CHI-AKIの部屋

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めいたんていの対決!

・・・

ぬいぐるみ劇場 めいたんていの対決! (。'(ェ)'。)




私の名は、パイン。
沖縄から来た探偵だ。

南のめいたんてい・パイン

 私は今、依頼人のうさぽん大王に呼ばれて、うさポン邸にいた。
 依頼の内容は、まだ聞いていないので明らかではない。
「?」
 案内された応接室に、先客がいたようだ。
 依頼人のうさポン大王と、緑色の丸っこいの、あれはいったい…?
『ちょんまげつけた、まりも?』

うさポンと、ちょんまげ付けたまりも(?)

「パインさんですね。ようこそおいでくださいました」
 物腰はやわらかかったが、大王と呼ばれるだけあって、
 うさポンは王様のような威厳を持っていた。
「ご依頼、ありがとうございます。――うさポンさん、そちらは?」
「ああ、失礼。こちらは、北のめいたんてい・メロンさんです」
「メロンです」
「今回、南のめいたんていのパインさんには、メロンさんと協力してほしいのです」
 意外な申し出に、パインは問いかける。
「二人の探偵に依頼をする、ということは、
 事件はかなり難問――ということですか?」
「そうとってくださってもいいです」
「わかりました。この依頼、お受けしましょう」
「ありがとう、パインさん」
 そして、うさポンは依頼の内容を語り始める……。

パインと北のめいたんてい・メロン

 メロンとは、初めて会った気がしなかった。
 なぜか、同じにおいを感じた――。


 そして、話は進みます……。

他のぬいぐるみと違ってスマートな、うさポン

「お二人をお呼びしたのは、ある人物から守ってほしいものがあるからです」
「守ってほしいもの、ですか?」
「それはいったい!?」
 問いかけるパインとメロンに、こたえるようにうなずいたうさポンは、
 部屋に控えていた執事のクマに目配せをした。
「バトラー、あれを持ってきてくれるかな?」
「かしこまりました」

執事の(。'(ェ)'。)が持っているものは…

 数分して、バトラーが持ってきたもの、それは――。
「「ブログの戦士、カッパ・マンの像!」」
 クリアケースに入れられたカッパ・マンを見て、
 パインとメロンが同時に声を上げた。
「実は、このカッパ・マンが怪盗・アイマスクに狙われているのです!」
「「怪盗・アイマスク!」」
「先日、予告状がこのカッパ・マンのケースに張ってありました。
 今夜の午前0時に来る、と」
「「今夜ですと!?」」
 さっきから、双子のような反応をしているパインとメロン。
「そうです、犯行予告は今夜です。
 ――まぁ、その前に食事でもどうでしょう?」
 うさポンのすすめもあり、素直に食事をご馳走になるふたりだった。


 そして時間は流れ、怪盗・アイマスクの犯行時刻がやってきた――。
「そろそろですね」
「そうですね」
 パインとメロンは、カッパ・マンの像の前で顔を見あわせた。
 すると、その瞬間――。
 照明がブラックアウトし、部屋は暗闇に包まれた!
「アイマスクの仕業か!」
「カッパ・マンは渡さないぞ!」
 ふたりが声を張り上げたとき、照明が復活した。
「カッパ・マンはもらった!」
 声のしたほうを見ると、カッパ・マンを手にした怪盗・アイマスクがいた。

怪盗・アイマスク!(えっ?)


「「アイマスク、待て~!」」
 逃げるアイマスクを追うふたり。
 しかし、足の長さが違うので、なかなか追いつけない!
 その時――。
「「うわっ!」」
 二人は同時に小石につまずいた。
 動きまでシンクロしている、パインとメロン。

古典的なコケかたをするパイン&メロン

「「いたたたた……」」
 頭から派手にすっ転んだふたり。
 全身の痛みに負けじとすかさず起き上がるのだが、
 怪盗の姿は消えていた。
「「ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!! 」」
 ショックを受けながら、顔を見合わせるふたり。
「「逃げられちゃった……」」
 パインとメロンの仕事は、失敗(?)に終わった――。


 そのころ……。

実は、本当の怪盗・アイマスク

 うさポン邸での出来事を遠くから見ていた、本物の怪盗・アイマスク。
「ボクの名前でうさポン邸のカッパ・マンを盗む計画があるらしい、
 って聞いてたけど、こういうことだったのか……」
 アイマスクの目と鼻の先では、偽・アイマスクの扮装を解いているうさポンがいた。
 うさポンの手には、さっき盗み出した
(といっても、もともとうさポンのものだが)カッパ・マンがある。
「怪盗のまね事がしたかった、金持ちの道楽ってところかな?」
 なぜか、大体の事情を把握していた(笑)、アイマスク。
 その一方、偽・アイマスクからカッパ・マンを守れず、
 しょぼんとして帰っていくパインとメロンの姿があった。
「うわさには聞いていたけど、どんな事件も迷宮入りしちゃうという
南北の迷探偵が二人お揃いだったとは……」
“めいたんてい”と呼ばれていたパインとメロン。
 実は、手がける事件はすべて迷宮入りしてしまう、 迷探偵 だったのです。


 数日後――。
「あれ? うさポンさんから依頼料、振り込まれてる……」
 真実を知らない、迷探偵・パインは首をかしげた。
「よかったね、依頼料ちゃんともらえて」
 パインのご主人が、一応慰めの言葉をかけた。
「うん。怪盗・アイマスクには逃げられちゃったけど……」
「パインちゃん」
「ん?」
「はい、これ」
 パインに出されたものは、パインの仲間のパイナップルだった。
「ぎゃー!! ΣΣ(゚Д゚;)」

パイナップルにおびえるパイン


                        《おしまい》



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