初めて南部小麦のパンを作ってみましたが、そのおいしさにびっくり。蜂蜜の甘さとくるみのコクのほかに、何か奥深い厚みのある味を感じます。ふわふわの食感は期待していなかったのでこねを抑えて仕込みましたが、かみ応えがあるのに不思議と口溶けがいいのです。噂どおり、ホシノ酵母との相性バッチリのおいしい粉です。まだ実態をつかんでいないので、なるべく作ったとおりに書き留めてみました。
南部小麦(無農薬・準強力粉) 280g
生種 大さじ1.8
蜂蜜 大さじ1強
塩 3g
水 150cc
くるみ 35g
①ボールに材料を入れ、全体をざっと混ぜます。
②粉を混ぜたら、水を吸収させるためにしばらく放置します。
③全体がなめらかにまとまる程度にこねます。
④なめらかにまとまったら、刻んだくるみを混ぜ込みます。
⑤発泡スチロールに密封して1次発酵させます。
⑥2倍強になったら、取り出して分割します。
⑦分割して、ひとまわり大きくなるまでベンチタイムをとります。
⑧手粉をしながら、丸く成形します。
⑨ふっくらするまで2次発酵させます。
⑩軽く霧を吹き、180度のオーブンで12分ほど焼きます。
それほど大きな釜伸びではありませんでしたが、表面がつやつやに仕上がりました。皮は薄くてパリッとし、もっちりした生地の中にコロコロとくるみが。この甘さはホシノ酵母と蜂蜜のせいばかりではないような気がします。もっともっと深く関わっていきたい粉です。
100ccの水に大さじ1.5のホシノ元種を加えて作った水種。味や発酵の違いを比べるためにこのレシピで試してみました。
作り方は上とほとんど同じです。今回は粉に水分を全部吸収させてからこねる直前に塩を加えました。
1次発酵は3時間半。オーブン内を少し温めただけですから、これは短時間での発酵と言えるのでは?
ベンチタイムは1時間でした。実は30分くらいで完了していたようなのですが、オーブンがふさがっていたのでやむなくベンチタイムを長引かせていました。結果、ふた回りほど膨らんで少しだれ気味な感じに。
2次発酵は1時間半。これもオーブン内の温度調節などで頻繁に扉を開閉したのでこんなにかかってしまいました。室温がそれなりに高ければ下手な小細工などせずに済んだのですが。
焼成は200度予熱のあとすぐに180度に下げて12分。これはなかなかの釜伸びでした。
味は生種を使ったものよりも淡白な感じです。上に書いたような甘さもコクもありましたが、味の奥行きの点ではやや物足りないかもしれません。
こねている時からホシノ酵母独特の香りが薄く、出来上がったものにもあまり感じられないので、あっさりしたものがお好みの方にはぴったりだと思います。ホシノ酵母のパンを作り始めた頃は私もこの風味になかなかなじめなかったので、初心者の方にはいいのかも。種起こしもとても簡単です。
①よく洗って熱湯消毒した瓶を冷まして、100ccの水を入れます。
②ここに大さじ1.5の元種を加え、竹串でよくかき混ぜてから発泡スチロールの箱に入れます。
③瓶の蓋をきっちり閉めずに上にちょんと乗せるだけにし、発泡スチロールの箱は密封して温かい所に置いておきます。
④目安は40~42時間との事。24時間後では変化なしでしたが、36時間後には激しく発泡していて、その泡もキメの細かいものでした。
⑤発泡がおさまって味にピリッとしたものが感じられれば出来上がり。蓋をきっちりして冷蔵庫で保存します。3~4日くらいしか持たないそうなので、あらかじめ計画を立てて試してみてください。