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2013.06.28
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カテゴリ: 映画/ヒューマン
【25年目の弦楽四重奏】
20130628a

新聞で公開を知り、近来稀に見るときめきを覚えた。そして興奮した(笑)
ベートーヴェンの弦楽四重奏(しかも後期!)をテーマにした映画が封切られるというのだ。
メインは14番というのが申し分ない。これをときめかずにいられようか!
加えて大フーガが出てくれたら、もう無上の喜びであり興奮の極みなのだ\(^o^)/

そして弦楽四重奏といったら外せないのが吉田秀和先生だ。
先生がご存命であったら、コメントの一つもいただいて映画のハクをつけたかったところであろう。

吉田秀和先生は弦楽四重奏をこう説く。

『音楽のもっとも精神的な形をとったものである。あるいは精神が音楽の形をとった、精神と叡智の窮極の姿である。』

なるほど。
そして続ける。

『もっともよく均衡のとれた形でもって、あいまいなところが少しもないまでに、ぎりぎりのところまで彫琢され、構成され、しかも、それをつくりあげるひとつひとつの要素が、みんな、よく「歌う」ことを許されている。』


四つの楽器が、無駄なく的確にバランスを保ち、おのおのが抑制されることなく弾かれていることは、まさに楽器が『歌う』がごとし。名文の通りである。
そして弦楽四重奏の定義がストンと落ちたなら、『精神と叡智の窮極の姿』が見えてくるはずだ。

さて肝心の映画。
主人公を演じるのはオスカー俳優のフィリップ・シーモア・ホフマンだそうだ。
最初は、え?!という気がした。
フィリップ・シーモア・ホフマンといえば、レッド・ドラゴンのゴシップ記者の役がどうにも印象深い。
いや、ケチをつけるのではなく、あまりにハマリ役に思え、何か出来上がってしまったものを感じるのだ。

ただそこはオスカー俳優だ。きっと個性的な演技を見せてくれるであろう。
それに演奏指導をしたのが岩田ななえさんとくれば、いやがおうでも期待は膨らむ。
ちなみに岩田ななえさんはサイトウ記念オーケストラの常連である。この夏も松本で音色を聴かせてくれるはずだ。
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その岩田さんが、演奏指導をふり返ってこう語る。

英雄 英雄を語る、まさにそんな感じではないか!
フィリップ・シーモア・ホフマンの演技を期待して、封切を一日千秋の思いで待つとしよう(^o^)

今宵は、ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 14番 嬰ハ短調 作品131 をじっくり聴き直してみよう。
なお、この曲は7楽章からなるのだが、ベートーヴェンが『7楽章を休みなく演奏するように』と楽譜に書き込みを残しているので、聴く方もそれに徹しなければならないのだ。
(そんなに長い曲ではありません、心配ご無用ですよぉ~)



2012年公開
【監督】ヤーロン・ジルバーマン
【音楽】アンジェロ・バダラメンティ
【出演】フィリップ・シーモア・ホフマン、クリストファー・ウォーケン
【演奏指導】岩田ななえ

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最終更新日  2013.06.29 06:30:55
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