吟遊映人 【創作室 Y】

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2011.03.05
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カテゴリ: 映画/ヒューマン


「女神のヒザ枕で眠るのが夢だったよ」
「純粋な信仰だぞ」

ただひたすら山登りするシーンを追うのは退屈だと思われる方々、ぜひともそれを改め、過去の登山映画を振り返って観ていただきたい。
山を題材にした映画は、これまでにもいくつかある。
パニック・スリラー映画としてみても楽しいだろうし、勿論、ヒューマン・ドラマとして堪能することも出来るだろう。
本作「エベレスト」は、そのタイトル通り、世界最高峰の山を目指して命懸けの登山に挑む、男たちのドラマである。
1982年に登頂を果たした、カナダのパット・モローの手記をもとにした映画なだけに、とてもリアリティに溢れた作品に仕上げられていた。
驚いたのは、8100mのサウスコル地点の光景だ。

山頂を目指すクライマーたちの中継地点でもあるせいか、食べ散らかした食品が雪の上に転がっていて、そこにはカラスが群がっているのだ。(これほどの高山にもカラスはいるのかと、それも驚きだが)
富士山にも同じ光景があり、世界遺産としての登録が見合わされたしまった一因でもある。

カナダの若きクライマーたちは、気心の知れた仲間とともに、エベレストの登頂を目指していた。
ところがある日、訓練登山中にジョンが滑落死する。
思いがけない訃報に、失意に暮れるローリーたちだったが、1982年の夏、念願のエベレストへ出発する。
世界最高峰の8848mの山は、若きクライマーたちの夢でありあこがれでもあったが、その反面、悲劇と隣り合わせの登頂であった。
20110305b

近年、日本映画においても「剱岳」は実にすばらしい映画だった。
「エベレスト」では、その過酷な状況から死者を出しながらの登頂であった。
世界最高峰に登りつめるという名誉と栄光と、そして男のプライドが光り輝く作品と言えよう。
対する「剱岳」は、当時の国土地理院が正確な地図を完成させるための登頂であり、役人としてのプライドを守り抜いた作品である。
どちらも優れた登山映画であるが、吟遊映人が愛して止まないのは「剱岳」の方である。


ただ黙々と雪山を登りつめていく、真面目で一本気な男たちの横顔に、大和民族の崇高な気質を見出すことが出来るのだ。
「エベレスト」では、若きカナダ人クライマーの意気込みや明るさ、雄大なヒマラヤ山脈の雪景色を堪能しようではないか。
この作品により登山映画に興味を持たれた方は、併せて「剱岳」もオススメしたい。

2007年(加)公開
【監督】グレアム・キャンベル


また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2011.03.05 08:27:36 コメントを書く


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