吟遊映人 【創作室 Y】

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2011.07.17
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カテゴリ: 映画/SF

「はい」
「俺はあれを破壊することに決めた。援護してくれ」
「無理です。とても向こうまで渡りきれません」
「俺たちが向こうに渡ったのを確認したら、雪と一緒にヤマトに帰れ」
「何を言い出すんですか?!」

まず説明しておくことがある。
昨今、ちまたでブームとなっている「機動戦士ガンダム」も「新世紀エヴァンゲリオン」も、「宇宙戦艦ヤマト」というSFマンガがアニメブームの先駆けとなっているのだ。
「宇宙戦艦ヤマト」を生み出したのは、漫画家の松本零士で、代表作は他にも「銀河鉄道999」や「キャプテン・ハーロック」「千年女王」などがある。
20110717b
だが社会人になって、そういう憑き物がとれて、今は大半の内容を忘れてしまった。
アニメの実写化というのは多大なリスクが生じ、下手をするとがっかり感ではすまされず、絶望的になってしまうことも少なくはない。
ところが本作「ヤマト」はやってくれました! すごいですよ!
音楽も故・宮川泰の作曲した“さらば~地球よ~♪”の、あの壮大なテーマ曲が使用されているし、登場人物にもほぼ変更はなく、なによりヤマトの内部が忠実に再現されていて本当に嬉しい!
日本の誇るメイド・イン・ジャパンのSFアニメが母体となっているだけに、その内容は深く、日本人にとって一番要となる「御国(おくに)のために命を捧げる」崇高な精神性を垣間見ることが出来るのだ。

西暦2199年、地球は放射能汚染により地上の生物は絶滅の危機に瀕していた。
人類は地下都市を建設し、どうにかその日暮しを送っていたが、謎の異星人ガミラスによる遊星爆弾の攻撃を受け、もはや風前の灯となっていた。
そんな中、マゼラン星雲のイスカンダルからメッセージカプセルが不時着する。
そこには、波動エンジンの設計図とイスカンダルの正確な座標がインプットされているのだった。
その後、イスカンダルには放射能除去装置を持ち合わせているとの情報も確認され、地球防衛軍はヤマトに乗って旅立つことになった。

吟遊映人が注目していただきたいシーンは、とくに2点。

まるで「一歩たりとも近付くな、行きたければオレの屍を越えてゆけ」と言わんばかりの壮絶さだ。
さらにもう一つ、技術班技師長の真田が、ガミラスの中枢部を破壊するため爆弾を仕掛けるシーンである。
それもこれも仁王立ちとなって死守した斉藤のおかげなのだが、真田も爆弾のスイッチを押し、自爆する。
無論、ガミラスの中枢は破壊される。
このシーンは、正に神風特攻隊の再来を思わせる感動の場面だ。20110717c

その富山敬が亡くなった時、記憶に間違いがなければ、スポーツ新聞か何かに「さらば、古代進」という大見出しのもと、富山敬の訃報が報じられた。
それほど「宇宙戦艦ヤマト」というのは、若者に影響力を及ぼしたSFアニメだったのである。
そんなすばらしい作品がこうして見事に実写化され、SF映画の可能性を感じることができ、この上もない喜びである。
ぜひとも多くの皆さんに、ご覧になっていただきたい作品だ。20110717d

2010年公開
【監督】山崎貴
【出演】木村拓哉、黒木メイサ、山崎努

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2011.07.17 08:15:23 コメントを書く
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