私のなかでは、もうリックとジョンはイエスに参加することはないと思っているので(あるとすればクリスのトリビュートかな)、多分に感傷的になっていることもあるけど、こうしてバンドを離れてからも、思い出深い曲をソロで演奏する、彼のサービス精神はありがたい(ジョンもそうだけどね)。何度けんか別れしようと、 歴史に刻まれる曲を残し、何度も一緒にツアーをしたバンドへの愛着はあるんだよね。イエスを知らない人には、知ってもらういい機会だし、リックが弾くのは自分が好きな曲だろうしね。 (ブラジルかどこかへ出かけた時のインタビューで、イエスのアルバムで好きなは?と聞かれて、当然だけど、こわれものと危機、そしてGoing for the oneを挙げていた。あら、awakenじゃないのね。)
リックがLife on Marsの曲としての出来の良さを解説していたのは、この映像だったか。「40年前だから・・・」と言いながらも、弾きながら、「この進行だと普通は次は こうくるけど、ボウイがつくったのはこうなんだ。そしてもっとすごいのは次の展開でさ…」とコード展開の尋常ならざる奇抜さを証明してくれてい た。ハンキードリーに収録されているオリジナルを聴いても、リックのピアノが結構長く聞こえていて意外だった。そしてボウイは「リックはピアノ パートを彼独自のメロディで飾った」と記録を残す。つまり作曲に加担している。 なるほど。この時点(撮影は2012年あたり?)で、リックはLife on marsを全曲ピアノで弾きたおしている。だから追悼のときに素早く対応できたんだな。たしかにこの曲は、ボウイの曲とは信じられないくらいメロディアス で聴きやすい。リック効果かもしれない。
ブライアン・イーノとの関係で、ボウイがロバート・フリップとも仕事していたのは知らなかった。まるで大学教授前とした完璧なスーツ姿のフリップ が出て来て、表情も上唇もほとんど動かさずに(でもほんのり薄笑いを浮かべて)話すんだよ!まさにEnglish gentlemanって感じで! なんだこの「ププッ」感。ビルがそんなフリップの話し方を真似してたよね。クリムゾンに入れてくれって押し掛けて行った 時のエピソードで「うん、それも悪くないんじゃない」ってフリップ特有の言い回しで返事されたって。(たしかユニオンツアーのドキュメンタリー映像)。これだこれこれ~と笑ってしまった。きっとスタジオ収録でスタイリストもメークもつけているに違いない。で、そんな恰好で最後にいうのがfour letter wordなので、大した狸なのだった。しかも「今の使える?言い直そうか」って、撮影クルーを手玉にとって楽しんでる。私にとってこのドキュメンタリーはリックとフリップを見るためのものだな。