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2012.05.13
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カテゴリ: 映画/ヒューマン
20120513


「・・・出身は?」
「メリーランドです」
「学校は?」
「イェール大学です」
「専攻は?」
「経済学・・・経済専攻です」

長身でルックスの良さが先行してなのか、以前のブラピのイメージはチャラチャラしている印象が強かった。
『オーシャンズ』シリーズなどを観ても、そういうキャラを演じることが多いので、ムリもないが。

役どころとしても申し分ないキャラで、いつもの軽いノリなど微塵も感じられなかった。

GMとして仕事のデキる男と、愛娘を誰よりも大切に想う父親を、見事に演じ分けていたように思える。
一方、チョイ役ながらチームの監督役で、フィリップ・シーモア・ホフマンが出演。
この役者さんをこの役柄で起用したのは残念な気がする。
もともとフィリップ・シーモア・ホフマンは、見かけだけでは判断のつかないような、複雑な精神性を胸に秘めたキャラを得意とする役者さんだからだ。
そのため、たったワンカットのシーンでも視聴者にリアルなインパクトを与える。(参考:『マグノリア』『ブギーナイツ』など)
だが、この作品でのチームの監督という役では、そのキャラも余り生かせなかった気がする。

オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャーであるビリー・ビーンは、2002年のシーズンに向けてスター選手を引っ張れるように、補強資金をオーナーに求めた。
だが余裕のないチームのため、低予算でチームを改革するしか方法がなかった。
クリーブランド・インディアンズのオフィスでトレード交渉をした際、ビリーの目に留まったのはスタッフの一人であるピーター・ブランドだった。
ピーターはイェール大学で経済学を専攻していた人物で、野球を客観的に分析し、選手の評価や戦略を考えていた。


この作品の見どころは、やはりビリー役に扮するブラピと、その同僚ピーター役のジョナ・ヒルが電話で選手のトレード交渉をするシーンだ。
ピーターの平凡さを武器にした演技は、お見事としか言いようがない。
ポッチャリ体型で、やや引っ込み思案の、気立ての良い白人男性というキャラは、ブラピを引き立てることにとても効果的だった。
全体を通して、胸の空くような熱いスポーツドラマとはお世辞でも言えないが、野球そのものより、それを背後で動かすスタッフの巧みなかけ引きや直感に支えられたルポルタージュ的作風がおもしろい。
最後の終わり方も、とても好感が持てた。


【監督】ベネット・ミラー
【出演】ブラッド・ピット、ジョナ・ヒル

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。
See you next time !(^^)





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最終更新日  2012.05.13 08:08:33
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