2005年07月30日
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カテゴリ: 本の思い出
今週はこんな本を読んでいました。

__________________

『蒲公英草紙 ~常野物語』 恩田陸
 常野物語番外編、という感じの物語です。
 時は20世紀が始まったばかりの慌しい頃。
 主人公は地方に住む女の子。
 この本を読んで私は
 映画『タイタニック』を思い出しました。
 あ、ストーリーは、まったく似てないです。

 ロマンス的な部分にではなく
 時の流れと運命の切なさに涙したのですが、
 それとよく似た感情をこの本にも抱いたのでした。 

『Y』 佐藤正午
 実はかなり好きな作家、佐藤正午。
 今まで書いたことないけど
 デビューの頃からのファンです。
 彼の小説はどれも謎めいています。
 ミステリー小説じゃないのですが、
 叙述ミステリー的な文章と展開なのです。
 彼の小説からは不思議なイビツさを感じます。

 一般ウケするタイプって感じじゃないんですが。
 ただしこの『Y』は彼の小説の中で変わり種。
 この小説で彼は
 新しい読者をごっそり獲得したんじゃないかな。
 K・グリムウッドの『リプレイ』がモチーフ。

 よくできた小説だなあと改めて思いました。
 不思議なイビツさを感じられない(笑)
 ってことはつまり、
 私からすると「佐藤正午っぽくない」わけなんですが
 すごく面白い小説なんですよ。よくできた小説です。 
 そういえば、この間、
 「恋愛小説家、佐藤正午」ってふうなキャッチフレーズを
 発見して、驚きました。
 そんなふうに思ったことって、私はなかったなあ。

『文壇』 野坂昭如
 野坂昭如と言うと
 アニメ『火垂るの墓』の原作者ということや
 (この作品、私はアニメでしか接したことがない)
 『TVタックル』に時々出て来る、
 なんとなく好きな感じの人ということで
 前々から、どちらかというと好印象を抱いていたのですが、
 なにせ文体がものすごく独特!!ということで、
 今までどうも読む気がしないでおりました(笑)
 だけど、1960年代の文壇が舞台ということに
 強い興味をひかれたので読んでみました。
 (なぜか私は三島由紀夫という人物にとても興味がある。
     三島由紀夫の作品には心惹かれないのに)
 感想・・・いやあ、とにかく文体がキツかった!!
 私は、独特のカラーということを、
 すごいことだと思っているタイプの人間なんですが、
 それと好みの問題は別なのです。
 だけど、内容は面白かったし、
 野坂昭如その人に対しても、
 やっぱり好きだなと思いました。
 好きなタイプってわけじゃないし、
 気の合うタイプって感じもしないけど、好きですね。

『ムテッポー文学館』 中野翠
 こういう肩の力の抜けた文学論って好きだし、
 そもそも中野翠のことが好きなので、
 以前から、この本を探していました。
 なので古本屋で発見して「わーい!」と思いました。
 何が嬉しかったかって、
 伊藤整の『日本文壇史』に触れていたことです。
 実は私、以前から、やたら多くの人が、
 評論家としての伊藤整の目の確かさを褒めてることが
 すごく気になっていまして、
 最近じゃそれが飽和状態にまでなっていたのです(笑)
 でも、なにせ古い人なわけだし、
 評論家としてじゃなく
 小説家として名が残っている人なので、
 評論関係の文章は今じゃもう残っていないんだろうなーと
 早合点していたのです。
 ところが、あったんですね。90年代に復刻出版されていた。
 『日本文壇史』しかも全18巻だそうです。
 すごいボリューム!楽しみーっっ
 中野さん、教えてくれてありがとうございます!!
 って感じです(古本読んで言うのもなんだけど)
 おっと肝心の中野翠について全然書いてないや。
 他の人がどう感じているのかはわからないけれど、
 私にとっては、中野翠というと
 「まっとうな感覚の人」という感じだったりします。

『私の個人主義』 夏目漱石
 漱石先生の講演を文章化した本です。
 実は私が、夏目漱石の思想に興味を持ち始めたのは
 ここ数年だったりします。
 夏目漱石の思想は、
 生き抜くための思想と言えるような気がします。
 しかも、今に通じる思想です。
 私もまだ咀嚼できているとは言えないのですが、
 「どうせ昔の人の意見なんでしょ」と
 小馬鹿にしている人が、もしいるとしたら、
 その人は間違ってると思います(笑)

『触れもせで ~向田邦子との二十年』 久世光彦
 向田邦子に関心を持ったのも去年くらいかな。
 名前だけは子どもの頃から知っていたけど、
 向田邦子ドラマとか、
 あんまり面白いと思わなかったし・・・。
 関心を持ち始めた直接のきっかけは、
 そもそもは太田光がすごく評価してたからでした。
 (太田光の審美眼を信じる、ということではなくて、
   私には『誰かがすごく評価しているもの』に
    興味を持つという習性があるのです。
   特に年月を経ての評価には興味をひかれますね。
 「どのへんが魅力なんだろう?」と、
             自分で確認したくなります)
 その後、山口瞳のエッセイでも、
 向田邦子に関する記述を見つけたりもしたので
 ますます気になるって感じで今に至っています。
 どうでもいいことですが、私は、
 向田邦子のルックスがとても好きです(笑)  

『優柔不断術』 赤瀬川原平
 私は優柔不断を自覚している人間でして(笑)
 白黒はっきりさせたいの、
 ってタイプじゃないんですよ。
 そんな自分の心は、この件に関して、
 「やっぱりいけないよな」
 と反省したり、
 「でも、考えようによっては
   良いことのような気もする」
 と思ったりと、日々、揺れ動いていたりします。
 そんなわけで読んだのですが、
 この本、客観的に見て、
 そんなに優柔不断のカラーじゃなかったです。
 読む人が読めば、むしろ、
 「はっきりした意見の人の本」
 って感じかもしれない気がしたほどでした。
 ところが、私、この本を読んでいて、
 結構、たくさんの共感ポイントを感じたんですね(笑)
 で、
 「ん?ってことは、私も或る意味、
    優柔不断な人間ではないってことなのだろうか?」
 と、不思議な気分になりました。


___________________

土曜日を読書日記の日として、
その週に読んだ本の中から
何冊かチョイスして
ちょっとした感想なんぞを残しておくことにしました。

私は、無音状態で読書するタイプなので
読書日記の日は、今日の一曲はなしということで☆





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最終更新日  2005年08月02日 21時28分39秒
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最近のココナツさんの日記って息が長いのが多いなぁ。。。  
Heik  さん
これでゲストさん最後まで引っ張れますかね。コアなココナツさんのファンじゃなきゃ、
理解できない世界ですよね。本の採り上げ方といい、コメントといい。。。

私からコメントを返すなら、とりあえず向田邦子『思い出トランプ』でも読んでください、
って感じかな。。。 (2005年08月02日 22時27分38秒)

Heikさんへ  
私もこの日記はさすがに長過ぎるなと思いました。
5000字越えてるんですもん(笑)

でも、読書日記は、
これからも、このパターンで行くつもりです♪ (2005年08月04日 01時20分43秒)

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