社会になったら私は何をすればいいの?」
「あなたがしたいこと、出来ることで仕事を探すのよ」
「まだ何をしたいのか何が出来るのかわからないな~?」
「だから学校へ行っていろんな勉強をして準備するのよ」
「だから勉強しなくちゃいけないのね」
「そうよ~、お金の要る社会はお金を稼がなきゃいけないけどお金の要らない社会は自分がやりたいことで仕事を探すの」


「同じ仕事に飽きたら簡単に変わっていいのかしら?」
「仕事って自分が出来ることで社会貢献することだからね」
「社会貢献するならどんな仕事でもいいわけよね?」
「そうよ、楽しく働くことが社会貢献になるんじゃないの?」
「新しい仕事も作れるかもしれないわよね?」
「そうね~、今までなかった仕事を考えるのも楽しいわね」
「じゃあ学校でもっと勉強しよう(笑)」



「ねえ、お母さん『自分のために生きなさい』って言われたよ」
「誰に?」
「先生に」
「自分のために生きるってどういうことなの?」
「お母さんだってわかんないわよ」


「お母さんは自分のために生きてるの?」
「そうね~、お父さんとあなたたち子どものためかな~?」
「じゃあお母さんは自分のために生きていないの?」
「そうね~。でもね家族のために生きると楽しいのよ」
「じゃあ、お母さんはつらくはないの?」
「ぜんぜん(笑)」


「私ね、自分のために生きるってわがままだと思ったの」
「何でそう思ったの?」
「自分以外のために生きるとつらくなるんじゃないかって」
「それは自分を犠牲にするからじゃないかな~?」
「自分を犠牲にするって?」
「我慢しなくちゃいけないってことよ」


「じゃあお母さんは家族のために我慢していないの?」
「そうよ~。みんなが喜んでくれると嬉しいのよ」
「そうなんだ~♪そういえば思い出したことがあるよ」
「何を思い出したの?」
「それはね、私のクラスに新聞配達する男子が二人いるの」
「まあそれは感心な子ね」


「一人は毎日楽しそうで一人はつらそうなのよ」
「何かわけありみたいね」
「楽しそうな男子はね自転車を買うためにやっているんだって」
「何で自転車を?」
「大好きな女子とサイクリングの約束をしたんだって」
「それじゃあ自分のために働いているんだね」


「もう一人の男子はね母子家庭なの」
「お父さんはいないの?」
「うん。だからね生活費を稼ぐために働くんだって」
「大人から見るとこっちのほうが素晴らしいと思うよ」
「でもね、お母さんの話を聞いていると違うのよ」
「何が違うの?」
「自分のために生きるという意味が」


「そう言えばお父さんだってお金のために働いているね」
「お父さんは家族のために働いているって言ってたじゃない」
「そうよ、家族のためにお金を稼いでいるの」
「契約社員だから一日1万円って言ってたよね」
「そう、一日休むと1万円少なくなるの」
「だから風邪を引いても無理して働いているんだ」


「お金の無い社会ならお金を稼ぐ必要がないからね」
「だったら自分を生きることって簡単なのよね」
「なぜ簡単だと思うの?」
「だって~、自分と誰かが喜ぶことだけ考えればいいから」
「お金の心配をしなくていいもんね~」



「ねえ、お母さん難しい宿題が出たのよ」
「難しい宿題ならお父さんに聞いてよ」
「親の役割について考えなさいって」
「親の役割って何なのよ」
「だからさ~、それが宿題なの」


「子供の宿題にこんなことを聞いてどうするの?」
「それを聞いたら社会のことがわかるってよ」
「何でこんなことで社会のことがわかるのよ」
「私に聞いてもわかんないわよ」


「親と言うことは子供のいる夫婦ってことよね」
「子供のいない夫婦は親とは言わないんじゃないの?」
「そうよね~、ってことは私たち夫婦のことなのよね」
「お父さんとお母さんの役割って何なの?」


「そうよね~、あなたたちを大人になるまで育てること」
「育てるって、食べさせることなの?」
「それだけじゃないわよ」
「ほかに何があるの?」
「大人になって社会人として生きていけるようにねいろんなことを教えるのよ」
「学校で勉強するだけじゃないの?」
「学校で教えることだけじゃだめなのよ」


「そう言えば私の友達はお父さんと財テクをしているって」
「子供がそんなことしてるの?」
「お金を増やす方法も知ったほうがいいって言ってたよ」
「うちではそんなこと教えたくないわね~」
「で、うちはどんなことを教えるの?」
「失敗すること」
「失敗することって?」


「あなたが欲しい物を勝手に買うことってあるでしょ?」
「お母さんが許してくれないんだもん」
「あなたが買ったものはいつまでも大切にしてるの?」
「もう使わない物っていっぱいあるよ」
「こんな物買わなきゃよかったって思ったことないの?」
「何度もある(笑)」


「このままじゃいけないって言ってもすぐやめないでしょ?」
「うん」
「親としては子供に失敗して欲しくないけどね失敗するまで気が付いてくれないのよ」
「そっか~」
「何がわかったの?」
「今のままじゃいけないとみんなが言っているのに今のままを続けている大人たちと同じなんだね」
「そうね~、人間って本当に困らないと変らないね~」
「私と同じだ(笑)」


「本当はね、失敗することを喜んでいるんじゃないのよ」
「どう言うこと?」
「失敗して気付いて欲しいのよ」
「何を?」
「失敗した理由や失敗しない方法などをね」
「それで人も社会も成長するってことなの?」
「そうよ、人が集まって社会が出来ているんだから」
「わかった、宿題完了ね♪」

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