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秋元康の率いる「アイドルグループ」のひとつとして誕生したNGT48。そのグループのメンバーが住むマンション内で昨年(2018年)12月8日にひとりのメンバーは襲われた。 この事件を調べるとしてグループを運営するAKSは第三者委員会を設置したのだが、その委員会の窓口はAKSであり、報告書を作成した後に開かれた記者会見に現れたのはAKSの松村匠取締役とNGT48劇場支配人の早川麻依子を含む3名。松村はテレビ業界の出身だという。第三者委員会のメンバーやAKSの最高権力者である秋元康は現れなかった。 厚生労働省の統計不正や神戸製鋼のデータ改竄などでも原因究明や再発防止のためだとして同じような委員会が設置されたが、「名ばかり」だと少なからぬ人が指摘している。実態を隠すため、形式を整えて幕引きというパターンだ。NGT48を巡る出来事は日本の現状を見せてくれているように思えるが、このパターンがNGT48のケースでは崩れかかっている。 安倍晋三政権にも食い込んでいる秋元康が広く知られるようになったのは1985年4月から87年8月まで続いたフジテレビの番組「夕やけニャンニャン」。この番組を企画したのが秋元。NGT48でメンバーが襲われた当時の劇場支配人、今村悦朗が秋元と知り合ったのはその当時だという。フジテレビの紹介によると、今村は1980年から約30年にわたってテレビのディレクターやプロデューサーを経験、2014年からSKE48の劇場支配人を務め、15年にNGT48の支配人となった。 「夕やけニャンニャン」で売り出され、人気になったのが女子高校生をメンバーとする「おニャン子クラブ」。1985年7月に発売されたこのグループが歌う「セーラー服を脱がさないで」が大ヒットする。秋元が作詞したのだが、内容は初めてのセックスを連想させるものだった。 「セーラー服を脱がさないで」からはじまり、「友達より早くエッチをしたいけど、キスから先に進めない」「胸のリボンほどかないでね。男の子はその時どうなるの?興味津々しちゃうのよ」、そして「デートに誘われてバージンじゃつまらない。パパやママは知らないの、明日の外泊。ちょっぴり怖いけどバージンじゃつまらない」というような歌詞が続く。 個人の行動をとやかく言う気はないが、秋元はテレビという強力な媒体を利用して高校生を煽っている。女子高校生に「つながる」ことを勧めている。これが秋元の原点だ。その延長線上に「AKB48グループ」や「坂道シリーズ」はある。 秋元がAKB48をスタートさせたのは2005年12月。グループ創設に関わったのは秋元を含む3人だが、そのひとりが広域暴力団と関係していると報道されている。国外でも有名な団体で、人身売買や幼児ポルノを手がけていたともされていた。そうした背景を持つ人物をマスコミが盛んに使い、政権が重用している。「同じ穴の狢」という表現が頭に浮かぶ。 そして2015年10月、AKB48グループのひとつとしてNGT48は新潟市で作られる。なぜ札幌市でも仙台市でもなく新潟市なのかと話題になるほど自然とは言いがたい決定だった。 そのNGT48のメンバーである山口真帆が自室へ入ろうとした時に顔をつかまれ、押し倒されそうになったのが昨年12月8日のこと。この事件を芸能プロダクションAKSはもみ消そうとする。 そうした会社側の対応に不審を抱いた山口がSHOWROOMで告発の動画を配信したのが今年1月8日。それが途中で途切れると、ツイッターで事件を明らかにした。 おそらく発端の事件はシステムの末端で活動しているゴロツキがしでかしたのだろうが、その事件のもみ消しに失敗した結果、システム全体へ疑惑の目は向けられつつある。水面下で噂されていた話が浮上してきたとも言える。 今回の事件について新潟県の花角英世知事は1月16日、事件によって「NGTの存在がより世に知られるようになったのは事実」と語り、批判された。秋元グループへの親近感が言わせたのだろう。 その時、花角は「正常な状態に戻ってほしい」とも口にしていたが、ここにきて「今のままでは事態が収束しているとは思えない。」と語り、NGT48との広告契約を保留する意向を表明した。もみ消しに失敗したAKSへ引導を渡したように聞こえる。 現在、アメリカをはじめとする西側の支配層も秋元と似たような状況に陥っている。新聞、放送、映画といった宣伝装置を支配し、情報をコントロールしてきたのだが、インターネットで秘密が漏れている。そうした秘密を「偽情報」だと宣伝する一方、インターネット上の検閲を強化しているが、思惑通りには進んでいないようだ。そうした意味でもNGT48の事件は日本、そしてアメリカを中心とする世界の縮図だと言えるだろう。
2019.03.31
ドナルド・トランプ米大統領は3月27日、ロシアがベネズエラから引き揚げなければ、あらゆる手段を使って追い出すとクレムリンを脅した。同じ日にマイク・ペンス副大統領は選挙で選ばれたニコラス・マドゥロ大統領を独裁者と呼び、出て行けと恫喝した。ジョン・ボルトン国家安全保障補佐官もロシアに対し、出て行けと叫んでいる。 脅して邪魔者を排除するという手法はリビア、シリア、ウクライナでも使っていた。いずれも仕掛けたのはバラク・オバマ政権で、2011年春に始めたリビアとシリア、そして14年2月にはウクライナで実行している。 このうちリビアではムアンマル・アル・カダフィ政権を倒し、カダフィ本人を惨殺。ウクライナではビクトル・ヤヌコビッチ大統領を追い出し、ネオ・ナチが支配する体制を作り上げている。 しかし、シリアでは失敗した。政府軍が強かったこと、バシャール・アル・アサド大統領夫妻がアメリカなどの脅しに屈せずに逃げ出さなかったこと、前のケースの反省からロシアがNATO/アメリカの直接的な軍事介入を阻止、2015年9月からはシリア政府の要請で軍事介入したことなどの結果である。 本ブログでは繰り返し書いてきたが、アメリカのリチャード・ニクソンはアメリカが何をしでかすかわからない国だと思わせることで世界を自分たちが望む方向へ導けると考え、イスラエルのモシェ・ダヤンはイスラエルを狂犬のように振る舞う国にすべきだと語った。「触らぬ神に祟りなし」と思わせるべきだということだが、これはネオコンの手口でもある。彼らは脅せば屈すると信じている。 確かにこれまでは恫喝に大半の国、あるいは人びとは屈したのだが、シリアは屈しなかった。イランも屈しない。勿論、ロシアや中国にも通じない。イラク国防省はアメリカ大統領の居座り発言に反発、同省の広報担当官を務めているタシーン・アル-カファジ少将は、他国を侵略するためにイラクの領土を使わせないと発言している。アメリカ軍の動きに対する不快感を表明したと言えるだろう。 ジョージア軍との戦闘、クリミアでの手際、そしてシリアでの戦闘でロシア軍はその強さを世界に示した。同程度の規模の部隊が通常兵器で衝突した場合、アメリカ軍はロシア軍に勝てないことが明確になってしまった。おそらく、朝鮮がロシア、中国、韓国で進めているプランに乗った理由もそこにある。 ロシアは3月23日、99名の兵員を乗せ、35トンの物資を積んだAn-124とIl-62の2機がカラカス空港へ到着した。トランプ、ペンス、ボルトンらの発言はこれを意識したものだが、ロシア政府は必要なだけ留まるとしている。 かつてコンドリーサ・ライス元国務長官はFOXニュースのインタビューの中で、控えめで穏やかに話すアメリカの言うことを聞く人はいないと語ったが、それは事実。アメリカを信頼ししたり、まして尊敬して従っている人は少ないだろう。大半の人は怖いから従っているだけだが、その怖さが消えかかっている。「張り子の虎」だと考える人が増えている。アメリカを中心とする支配システムが崩れるのは時間の問題のように見える。
2019.03.30
マーチン・ルーサー・キング牧師は1967年4月4日、ニューヨークにあるリバーサイド教会で「なぜ私はベトナムにおける戦争に反対するのか」と題する説教を行った。「ベトナムを憂慮する牧師と信徒」が主催する集まりでのものだ。 その中で牧師は主催者の執行委員会が発表した声明の冒頭部分を紹介している。「沈黙が背信である時が来ている」と書かれているのだが、この言葉は今の時代でも有効だ。有力メディアが大音量で宣伝している虚偽情報を指摘せず、沈黙することは人類、いや生態系に対する裏切り以外の何ものでもない。 3月26日、「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」に所属するウーマンラッシュアワーの村本大輔がAbemaTVの番組、『AbemaPrime』のMCを降りたという。 彼によると、「ちょっとでも僕が沖縄のことを書くと、いままでだったらスルーされていたことが『すごく許せない』ということで会社とかに電話があ」り、「社員さんなんかが『沖縄の発言、あれはやめたほうがいんじゃない』とか。毎回ですよね」という状態だったという。 所属事務所の社長である藤原寛社長から楽屋で「こないだのツイッターの件やけども、これはどうにかならんか、百田さんや高須さんのこと」と言われたともいう。 百田とは放送作家の百田尚樹で、朝日放送の「探偵!ナイトスクープ」でチーフライターを務めていた人物。安倍晋三を支えてきた日本会議の仲間でもある。沖縄に関しては村本と逆の立場から発言してきた。 ちなみに、このところ再び闇の部分が注目されているAKBグループを率い、安倍晋三と交流がある秋元康も放送作家からスタートしている。この秋元のプロデュースで昨年8月、村本も所属する吉本興業グループは「吉本坂46」を結成した。吉本興業が拠点にしている大阪はカジノ都市を目指している。カジノと秋元は最悪の組み合わせに思える。どうしてもひとつのことが頭に浮かぶ。 高須とは美容整形で成功した医者の高須克弥で、ナチスを肯定したりホロコーストを否認する発言を繰り返し、世界的な規模で報道されている人物。一種の「炎上商法」なのかもしれない。 百田や高須がどのような政治信条の持ち主かは知らないが、そうした発言が社会的な地位や収入にプラスだということは間違いない。そうした「成功」を望むなら、村本のような言動は慎む必要がある。村本以外にも政治を語る吉本興業系のタレントは少なくないが、百田や高須と同じスタンスからの発言なら問題はないようだ。 ところで、キング牧師は「公民権運動」という枠を乗り越えてベトナム戦争に反対すると表明した。ロン・ポール元下院議員によると、キング牧師の顧問たちは牧師に対してベトナム戦争に焦点を当てないよう懇願していたというが、そうした声を押し切っての発言だった。 そして1968年4月4日、リバーサイド教会での説教から1年後にテネシー州メンフィスのロレイン・モーテルでキング牧師は暗殺された。
2019.03.29
下院監視・政府改革委員会 ドナルド・トランプ米大統領を「ロシアゲート」で排除するという目論見の破綻は2月27日にアメリカ下院の監視・政府改革委員会におけるマイケル・コーエンの証言で決定的になった。本ブログでも書いたように、彼はトランプとロシアとのスキャンダルと言えるようなものは含まれていなかったのである。 このロシアゲートとは2016年のアメリカ大統領選挙にロシア政府が介入したとする話で、ロバート・マラーが特別検察官に任命されて捜査が進んでいた。 この「疑惑」に対する疑問は当初から指摘され、もしこれが事実ならすべての通信を傍受、記録しているNSAからその傍受記録を取り寄せるだけで決着が付く。つまり特別検察官を任命する必要はない。特別検察官が必要だったということは、でっち上げだろうと考える人は少なくなかった。 アメリカでは別件で起訴し、司法取引で偽証させるという手法が使われている。ロシアゲートでもそうするしかなかったはず。そのターゲットのひとりがコーエンだったのだが、そのコーエンが司法省/FBIの望む偽証をせず、ウィリアム・バー司法長官へ提出されたマラーの報告書は疑惑を裏づける証拠を見つけられなかったと書かざるをえなかったのだろう。サウジの核兵器開発話 コーエンが証言した監視・政府改革委員会はやはり2月に機微な核技術をサウジアラビアへ渡す動きがあるとする報告書を公表した。内部告発者の話だとされている。 それから間もない3月8日、イラクにおけるアメリカ軍の実態を明らかにした内部告発者のブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵が再び収監された。アメリカの司法システムはウィキリークスに対する弾圧を正当化する証言をマニングにさせようとしたのだが、それを拒否したからだ。 アメリカでは同じ戦闘集団でも状況に応じ、「自由の戦士」や「テロリスト」というようにタグを付け替える。「内部告発者」というタグの使い方も似たようなものだ。 ところで「機微な核技術」の問題だが、これはありえる。3年前の大統領選挙でトランプへ多額の寄付をしたカジノ経営者のシェルドン・アデルソンは2013年にイランを核兵器で攻撃すべきだと主張しているのだ。 アデルソンはアメリカのラスベガス(ネバダ州)、ベスレヘム(ペンシルベニア州)、マカオ(中国)、マリナ湾(シンガポール)でカジノを経営、日本でもカジノを経営しようと計画している。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と近い関係にある。アデルソンが来日した3カ月ごにネタニヤフも日本を訪れているが、その際、日本政府高官に対し、アデルソンへカジノのライセンスを速やかに出すよう求めたという。これはイスラエルのハーレツ紙が2015年2月5日付け紙面で伝えたのだが、この記事はすぐに削除された。日本の核兵器開発 トランプの周辺にはイランを核攻撃するべきだと考えている人物がいるということだが、アメリカ支配層というように考えても核兵器の拡散には積極的な勢力が存在することがわかる。 例えば、NHKが2010年10月に放送した「“核”を求めた日本」によると、1965年に訪米した佐藤栄作首相はリンドン・ジョンソン米大統領に対し、「個人的には中国が核兵器を持つならば、日本も核兵器を持つべきだと考える」と伝え、その後も核兵器の開発を進めた可能性が高い。 リチャード・ニクソン政権の時代、大統領補佐官だったヘンリー・キッシンジャーは彼のスタッフに対し、日本もイスラエルと同じように核武装するべきだと語っていたとも言われている。(Seymour M. Hersh, “The Samson Option,” Random House, 1991) また、ジャーナリストのジョセフ・トレントによると、東京電力の福島第1原発が過酷事故を起こした2011年当時、日本には約70トンの兵器級プルトニウムがあったという。核兵器開発がそこまで達していたというのだが、その背景にはアメリカ側の事情があったとトレントは説明している。 ロナルド・レーガン時代のアメリカでは増殖炉計画がスタート、1980年から87年にかけての期間にエネルギー省は160億ドルを投入したというが、87年に議会はこの計画への予算を打ち切られてしまう。 そこで目をつけられたのが日本の電力業界で、共同研究という形で研究資金の大部分を負担させ、その代償として核関連の技術を格安の値段で売り渡しすことにしたという。そして高性能プルトニウム分離装置がサバンナ・リバー・サイトからRETFへ移転されたのである。イスラエルの核兵器開発 アメリカの支配層から核兵器の開発を支援された国で忘れてならないのはイスラエル。1986年10月にサンデー・タイムズ紙が掲載したモルデカイ・バヌヌの内部告発によると、イスラエルが保有している核弾頭の数は150から200発。水素爆弾をすでに保有、中性子爆弾の製造も始めていたという。中性子爆弾は実戦で使う準備ができていたとしていた。 そのほかイツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めたアリ・ベンメナシェによると、1981年に時点でイスラエルがサイロの中に保有していた原爆の数は300発以上で、水爆の実験にも成功していた。(Seymour M. Hersh, "The Samson Option", Faber and Faber, 1991)またジミー・カーター元米大統領はイスラエルが保有する核兵器の数を150発だとしている。(BBC, May 26, 2008) イスラエルの核兵器開発は欧米の富豪、例えばアメリカのエイブ・フェインバーグやフランスのエドムンド・ド・ロスチャイルドたちの支援を受けていた。フェインバーグはダビッド・ベングリオンから信頼されていた人物で、ハリー・トルーマンやリンドン・ジョンソンのスポンサーとしても知られている。フランス政府も1949年から協力、1950年代の半ばに開発は本格化し、24メガワットの原子炉をフランスから手に入れた。 こうしたイスラエルの核兵器開発にジョン・F・ケネディ大統領が厳しい姿勢で臨んだことは有名だが、ほかにも批判的な人は少なくなかった。そこで核兵器の開発に必要な核物質を密輸している。そうした工作で重要な役割を果たした会社のひとつが1957年に設立されたNUMEC。 1960年頃になると、ウェスチングハウスやアメリカ海軍から同社へ持ち込まれた濃縮ウランのうち90キログラム以上が行方不明になっていることが発覚、「紛失核物質」の総量は178キログラムから270キログラムに達するとも言われている。 フェインバーグをスポンサーとするジョンソンはイスラエルの核兵器開発に甘く、NUMECの事件も闇に葬り去られたかに思えたが、1977年にカール・ダケット元CIA副長官が暴露してしまう。 イスラエルは重要な核物質の供給源を失ったのだが、西ドイツの化学会社をダミーに使うなどして1968年にはソシエテ・ジェネラル・ド・ベルジックから200トンの酸化ウラニウムを購入している。 こうした工作以上に重要なルートが南アフリカ。イスラエルはウラニウムを入手するかわりに核技術や兵器を提供していた。1976年にはイスラエルのテルアビブに南アフリカ大使館が開設され、南アフリカのジョン・フォルスター首相がイスラエルを訪問している。 しかし、両国の関係は1980年代後半から冷却、そこでイスラエルはペルーに目をつける。目的の物質はセンデロ・ルミノソ(輝く道)の支配地域にあったが、指導者のアビマエル・グスマン・レイノソはドイツ系ユダヤ人の父親とインディオのメイドとの間に生まれた人物で、交渉は順調に進み、取り引きは成立した。なお、グスマンは1992年に逮捕されている。 イスラエルにおける核兵器開発の中心、ネゲブ砂漠にある原子力研究センターで1990年代の初めに大規模な事故があったと噂されている。内部の様子は不明だが、外部からは炎が見えたというのだ。 この施設は1990年から94年頃まで閉鎖されたが、公的な説明はアメリカ政府からの圧力だったとされている。バヌヌの内部告発が影響したとも考えられるが、もし事故の影響だったなら、核兵器の生産が困難になっている可能性がある。そうなると、どこかで核弾頭に使うプルトニウムやウラニウムを製造しなけらばならないだろう。イランへの核攻撃 イスラエルがイランを核攻撃した場合、イスラム世界だけでなく世界中の批判がイスラエルへ向く。アメリカが実行する場合はロシアとの核戦争を覚悟する必要がある。サウジアラビアならイランと戦争になって両国が破壊されてもアメリカやイスラエルはダメージが少ない。破壊された後にエネルギー資源を支配することも可能だ。ということで、サウジアラビアを核武装させる可能性は小さくない。
2019.03.28
東京琉球館で4月13日の午後6時から「アメリカ大統領はどの程度の権力を持っているのか」というテーマで話します。予約制とのことですので、興味のある方は事前に下記まで連絡してください。東京琉球館住所:東京都豊島区駒込2-17-8電話:03-5974-1333http://dotouch.cocolog-nifty.com/ 2016年のアメリカ大統領選挙では共和党のドナルド・トランプが当選しました。選挙戦が始まる前の段階で次期大統領に内定したと言われていた候補者は民主党のヒラリー・クリントン。バラク・オバマ大統領と同じようにロシアとの関係を悪化させる姿勢を見せていたのに対し、トランプはロシアとの関係修復を訴えていました。 オバマ政権は2013年から14年にかけてウクライナでクーデターを実行するなどロシアに対する軍事的な圧力を強め、クリントンの側近であるマイク・モレル元CIA副長官は2016年8月にテレビの番組でロシア人やイラン人を殺すと発言しています。実際、ロシアの幹部外交官が相次いで変死、ウラジミル・プーチン露大統領の運転手が不可解な交通事故で死亡するということもありました。 ジョージ・H・W・ブッシュ政権で国防次官を務めたネオコンのポール・ウォルフォウィッツは1991年の段階でイラク、シリア、イランを殲滅すると発言、息子のジョージ・W・ブッシュが大統領に就任、ウォルフォウィッツが国防副長官になっていた2003年にはイラクを先制攻撃しています。 そして2011年春にアメリカを中心とする勢力はリビアとシリアを侵略しました。いずれもジハード傭兵を地上軍として投入、リビアではNATOの空爆で止めを刺しましたが、シリアでは政府軍が強かったことに加え、ロシアがNATOの軍事介入を阻止、2015年9月からはシリア政府の要請で軍事介入してネオコンの目論見を粉砕しました。 21世紀に入ってウラジミル・プーチン大統領がロシアの再独立にほぼ成功、軍事力も急速に回復させていました。ウォルフォウィッツたちが1992年2月に作成した世界制覇プラン(ウォルフォウィッツ・ドクトリン)を成功させるためにはロシアを再属国化する必要があるとアメリカの支配層は考えます。その意思を実現しようとしたのがオバマとクリントンでした。 それに対し、トランプはオバマ大統領とダーイッシュなどジハード傭兵との関係を熟知する元DIA局長を安全保障問題のアドバイザーに据え、ロシアとの関係修復を訴えます。その目論見を妨害するため、オバマ大統領は任期を言える寸前、2016年12月に外交官35名を含むロシア人96名を追放しました。 そうした流れの中、民主党陣営や有力メディアはロシア政府が大統領選挙に介入したと叫び始めます。いわゆるロシアゲートですが、2017年3月にはアダム・シッフ下院議員が議会でその話に関する声明を発表、それに応える形でロバート・マラーが同年5月、特別検察官に任命されました。 大統領選挙ではDNC(民主党全国委員会)幹部の電子メールをウィキリークスが公表、クリントン陣営に大きなダメージを与えました。党の幹部たちがバーニー・サンダースを負けさせようとしていることが判明、その支持者を怒らせたことが大きかったようです。 それに対し、DNCの幹部はロシア政府がハッキングして電子メールを手に入れたのだと主張、それを有力メディアが宣伝しましたが、それをウィキリークスへ渡したのはDNCのスタッフだったセス・リッチだった可能性が高いと言われています。 アメリカの電子情報機関NSAで最高の分析官のひとりと言われ、同機関の不正を内部告発したことでも知られているウィリアム・ビニーを含む専門家は技術的な分析からハッキングでなく内部でダウンロードしていると指摘しています。 ビニーによると、NSAはすべての通信を傍受、記録しているので、この疑惑が事実ならNSAから通信の傍受記録を取り寄せるだけで決着がつくとも語っています。マラーが特別検察官に任命されたこと自体、ロシアゲートがでっち上げである証拠だというも語っています。 結局、特別検察官はロシア政府が2016年の大統領選挙に介入したことを示す証拠を見つけられず、捜査を終結させました。クリントンが大統領になった場合よりペースは遅かったと考えられますが、その間にロシアとアメリカとの関係が悪化したことは確かです。 過去を振り返ってみると、ラテン・アメリカの利権をスペインから奪う戦争に消極的だったウイリアム・マッキンリー大統領は1901年9月に暗殺され、ウォール街と対立したニューディール派のフランクリン・ルーズベルト大統領に対しては1933年から34年にかけて巨大金融資本によるクーデターが計画され、ソ連との平和共存を訴え、イスラエルやウォール街と対立していたジョン・F・ケネディは1963年11月に暗殺され、デタントを打ち出したリチャード・ニクソンはスキャンダルで排除されました。 アメリカには大統領でも抗えない権力が存在するとも言われ、ディープ・ステート(深層国家)と呼ばれています。トランプを巡る動きから、その支配構造について考えてみたいと思います。
2019.03.28
かつて雪印食品の牛肉偽装を内部告発した西宮冷蔵の社長は事業の継続が困難な状況になったという。不正を告発するような会社とは取り引きできないと考える取引先が大多数ということであり、冷蔵倉庫を使っている業界全体がそうした不正を容認する体質を持っているということだ。 例えば、サッカーでゴールキーパー以外が手でボールを扱うことは禁止されているが、そのルールを無視してボールを手にもって走ったり投げたりしたならサッカーという競技は成り立たない。同じことはビジネスでも政治でも言える。 しかし、1980年代にアメリカでは支配階級に法律を遵守する義務はないと主張する法律家集団が登場した。1982年にエール大学、シカゴ大学、ハーバード大学の法学部に所属する学生や法律家によって創設されたフェデラリスト・ソサエティーだ。 この集団は富豪や巨大資本をスポンサーとして持ち、プライバシー権などを制限、拡大してきた市民権を元に戻して企業に対する政府の規制を緩和させるべきだと主張していた。言うまでもなく、こうした動きは新自由主義の導入、蔓延とリンクしている。 アメリカでは1970年代の中頃にCIAの秘密工作、NSAの存在と活動内容、巨大企業(多国籍企業)の不正などが問題になり、議会でも取り上げられた。メディアの中にも気骨ある記者が活動できる余地があり、支配システムの闇に光が差し込み始めたのである。こうした光を遮る役割を新自由主義も果たした。 情報公開の必要性が主張される一方、支配層は情報の統制を強化しようとする。1980年代から有力メディアの大株主は集中していき、今ではメディアの9割程度を6つのグループが支配している。 つまり、COMCAST(NBCなど)、FOXコーポレーション(FOXグループなど)、ウォルト・ディズニー(ABCなど)、VIACOM(MTVなど)、AT&T(CNN、TIME、ワーナー・ブラザーズなど)、CBSだが、その背後の巨大資本が連携していることも忘れてはならない。そうした巨大資本の広報部門と化しているのが実態だ。 日本でも以前から新聞と放送局の関係は強いが、最近では電通など巨大広告会社のメディア支配が指摘されている。メディアへのカネの流れを左右できる立場にあることが大きいが、その歴史も注目されている。 電通は1901年7月に光永星郎が創設した日本広告と電報通信社から始まる。1906年に電報通信社は日本電報通信(電通)に改組改名、07年に電通と日本広告が合併、35年に電通は新聞聯合社と合併して同盟通信社になり、36年に電通は通信部門を同盟通信社に委譲、同盟の広告部門を吸収して広告代理業を専門とする電通が発足した。 第2次世界大戦で日本が降伏した直後の1945年10月に同盟は共同通信と時事通信に分離、一方日本電報通信は1955年に正式社名を電通に改称している。 こうした歴史もあり、共同通信と時事通信は電通の大株主。そうした資本関係だけでなく、情報のやりとりをする仕組みもあるという。電通は「築地CIA」と呼ばれたこともあるが、そう呼ばれても仕方のない背景はあるのだ。 2020年に東京で開催が予定されているオリンピック・パラリンピックの招致に絡む贈賄容疑に絡み、JOC(日本オリンピック委員会)の竹田恒和会長が3月19日に退任の意向を表明したが、オリンピックは電通が握る利権のひとつだとされている。 この贈賄容疑についてイギリスのガーディアン紙は2016年5月11日付けの紙面で取り上げている。東京で2020年にオリンピックを開催することが決まったのは2013年9月のIOC(国際オリンピック委員会)の総会。このときのプレゼンテーションで安倍晋三首相は「福島の状況はアンダーコントロール」であり、「汚染水による影響は0.3平方キロメートルの範囲内に完全にブロックされている」と嘘をついたわけだ。 その前後、同年7月と10月に東京五輪招致委員会からIAAF(国際陸上競技連盟)の会長だったラミン・ディアクの息子が関連するブラック・タイディングスの秘密口座へ130万ユーロが振り込まれたとフランスの警察当局からの情報としてガーディアン紙は伝えたのだ。その息子、パパ・マサタ・ディアクは当時、IAAFにコンサルタントとして雇われていた。 その口座を管理していたとされているイアン・タン・トン・ハンはパパ・マサタ・ディアクと親しく、IAAFの幹部と定期的に接触しているとされている。アスリート・マネージメント・アンド・サービスのコンサルタントとして働いているが、この会社は電通スポーツの子会社だという。電通はブラック・タイディングスへの支払いを知らず、タンがコンサルタントとして雇われた事実はないとしているようだ。 東京五輪招致委員会の理事長だった竹田恒和はタンと契約する際、「コンサルタントから申し入れがあり、電通にも確認して必要と判断したのを私が決済した」としている。竹田との関係から電通元専務の高橋治之の名前も浮上した。(エコノミスト、2016年8月23日) アメリカの支配層はスポーツ界を完全支配するために旧体制を潰そうとしていると推測する人もいるが、その旧体制が腐敗していることは否定できない。 2020年のオリンピックに理事として名を連ねている秋元康は「AKB48グループ」や「坂道シリーズ」のプロデューサーと知られているが、2005年にこのシステムを築き始める頃から電通が関係しているとされている。 2011年から13年にかけて秋元システムの闇を指摘する記事を週刊誌が載せていた。週刊新潮は2013年5月30日号で秋元康の盟友と山口組との関係を写真付きで指摘している。その後、AKBグループはパチンコ会社をスポンサーにしたようだ。そのグループにNGT48も所属している。
2019.03.27
ベネズエラの暫定大統領を自称するフアン・グアイドは何かが2月23日に起こると事前に予告していた。その日にはバージン・グループを率いるイギリスの富豪、リチャード・ブランソンが主催するコンサートを開かれている。 コンサートに20万人以上が集まったとワシントン・ポスト紙は伝えていたが、その様子を撮影した写真から実際は1万5000人くらいと推測されている。20万人程度の観客を集めたかったのだろうが、ウクライナのクーデターとは違い、人を集めることに失敗した。 コンサートの開催日に「人道的援助物資」を積んだUSAID、つまりCIAのトラックがコロンビア領内に出現し、現在は使われていない橋を渡ってベネズエラ領へ侵入しようと試みた。 西側の有力メディアはアメリカの経済封鎖、つまり兵糧攻めでベネズエラ国内は物資が欠乏、国民の不満が高まっているというストーリーを広めていたようだが、現地を取材したジャーナリスト、マックス・ブルメンソールはそうした事実を否定する映像をインターネットで伝えている。ロシアや中国などからの援助があるため、物資不足が深刻という状態ではない。 また、ピンク・フロイドのメンバーだったロジャー・ウォータースはカラカスにいる彼の友人から伝えられた現地の様子を書いているが、それによると現地では内戦も混乱も殺人も独裁も反対派の大量拘束も言論封殺もないという。 USAID/CIAが手配したトラックがベネズエラ領内へ入ることに成功した場合、一緒にコロンビアの特殊部隊員が潜入してウクライナにおけるネオ・ナチと同じような役割を果たすのではないかと推測するひともいたが、そうした展開にはならなかった。 そこでトラックの周辺にいたグアイド派の一団は石と火炎瓶を投げ始め、その直後にトラックが火に包まれた。その原因はベネズエラ側にあると西側の有力メディアは主張したが、火炎瓶がトラックへ投げ込まれ、ガソリンがまかれる様子を撮影した映像がインターネット上で流れている。 そこで不法出国したグアイドが3月4日にベネズエラへ戻った。ベネズエラの法律が適用されるとグアイドは懲役30年を言い渡される可能性もあったというが、実際はマドゥロ政権に無視され、無事入国。入国を拒否されるか逮捕されるといった話が飛び交っていたが、そうはならなかった。そうしたことが実際に起こったならば、それを利用してマドゥロを排除したかったのだろう。 グアイドの帰国から3日後、ベネズエラでは大規模な停電があった。アメリカのマイク・ポンペオ国務長官はベネズエラ政府の無能さが原因だと主張し、ニコラス・マドゥロ大統領の排除を訴えたのだが、アメリカ側の破壊工作と見る人が少なくない。 リビアのムアンマル・アル・カダフィが元気な時と惨殺される直前の写真をツイッターに掲載、マドゥロを脅したマルコ・ルビオ米上院議員は今回、停電の直後に空港の様子を書き込んでいる。 停電になっただけでなくバックアップの発電機も動かなかったというのだが、その書き込みがあった時点ではベネズエラ政府を含め、そのバックアップの発電機については知られていなかったとされている。ところがルビオは予備の発電機が動かないことを知っていた可能性が高い。 ベネズエラの電力設備が脆弱だと議会選挙のあった2010年9月に分析していた組織がある。CANVASだ。この組織は2003年にオトポール(抵抗)!の幹部らによってセルビアで設立された。「非暴力」を掲げているが、目的はアメリカ支配層のカネ儲けに邪魔な体制を転覆させることにある。 オトポール(抵抗)!はスロボダン・ミロシェビッチの体制を倒すため、1998年に作られた。これらにはNED(ナショナル民主主義基金)、IRI(国際共和研究所)、USAID(米国国際開発局)などから、つまりCIAから資金が提供されている。 大規模な停電で社会不安が高まったり暴動が発生しても不思議ではなかったのだが、そうしたことは起こらなかった。アメリカ支配層に残された手段は軍事侵攻だと考える人がいる。ロシア政府もそうした可能性があると予想しているのだろう。 エリオット・エイブラムズがセルゲイ・リャブコフ露外務副大臣と会談した2日後、ロシア軍の部隊がベネズエラへ到着する2日前にドナルド・トランプ大統領はゴラン高原におけるイスラエルの主権を認める時期だと表明したが、軍事的な緊張の度合いはベネズエラの方が上ではないだろうか。(了)
2019.03.26
ロシア軍のバシリー・トンコシュクロフ上級大将率いる99名の兵員を乗せたAn-124輸送機が3月23日にベネズエラへ到着、35トンの物資を運んで来たと伝えられている。防衛問題を協議するためだとされているが、それに合わせる形でニコラス・マドゥロ政権はロシアの防空システムS-300の運用を開始したという。 その直前、3月19日にはドナルド・トランプ政権でベネズエラの政権転覆を指揮しているエリオット・エイブラムズがイタリアの首都ローマでロシアのセルゲイ・リャブコフ外務副大臣と2時間にわたって会談し、ベネズエラ情勢を巡って激しいやりとりがあったようだ。アメリカ側は何らかの譲歩を期待したのかもしれないが、ロシア側の姿勢は各国の主権を尊重しろということで一環している。 ロシア安全保障会議のニコライ・パトルシェフによると、アメリカ政府は特殊部隊をコロンビアやプエルト・リコへ派遣して軍事侵攻の準備をしているようだが、ベネズエラ軍がS-300を起動させたということは、軍事侵攻を許さないというロシアの意思表示だと見られている。 コロンビアと同じようにベネズエラと接しているブラジルがアメリカの軍事作戦に協力する可能性はあるが、そのブラジルで今年(2019年)1月から大統領を務めているジャイ・ボウソナルが3月19日にホワイトハウスでトランプ大統領と会談している。ローマでの会談と無関係ということはないだろう。 ブラジルでは3月21日にミシェル・テメル前大統領が汚職容疑で逮捕された。この人物が大統領を務めたのは2016年8月から18年12月にかけてだが、副大統領の時代には捜査対象になっていた。それにもかかわらずアメリカのバラク・オバマ政権はジルマ・ルセフを排除してテメルを大統領に据えたのだ。 理由は簡単。テメルはアメリカ支配層へ機密情報を流していた人物だったのである。その事実は2006年1月11日にサンパウロ駐在のクリストファー・J・マクマレン米総領事が書いた電子メールの中に出てくる。 インターネット・マガジンのインターセプトが公表した映像によると、新自由主義に基づく政策、つまり私有化や規制緩和によって富をアメリカやブラジルの富裕層や巨大資本へ集中させようという計画を進めなかったルセフをアメリカ支配層は懲罰するとテメルは語っていた。失脚させられたルセフはアメリカの電子情報機関NSAに監視されていたことが知られている。 この報道によってテメルとアメリカ支配層との関係は否定できなくなってしまった。そして選ばれたのが下院議員だったボウソナル。軍事政権時代に拷問を行っていたカルロス・アルベルト・ブリリャンテ・ウストラを公然と褒め称えていたことで知られている。反民主主義的な人物だが、民主主義体制を破壊してきたアメリカ支配層の選択としては順当なところなのだろう。 エイブラムズはマドゥロ大統領を排除する切っ掛けを作ろうと画策してきた。例えば、自分たちが大統領に任命したフアン・グアイドを2月下旬に不法出国させた。2月22日にはコロンビアへ入り、マイク・ペンス米副大統領と会談してからラテン・アメリカ諸国を歴訪する。 グアイドは2007年にジョージ・ワシントン大学へ留学した新自由主義の信奉者。その2年前、2005年にアメリカ支配層は配下のベネズエラ人学生5名をセルビアへ送り込んでいる。その頃にアメリカ支配層はベネズエラを再属国化するために「2007年世代」を創設、2009年には挑発的な反政府運動を行った。(つづく)
2019.03.26
アメリカのドナルド・トランプ米大統領がシリア領のゴラン高原におけるイスラエルの主権を認める時期だと表明した頃、マイク・ポンペオ国務長官はイスラエルを訪問していた。そこで同長官はクリスチャン放送網のインタビューを受け、その中でトランプ大統領が現れたのはイランの脅威からユダヤの民を救うためなのかと聞かれる。その答えは「キリスト教徒として、それは確かにありえると思う」だったという。 ポンペオはマイク・ペンス副大統領と同じようにキリスト教系カルト(ファンダメンタリスト)で、トランプ大統領がアメリカ軍にシリアから撤退するように命じたときは激しく反発していた。その命令にはペンスとポンペオだけでなく、アメリカの有力メディアや議員たちも同じように反発していた。 バラク・オバマ政権の政策は東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)の支配国を作ることになる可能性があると2012年8月にDIAは警告していたが、その当時のDIA長官、マイケル・フリンをトランプは国家安全保障補佐官に任命した。そのフリンを有力メディアや議会は激しく攻撃、2017年2月に解任される。その直後の3月、トランプ大統領を排除してペンス副大統領を後釜に据えるという計画があるとする情報が流れた。 1991年当時、国防次官だったネオコン(イスラエル至上主義の一派)のポール・ウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていた。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在の作戦連合軍)最高司令官の話。(ココやココ) ネオコンは1980年代にも似たことをホワイトハウスで主張していた。イラクのサダム・フセイン政権を倒して親イスラエル体制を樹立、シリアとイランを分断して両国を殲滅すると言っていたのだが、ジョージ・H・W・ブッシュ副大統領(当時)などイラクをペルシャ湾岸産油国の防波堤と考えるグループと対立、スキャンダルが発覚する一因になった。 キリスト教系カルトがイスラエルへ接近したのは1970年代のこと。ネオコンがアメリカで政治の表舞台へ出てくる時期、つまりジェラルド・フォード政権と重なる。ベトナム戦争でアメリカ軍が苦しんでいた1967年に引き起こされた第3次中東戦争でイスラエル軍が圧勝、カルトの信者たちはそこに新たな「神の軍隊」を見たようだ。 キリスト教の「新約聖書」は何人かが書いた文書を集めたもので主義主張に違いがあるわけだが、その中で最も強い影響力を持っているのが「ヨハネの黙示録」。そこで日本語版を読んだことがあるのだが、おどろおどろしい妄想にしか思えなかった。 新約聖書を研究している田川健三によると、黙示録にはふたりの人物、つまり原著者と編集者によって書かれた文章が混在している。ギリシャ語の能力が全く違い、思想も正反対であることから容易に区別できるという。原著者は初歩的な文法についてしっかりしているのに対し、編集者の語学力は低く、知っている単語や表現をまるで無秩序に並べ立てただけだというのだ。(田川健三訳著『新約聖書 訳と註 第七巻』作品社、2017年) この説明を読み、黙示録の支離滅裂さの理由がわかった。本当の問題は語学力ではなく、その思想の違いにあるのだ。元の文章を書いた人物はすべての民族、すべての言語の者たちを同じように扱い、ユダヤ人の存在そのものが意識されていないのだが、元の文章に加筆した人物は極端に偏狭なユダヤ主義者で、異邦人は神によって殺し尽くされると考えている。 後のキリスト教は異邦人を異教徒に読み替え、侵略、破壊、殺戮、略奪を繰り返してきた。十字軍の中東侵略やアメリカ大陸での先住民殲滅と略奪は勿論、ピューリタンはカトリックの信者が多いアイルランドなどへ攻め込み、アジアやアフリカも植民地化して殺戮と破壊の限りを尽くした。 そうした流れの中、中国(清)を略奪するために始めたのがアヘン戦争であり、イギリス(シティ)は兵力の不足を補うために日本人を傭兵として使った。その戦略はアメリカ(ウォール街)が引き継いでいる。 ポンペオ長官のトランプ大統領に関する話が事実だったとしても、驚くほどのことではない。アメリカとはそういう国なのである。
2019.03.25
ロシア政府が2016年のアメリカ大統領選挙に介入したとする「ロシアゲート」の捜査をロバート・マラー特別検察官は終結させ、報告書をウィリアム・バーしそう長官へ提出したという。この疑惑が作り話だということをマラーも認めざるをえなかったようだ。 2009年1月から17年1月まで大統領を務めたバラク・オバマはジョージ・W・ブッシュ政権が始めた中東侵略を継続、その障害になっていたロシアに対する軍事的な恫喝を強め、核戦争の危険性が高まっていた。このオバマ大統領の核兵器の増強にも熱心で、2014年には核兵器を改良するため、30年間に1兆ドル以上を投入すると報道されている。 2014年とは、アメリカがウクライナでネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)を使ったクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除した年。言うまでもなくヤヌコビッチは合法的に選ばれたのであり、クーデターは憲法に違反している。そのクーデターの際、ネオ・ナチが広場で無差別狙撃していたことは本ブログでも繰り返し書いてきた。 こうしたオバマ政権のロシアに対する軍事的な行動を西側の政府や有力メディアは煽り、ヒラリー・クリントンはロシアとの核戦争を招きかねない主張をしていたのに対し、ドナルド・トランプはロシアとの関係修復を訴えていた。民主党の候補者選びでバーニー・サンダースが人気になった一因はクリントンたちの好戦的な姿勢への反発があったからだろう。 クリントン陣営の狂気は彼女の側近であるマイク・モレル元CIA副長官(2011年7月1日から9月6日、12年11月9日から13年3月8日の期間は長官代理)の発言にも現れている。この人物は2016年8月、チャーリー・ローズのインタビューでロシア人やイラン人に代償を払わせるべきだと語り、司会者からロシア人とイラン人を殺すという意味かと問われると、その通りだと答えたのだ。 元CIA副長官がロシア人を殺すと公言したわけだが、実際にロシアの幹部外交官が相次いで死んでいく。例えば、2016年11月にニューヨークのロシア領事館で副領事の死体が発見され、12月にはトルコのアンカラでロシア大使が射殺され、ロシア外務省ラテン・アメリカ局の幹部外交官が射殺され、KGB/FSBの元幹部の死体が自動車の中で発見された。2017年1月にはギリシャのアパートでロシア領事が死亡、インドでロシア大使が心臓発作で死亡、そして2月にはロシアの国連大使だったビタリー・チュルキンが心臓発作で急死。モレル発言の前、2015年11月にはアメリカ政府が目の敵にしてきたRTを創設した人物がワシントンDCのホテルで死亡している。 2016年12月、人気を終える直前のオバマ大統領は外交官35名を含むロシア人96名を追放、ロシアとの関係をさらに悪化させ、軍事的な緊張を高めようとしている。 こうしたオバマ政権の動きに対し、トランプに安全保障問題のアドバイスをしていたマイケル・フリン元DIA局長はロシアのセルゲイ・キスリャクと会い、オバマ政権がロシアに対して行っている「制裁」を話題にした。挑発に乗らず、自制して欲しいと伝えたようだが、アメリカの有力メディアはこれを問題にした。フリンはトランプ政権で国家安全保障補佐官に就任するが、2017年2月に解任された。(今回、DIA局長時代の話は割愛する。) そしてロシアゲートなる話でトランプが攻撃され始める。その話の開幕はアダム・シッフ下院議員が2017年3月に下院情報委員会で宣言した。2016年の大統領選挙にロシアが介入したとする声明を出したのだが、証拠は何も示していない。そして、同年5月にマラーが特別検察官に任命されたのである。 シッフの主張は「元」MI6(イギリスの対外情報機関)オフィサーのクリストファー・スティールが作成した報告書だが、根拠薄弱だということはスティール自身も認めている。 スティールに調査を依頼したのはフュージョンなる会社で、そのフュージョンを雇ったマーク・エリアス弁護士はヒラリー・クリントン陣営や民主党全国委員会の法律顧問を務めていた。 フュージョンを創設したひとりであるグレン・シンプソンによると、同社は2016年秋にネリー・オーなる人物にドナルド・トランプの調査と分析を依頼している。その夫であるブルース・オーは司法省の幹部で、このオーとシンプソンは2016年11月に会っている。その直後にブルースは司法省のポストを失い、フュージョンはスティールに調査を依頼することになる。 アメリカの電子情報機関NSAの不正を内部告発したことでも知られているウィリアム・ビニーも指摘しているように、ロシアゲートが事実ならすべての通信を傍受、記録しているNSAからその傍受記録を取り寄せるだけで決着が付く。特別検察官を任命する必要はない。 ビニーは1970年から2001年にかけてNSAに所属、技術部門の幹部として通信傍受システムの開発を主導、NSA史上最高の数学者にひとりと言われている人物。退職後、NSAが使っている憲法に違反した監視プログラムを告発、2007年にはFBIから家宅捜索を受けた。この人物が刑務所へ入らなかったのは重要文書を持ち出さなかったからだと言われている。 特別検察官を任命した大きな理由はトランプの周辺にいる人物を逮捕、司法取引で偽証させることにあったと推測する人もいる。ところがその工作に失敗、今に至るわけだ。 オバマやクリントンを担いでいた勢力がロシアとの関係悪化を目論んでいるのは、彼らの世界制覇戦略と関係している。 ソ連が1991年12月に消滅した段階でネオコンをはじめとするアメリカの支配層は自国が唯一の超大国になり、他国と協調する必要はなくなったと考えた。そして1992年2月に国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランを作成した。 当時のアメリカ大統領はジョージ・H・W・ブッシュ、国防長官がディック・チェイニー、国防次官がポール・ウォルフォウィッツ。草案作成の中心がウォルフォウィッツだったことからウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。 ビル・クリントン政権の第2期目から、つまりマデリーン・オルブライトが国務長官に就任してからこのドクトリンに基づいてアメリカ政府は動き始め、ジョージ・W・ブッシュが大統領に就任した年の9月11日にその動きは本格化した。 ところが、そのときにロシアではボリス・エリツィンの時代が終わり、ウラジミル・プーチンがロシアを再独立させつつあった。ウォルフォウィッツ・ドクトリンの前提が崩れ始めていたということだが、ネオコンは日程表を変更しようとしない。つまりロシアを再属国化しようとする。 当初、アメリカの支配層はロシアを簡単に潰せると考えていた可能性が高い。エリツィンが経済政策の中心に据えていたアナトリー・チュバイス元第1副首相などが健在で、経済部門を支配し続けていただけでなく、軍事力は弱体化していると考えていたからだ。 例えば、アメリカ支配層の機関誌的な存在であるフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文によると、アメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いとしていた。つまりアメリカはロシアと中国との核戦争で一方的に勝てるとこの筆者は考えていた。おそらくアメリカ支配層の相当部分もそう考えていたのだろう。アメリカは2002年にABMから離脱している。 しかし、イスラエルやアメリカを後ろ盾とするジョージア軍が2008年8月に南オセチアを奇襲攻撃した際、ロシア軍の反撃で侵略軍は粉砕されてしまった。つまり、アメリカやイスラエルの軍隊はロシア軍と同じような規模で衝突すると負けるということだ。シリアでの戦争でロシア製兵器の性能は高いことが確認されている。 ロシアとの関係を悪化させ、軍事的な緊張を高めようとしていたヒラリー・クリントンが次期大統領に内定したと言われるようになったのは、2015年6月にオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合へジム・メッシナという彼女の旧友が出席していたからだ。 ところが、2016年2月10日にヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問してウラジミル・プーチン大統領と会談、22日にシリアで停戦の合意が成立、風向きが変わったと言われ始めた。 キッシンジャーは破壊工作機関のOPCに所属したことがあり、ロックフェラー色の濃いCFR(外交問題評議会)と深く結びついている人物。ビルダーバーグ・グループでも中心的な役割をはたしてきたひとりだ。キッシンジャーの動きの背景にはロシアとの戦争で負けるという分析、ネオコンが2014年にウクライナで実行したクーデターでロシアと中国が戦略的な同盟関係に入ってしまったという現実があるのだろう。 アメリカという視点から見るとロシアとの関係修復へ動くべきなのだが、ネオコンは「イスラエル・ファースト」、より正確に言うならば、そのイスラエルを操っている人びとに従っている。
2019.03.24
イスラエルでは4月9日に選挙が予定されている。現在の第1党は120議席のうち30議席を占めるリクード。この党を率いているのがベンヤミン・ネタニヤフ首相だが、同国の司法当局はネタニヤフを汚職容疑で起訴する意向だと伝えられている。選挙を前にしてネタニヤフは逆風にさらされている。そうした中、ドナルド・トランプ米大統領はイスラエルのゴラン高原における主権を認める時期だと表明したわけだ。 アメリカ議会でもゴラン高原におけるイスラエルの主権を認めるべきだとする動きがある。例えば、昨年12月にはふたりの上院議員、つまりテッド・クルーズとトム・コットンがイスラエルのゴラン高原における主権を認めることを求める決議案を提出している。 ところで、2016年の大統領選挙でトランプ陣営に対する最大のスポンサーはカジノ経営者でネタニヤフと親しいシェルドン・アデルソンだった。ラスベガス・サンズなどを経営している人物で、ラスベガスのほか、ペンシルベニア、東南アジアのマカオとシンガボールにカジノを持っている。2013年11月には自民党の細田博之に対して東京の台場エリアで複合リゾート施設を作るという構想の模型を披露しながらスライドを使って説明したという。細田は2010年に発足した国際観光産業振興議員連盟(IR議連)、いわゆるカジノ議連の会長だ。 ところで、ゴラン高原は1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領したシリア領。この戦争は同年の3月から4月にかけてイスラエルがゴラン高原のシリア領にトラクターを入れて土を掘り起こし始めるなどしたところから始まる。 イスラエルはシリアに対して軍事的な挑発を行ったわけだが、イスラエルの思惑通りに軍事的な緊張は高まり、イスラエルがシリアを攻撃すると信じていたエジプトのガマル・ナセル大統領は5月15日に緊急事態を宣言して2個師団をシナイ半島へ入れてイスラエルとの国境沿いで防衛態勢をとらせた。21日には10万の予備軍に動員令を出し、22日にアカバ湾の封鎖を宣言している。 イスラエルはこの封鎖を「イスラエルに対する侵略行為」と主張し、モサドのメイール・アミート長官がアメリカへ乗り込む。帰国したアミート長官は6月3日に開かれた秘密会合でリンドン・ジョンソン米大統領が開戦を承諾、イスラエルの撤兵を求めることもないと説明している。 そして6月5日にイスラエル軍はエジプトに対して空爆を開始、第3次中東戦争が勃発するのだが、この時にアメリカ空軍は4機の偵察機RF4Cをドイツからスペインのモロンへ移動させ、さらにイスラエルのネゲブにある基地でイスラエル軍の航空機のように塗装を替えている。そのRF4Cはエジプトの地上軍がどのように動いているかを偵察、撮影してイスラエルへ渡していた。 この戦争でアメリカ軍は情報収集船リバティをパレスチナ沖へ派遣しているのだが、その船をイスラエル軍はアメリカの艦船だということを知った上で攻撃している。その攻撃で乗組員9名が死亡、25名が行方不明になり、171名が負傷した。 この攻撃を事前にジョンソン政権が承認していた疑いもある。ジョンソン政権で秘密工作を統括していた「303委員会」で1967年4月にフロントレット615という計画が説明されている。リバティを潜水艦と一緒に地中海の東岸、イスラエル沖へ派遣するとされているのだが、そのリバティを沈没させ、責任をエジプト、あるいはソ連の押しつけて戦争を始めようとしたと疑いがあるのだ。サイアナイド作戦と呼ばれている。 リバティは攻撃で多くの死傷者を出したが、沈没は免れ、生存者もいた。そのためにイスラエルが攻撃したことを隠せなくなり、アメリカ政府とイスラエル政府は「誤爆」を主張する。この出来事を隠蔽する工作の責任者はジョン・マケイン・ジュニア(ジョン・マケイン上院議員の父親)だった。アメリカやイスラエルの交信を記録したNSAのデータは廃棄されている。 戦争によるイスラエル軍の占領は無効だとする国連安保理決議242が1967年11月に可決されているが、その後もイスラエルは不法占領を続けた。そのひとつがゴラン高原だ。 イスラエルがゴラン高原を占領する大きな理由は3つある。ひとつは戦略的な重要性。シリアを含む周辺を監視、攻撃することが容易になる。最近でもイスラエル軍機はゴラン高原を盾のように使ってシリアを攻撃した。 第2は水源。言うまでもなく、人間は水なしに生きていくことができない。飲料水というだけでなく、農業にも水は絶対に必要。日本で水道の私有化を進めようとしている理由もここにある。私的な権力が日本を支配しようとしているのだ。 第3はエネルギー資源。イスラエル政府はジェニー・イスラエル・オイル・アンド・ガスなる会社に対し、ゴラン高原の南部396.5平方キロメートルの地域で油田開発することを許可したのだが、その親会社はジェニー・エナジー。その戦略顧問会議のメンバーにはリチャード・チェイニー元米副大統領、メディア界の大物であるルパート・マードック、ジェームズ・ウールジー元CIA長官、ラリー・サマーズ元財務長官、そしてジェイコブ・ロスチャイルドが含まれている。 国連安保理決議242はあるものの、「国際社会」はイスラエルの不法占拠に対して有効な手段を講じていない。日本のマスコミが言う「国際社会」はアメリカを指すので当然かもしれないが、国連も「制裁」していない。民間でイスラエルに対してBDS(ボイコット、資本の引き揚げ、制裁)運動が広がると、アメリカではそうした運動を禁止しようとする動きが議会で起こる。 中東でもサウジアラビアをはじめ、イスラエルと友好的な関係を結んでいる国は少なくないが、それはエリート層の話。庶民は違う。ゴラン高原の主権問題はイスラエルとシリアの軍事的な緊張にとどまらず、中東全域を不安定化させる可能性があるのだが、今、中東で劣勢のアメリカはそれを望んでいる可能性がある。
2019.03.23

芸能プロダクションAKSは3月21日、配下の「アイドルグループ」NGT48を巡る事件についての調査を行っていた第三者委員会による調査報告書を公表、22日には記者会見を開いた。 この委員会に対する信頼度、報告書の発表手順などに対する疑問を表明する人は少なくなかったものの、当初はNGT48の運営側が事件そのものをもみ消そうとしていたことを考えると、前進なのだろう。記者会見で事件の内容がきちんと説明されているとは思えないが、AKSの抱える問題を明らかにはした。 山口を含むメンバーが住んでいたマンションはオートロックで簡単には入れないことがわかっていたが、報告書によると、これはマンスリーマンションで、「本事件の際、被疑者らが出てきた山口氏の部屋の向かいの部屋もマンスリーマンションとして募集がなされている」という。募集の時期がメンバーの退去後なのか事件当時なのかは確認できていない。 鶴間正二郎が「日刊住まい」に書いた記事よると、「人気アイドルグループが寮にするようなセキュリティーと住環境が整った物件であれば誰もが借りたいと思うもので、そのようなマンションで空き情報が出れば猛烈な競争が始まります。」 報告書によると、被疑者である「甲は従前から当該マンションの別の部屋を賃借し、当該マンションに自由に出入りしていた。」「山口氏の部屋の向かいの部屋」から出てきたのはその甲であり、甲がその部屋を借りていたとされている。 甲が出てきた「部屋はもともと事件への関与が疑われているNGT48メンバーの住居だったが、1年半前に退去して現在は加害者が借りている」と某週刊誌は報じた。鶴間が指摘しているように、「人気アイドルグループのメンバーが多数生活する場所に部外者が入り込めば安全やプライバシーの点で問題であることは明らかですが、それにもかかわらず運営は部屋を解約したことになります。」 しかも、法人契約だったなら「契約上の借主は運営会社であるAKSとなるため、メンバーが退去したからといって部屋を解約する必要は必ずしもありません。」(鶴間) メンバーたちの住むフロアーの部屋が空いたとして、「部屋の退去情報というのは事前に予測することはできず、また一旦解約予告が出されれば情報はすぐに公開されて早い者勝ちの嵐にさらされます。特定のマンション内の特定の部屋を押さえるということはそれだけ難しいものです。メンバーが住む階数も知っておかなければならず、何らかの形で内部情報をかなり以前から入手していない限りありえません。」(鶴間) 報告書では「被疑者らが山口氏の部屋を知るに至った経緯」について、「甲は従前から当該マンションの別の部屋を賃借し、当該マンションに自由に出入りしていたのであるから、山口氏の帰宅を待って後をつけて入る部屋を確認したり、郵便受けの中を覗いて結う文物の宛名を確認したり、山口氏が郵便受けから郵便物を取り出すところを見たりするなど、メンバーの関与がなくても、被疑者らは様々な方法で山口氏の部屋を特定することが可能であったといえる。」としているのだが、甲は山口の部屋の前の部屋を借りているとされている。入居前から山口の部屋を特定していたと考えるのが自然だ。「偶然」だった可能性はかなり小さい。 報告書が認定した流れによると、事件の当日、送迎用のマイクロバスをひとつ目の降車ポイントで降りたメンバー「Aは、降車後に(被疑者)丙から、山口氏が乗っていたかどうかを聞かれて乗っていたことを回答」したという。 つまり、丙はAが降りる降車ポイントを知っていた可能性が高い。さらに山口と親しく、山口と同じ階にに住んでいる「Eがバスに乗っていたかどうかを聞かれて乗っていないことを(Aは)回答した。」 その話を聞いた丙は山口がひとりで帰宅すると襲撃者の甲と乙へ伝える。Eがいるとやりにくいことをするつもりだったと推測できる。そして山口が自分の部屋へ入ろうとしたところ、「被疑者らが顔面をつかむ暴行を受けた。」のである。 山口本人の説明によると、廊下に誰もいないことを確認してから、自分の部屋へ入り、ドアを閉めようとしたところ乙が手でドアを押さえ、こじ開けてきた。その乙を追い出してドアを閉めようとしたときに甲が前の部屋から飛び出し、山口の顔をつかみ、押し倒そうとした。 しばらく声も出せなかった山口だが、1分ほど立ってから「助けて」と叫ぶことができた。その山口の口を甲は手で押さえたのだが、そのときにエレベーターが空いて男が降りてくる。乙はその男を制しして「ケンカしているだけと説明」したという。第三者に目撃されてしまったわけで、この段階で襲撃は失敗。この後、襲撃犯たちは罪を免れるための弁明を始める。 事件は昨年(2018年)12月8日に引き起こされたのだが、9日に新潟警察署は被疑者らを逮捕したという。襲撃への関与が疑われたメンバーBとCは事情聴取されたものの、共犯として認められず、立件されていない。襲撃犯は新潟地方検察庁に送致された。「捜査関係者によると、今回の事件が計画的な犯行だったことが分かっている。」というが、12月28日に不起訴とされた。勿論、不起訴を決めたのは検察だ。 年明け直後の1月8日に山口はSHOWROOMでの動画配信やツイッター事件を事件を明らかにするのだが、デイリー新潮に登場する芸能担当記者によると、「山口さんが動画を配信し、ツイッターを公開しても、NGTの関係者などは芸能メディアに『山口には少し精神的な問題がある』と、あたかも狂言であるかのように匂わせるなどしていました」。 要するに、会社側は事件をもみ消そうとしている。もみ消しに失敗すると事件の直接的な責任者であるNGT48劇場支配人だった今村悦朗は1月14日付でAKS東京本社の取締役室付に異動、後にツイッター上への不適切な投稿を理由にして契約が解除された。 今回の事件を理解するためにはAKB創設の経緯、その後のCD販売数の問題、メンバーたちの行動、政治家や有力者との関係、すべてを調べる必要がある。AKSの対応を見ていると、経営者が無能でないならば、NGT48やAKBグループを潰しても守らなければならない秘密があるのではないかと思えてくる。
2019.03.22
ブラジルのミシェル・テメル前大統領が3月21日に汚職容疑で逮捕された。大統領を務めたのは2016年8月から18年12月にかけてだが、大統領に就任する前、副大統領の時代には捜査対象になっていた。 アメリカ支配層がテメルを大統領に選んだ理由は、その前から彼がアメリカ側へ機密情報を流すような人物だったからである。その事実は2006年1月11日にサンパウロ駐在のクリストファー・J・マクマレン米総領事が国務長官、南方軍、国家安全保障会議、中南米にある7つの大使館と領事館に宛てて出した電子メールの中に出てくる。 そのテメルは2016年5月に暫定大統領に就任している。ブラジル上院がジルマ・ルセフ大統領の職務停止を決めたからだが、その決定はアメリカ支配層の意思に基づいている。 インターネット・マガジンのインターセプトが公表した映像によると、新自由主義に基づく政策、つまり私有化や規制緩和によって富をアメリカやブラジルの富裕層や巨大資本へ集中させようという計画を進めなかったルセフをアメリカ支配層は懲罰するとテメルは語っている。 職務停止の決定が出る直前、ルセフ大統領はテメルだけでなく、エドアルド・クニャ下院議長もクーデターの首謀者だと批判していた。クーニャ議長はスイスの秘密口座に数百万ドルを隠していることが発覚している。 今年(2019年)1月から大統領を務めているジャイ・ボウソナル下院議員は軍事政権時代に拷問を行っていたカルロス・アルベルト・ブリリャンテ・ウストラを公然と褒め称えていた。軍事政権はアメリカ支配層が望む政策を推進するために樹立されたわけで、ボウソナルもアメリカ支配層の手先だ。
2019.03.22
JOC(日本オリンピック委員会)の竹田恒和会長が3月19日にJOC理事会で退任の意向を表明、IOC(国際オリンピック委員会)委員も辞任するという。2020年に東京で開催が予定されているオリンピック・パラリンピックの招致に絡む贈賄容疑でフランスの司法当局を予審手続を開始したと伝えられているが、それが影響したのだろう。 2013年9月7日に行われたプレゼンテーションで安倍晋三首相は「福島の状況はアンダーコントロール」であり、「汚染水による影響は0.3平方キロメートルの範囲内に完全にブロックされている」と語っていたが、言うまでもなく、これは真っ赤な嘘。安倍首相の発言が嘘だということをプレゼンテーションを聞いていた大半の人は知っていただろう。 その3年後、フランスの検察当局は日本の銀行から2013年7月と10月に、IAAF(国際陸上競技連盟)前会長のラミン・ディアクの息子に関係するシンガポールの銀行口座へ180万ユーロの送金があったことを把握したと発表、昨年(2018年)12月に竹田はパリで事情聴取されたという。 竹田恒和の父、竹田恒徳もJOC会長を務めていた。1962年から69年にかけてのことだ。この竹田恒徳は日中戦争の際に秩父宮雍仁の下で財宝略奪作戦、いわゆる「金の百合」を指揮していたと言われている。その相当量はフィリピンに隠されたが、一部は日本へ運んだと考えられている。 戦後、竹田は邸宅を西武グループへ売却、その土地へ「高輪プリンスホテル」が建てられた。西武グループの堤義明は1989年から90年にかけてJOC会長を務めた。 1998年の長野オリンピック開催が決まったのは91年だが、国際オリンピック委員会の会長だったフアン・アントニオ・サラマンチと親しかった堤義明の果たした役割が大きいと言われている。オリンピックの開催には何かスポーツ以外の目的があるという噂がある。 オリンピックには大規模な建設がつきもので、大きなビジネス・チャンスだが、それだけではない。例えば、2012年のロンドン・オリンピックでは治安/監視システムが強化された。街中に顔の識別も可能なCCTVのネットワークが張り巡らされ、無人機も監視に使われたという。通信内容の盗聴、携帯電話やオイスター・カード(イギリスの交通機関を利用できるICカード)を利用した個人の追跡も実用化させた。 治安部隊の配備も徹底したもので、海兵隊や警察の大規模な警備訓練も実施され、本番では警備のために軍から1万3500名が投入された。オリンピックを口実にしてロンドンを巨大な刑務所に変えたと言われたほどだ。2004年にオリンピックが開かれたギリシャの場合、経済破綻の一因になっている。
2019.03.21
20年前の1999年3月23日に偽情報に基づいてNATO軍がユーゴスラビア空爆を初めて以来、アメリカの支配層は立て続けに先制攻撃を行っている。それまでもアメリカの支配層は偽情報に基づいて侵略戦争を始めるというパターンを繰り返していたが、それまでにない特徴がある。ひとつはユーゴスラビア空爆以降はひとつの戦略に基づいているということであり、もうひとつは有力メディアや広告会社の役割が飛躍的に大きくなったということである。 その戦略はソ連消滅から始まる。1991年12月にボリス・エリツィンは独断でソ連を消滅させ、ロシア議会を戦車に砲撃させて議員を大量に殺傷し、ロシアの新自由主義化を推進していく。その間、92年2月にアメリカの国防次官だったポール・ウォルフォウィッツを中心とするネオコンのグループはDPG(国防計画指針)草稿という形で世界制覇プランを作成した。 そのプランの前提はアメリカが唯一の超大国になったということ。その地位を維持するために潜在的なライバルを事前に潰し、力の源泉であるエネルギー資源の支配を強化することが基本になっている。 そのプランを実行する環境作りのために有力メディアはプロパガンダを展開するが、人びとを騙すための演出を考える担当として広告会社の存在感が強まった。1990年当時、旧ソ連圏への軍事介入を求めて有力メディアは世論を煽っていたが、その背後にも広告会社がいたはずだ。 しかし、有力メディアが戦意高揚を図っていたにもかかわらず、ビル・クリントン政権は戦争に消極的だった。そのクリントン大統領は好戦派からスキャンダルで攻撃される。政権が戦争へ舵を切るのは1997年1月に国務長官がクリストファー・ウォーレンからマデリーン・オルブライトへ交代してから。オルブライトはヒラリー・クリントンと親しく、ズビグネフ・ブレジンスキーの教え子だった好戦的な人物である。 当時、ビル・クリントンは弁護費用だけで破産状態だと噂されていたが、その後、クリントン夫妻は大金持ち。噂が間違っていたのか、裏で何かがあったのだろう。勿論、夫と妻が一心同体だとは限らない。
2019.03.20
ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長は1000名程度のアメリカ軍部隊をシリアへ残すとするウォール・ストリート・ジャーナル紙の記事を不正確だとする声明を出した。ただ、どこがどのように不正確なのかは不明。 昨年12月20日にドナルド・トランプ米大統領はシリアから2000名のアメリカ軍地上部隊を撤退させるように命令、国防長官だったジェームズ・マティスは撤退の命令書に署名したのだが、命令に対する反発が議会や有力メディアから出たほか、政権の内部でもマイク・ペンス副大統領、ジョン・ボルトン国家安全保障補佐官、マイク・ポンペオ国務長官が公然と大統領の決定を批判していた。しかもマティス長官は2019年2月一杯で辞任すると表明、ホワイトハウスを去っている。 こうした流れを受け、トランプ大統領は何人かの議員に対してアメリカ軍部隊をシリアへ残留させることに100%同意すると伝えたとされていた。 アメリカ中央軍の動きは大統領の命令は無視されているとしか思えない。例えば、命令が出た直後にアメリカ軍はイラクからシリアにある同軍の平坦拠点へ軍事車両や軍備品を150両近いトラックで運び込み、イラクの治安を担っているハシド・アル・シャービ(人民動員軍)の東部地区を担当している司令官によると、アメリカ軍はシリア東部にいるダーイッシュへ軍事情報を伝えている。しかもアメリカ軍はシリア東部に建設した軍事基地を増強するために物資を運び込み、シリアとの国境に接したイラクの西部地域を軍事的な拠点にしつつあるとも語っている。 アメリカ軍はシリア東部の油田地帯、デリゾールからダーイッシュの戦闘員をヘリコプターで救出、イラクへ輸送する作戦を継続中だと伝えられているが、こうした救出作戦は以前から行われていた。 イラクでは政府も含めてアメリカに対する反発が強まり、シリアやイランとの連携を強めている。ここにトルコが加わるという話も流れているが、真偽は不明。ただ、その背後にロシアがいることは確かだろう。 ユーフラテス川の北側はアメリカ、イギリス、フランスの軍隊が不法占領、南側ではアル・タンフはアメリカ軍が占領している。ここにはイギリス軍の特殊部隊も駐留、米英軍はシリア政府を倒すために使っている傭兵を訓練していると伝えられている。
2019.03.20
アメリカ軍は1000名程度の兵力をシリアに残すとアメリカでは伝えられている。昨年12月20日にドナルド・トランプ米大統領はシリアから2000名のアメリカ軍地上部隊を撤退させるように命令、国防長官だったジェームズ・マティスは撤退の命令書に署名したのだが、この命令は事実上、撤回されたようだ。 この命令が出された直後から議会や有力メディアから激しい反発の声が上がり、政権の内部でもマイク・ペンス副大統領、ジョン・ボルトン国家安全保障補佐官、マイク・ポンペオ国務長官が公然と造反、マティス長官は2019年2月一杯で辞任すると表明した。 こうした流れを受け、トランプ大統領は何人かの議員に対してアメリカ軍部隊をシリアへ残留させることに100%同意すると伝えたとされていた。この報道が正しかったようだ。 アメリカ大統領の撤兵命令に強く反発したのはイスラエルとサウジアラビア。イギリスが作り上げた国だ。この両国にアメリカのエリートは逆らえないようだが、本当の権力者はこのふたつの国の背後にいるだろう。 アメリカ軍はシリア東部の油田地帯、デリゾールからダーイッシュの戦闘員をヘリコプターで救出、イラクへ輸送する作戦を継続中だと伝えられているが、その一方でクルド勢力と連携している。一時期、クルドがシリア政府へ接近していると言われていたが、クルドが分裂しているのか、アメリカ引き戻すことに成功したのかは不明だ。 本ブログでも何度か指摘したが、イラクを拠点とするクルドとシリアを拠点とするクルドは別の存在だった。イラクのクルドはソラニ語を話し、アラビア文字を使っている。長年指導者として君臨してきたバルザニ親子はイスラエルの情報機関モサドの指揮下にある。それに対し、シリアのクルドはクルマンジ語を話し、ラテン文字を使う。 ここにきてシリア、イラン、イラクは連携を強め、アメリカが軍事力を増強しているイラクではアメリカに対する反発が強まっている。シリアではクルドを敵だと認識するトルコがアメリカの動きに反発、ロシアとの関係を強めてきた。 ダーイッシュの支配地域は2015年9月30日にロシア軍がシリア政府の要請で介入してから急速に縮小した。ユーフラテス川の北側はアメリカ、イギリス、フランスの軍隊が不法占領、クルドを手先として使っているが、南側に残されているのはイドリブとアル・タンフ。アル・タンフはアメリカ軍が占領し、イギリス軍の特殊部隊もいるようだ。米英軍はシリア政府を倒すために使っている傭兵を訓練していると伝えられている。ここにきてシリア政府軍はアル・タンフの近くで軍事演習を実施している。 イドリブではロシア軍とシリア政府軍が空爆を実施、軍事的な緊張は高まっている。政府軍の地上部隊も攻撃準備は完了しているので、いつ戦闘が始まっても不思議ではない。それを狙い、CIAやMI6はSCD(シリア市民防衛)、別名「白いヘルメット」を使い、偽旗作戦を実行するとも見られている。
2019.03.19
現在、世界の麻薬取引を支配している元締め的な存在はアメリカの情報機関CIAだろうが、商品である麻薬を売りさばく役割を負っているのは犯罪組織である。情報機関と犯罪組織が連携している一因だ。 麻薬の売り上げを伸ばし、儲けを増やすため、犯罪組織は麻薬中毒患者を増やそうとする。麻薬なしには生きていけないようにしてしまうわけだが、食糧や水も人間が生きていく上で絶対に必要だ。食糧と水を支配できれば、麻薬より儲かる。 かつて、日本でも食糧や水が巨大企業、つまり私的権力の手に握られることがないような仕組みにされていた。その仕組みを破壊しようとしてきたのがネオコンとかネオリベラルと言われる狂信的な資本主義者だ。 1970年代にアメリカ議会では情報機関の秘密プロジェクトが問題になったが、同時に国境を越えて活動する巨大資本、いわゆる多国籍企業のビジネスにもメスが入れられつつあった。そうした中でも問題になっていたのが穀物メジャーだ。 現在、穀物取引を支配しているのはアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド、ブンゲ、カーギル、ルイ・ドレフュスだと言われている。それぞれのイニシャルをとってABCDと呼ばれているようだが、中でも大きい存在がカーギル。種子法を廃止した日本に対する支配力をこうした企業は強めることになる。 こうした動きは遺伝子組換え(GM)種子の問題と密接に関係している。GMは農業を支配する道具になるが、それ以上に問題なのは安全性。安全であることが確認されていない作物を市場に出す危険性が当初から指摘されていたが、杞憂で終わりそうにはない。GMで名前が出てくるモンサントは戦争ビジネスで儲けてきた会社だ。 そして水の支配権を欧米の巨大資本へ渡そうとしているのが日本政府。麻生太郎は2013年にCSISで日本の「水道は全て国営もしくは市営・町営でできていて、こういったものをすべて、民営化します」と宣言したというが、それは水に関する権利を私的権力へ贈呈すると言っているに等しい。勿論、それが麻生やその仲間たちの利益につながっているのだろう。 最近はネオコンの拠点と言われているCSISだが、1962年に設立された当時はジョージタウン大学の付属機関。後にこのシンクタンクとCIAとの緊密な関係が知られるようになり、1987年に研究所と大学との公的な関係は解消された。日本のマスコミも「解説」を頼むCSISとはそうした機関なのであり、そうした機関の人間を登場させるだけで信頼度は低下する。 アメリカ権力層は食糧/水のほかエネルギー資源と金融を支配の柱にしている。軍事力や情報機関はその柱を守るためにある。例えば、ドル体制を揺るがしかねない方向へ動き出したイラクやリビアは破壊された。
2019.03.18
ある音楽グループのメンバーで俳優としても活動したいた人物がコカインを摂取した容疑で関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕されたという。その人物が薬物を使用しているという情報が昨年の秋にあり、内偵していたようだ。 伝えられているところによると、任意同行を求めて尿検査をしたところコカインの陽性反応が出たのだが、自宅からコカインは見つからなかったという。コカインを使ったと認識した段階で任意同行を求めた可能性が高く、どのようなルートで麻薬を入手し、どこで摂取したのかも当局は知っているのだろう。 本ブログでも指摘してきたが、麻薬取引はCIAの活動と深く結びつき、麻薬資金を巨大金融機関は扱っている。ベトナム戦争の当時、最大の非合法ケシの産地は東南アジアであり、アフガニスタンでCIAが秘密工作を始めると主要産地はパキスタンとアフガニスタンをまたぐ山岳地帯へ移動、中米で秘密工作を始めるとコカインの流通量が増えた。いずれも黒幕はCIAであり、その儲けを扱うために「CIAの銀行」が存在する。 世界の金融システムは2008年に破綻した。リーマン・ブラザーズの倒産はその象徴にすぎない。システムが崩れそうになったのだ。この倒産を利用して欧米の支配層は庶民に破綻の尻拭いをさせた。超法規的な救済だが、その後、富が集中するはスピードは加速していく。 この金融破綻、いわゆるリーマン・ショックを処理する際に麻薬資金も重要な役割を果たしたと伝えられている。UNODC(国連薬物犯罪事務所)のアントニオ・マリア・コスタによると、麻薬取引で稼いだ利益3520億ドルの大半が経済システムの中に吸い込まれ、いくつかの銀行を倒産から救った可能性があるという。麻薬資金は流動性が高く、銀行間ローンで利用されたとも言われている。 本ブログでは繰り返し指摘してきたが、CIAはウォール街の人脈によって作られた情報機関である。同じように、イギリスのMI6(SIS)はシティと結びついている。 イギリスに限らないが、その支配者は侵略と略奪で富を築いてきた。金や石油といった資源を盗んでいるが、19世紀には中国(清)を侵略するためにアヘンを売りつけ、戦争で利権を奪った。アヘン戦争やアロー戦争だ。 そのときにアヘン取引で大儲けした会社のひとつがジャーディン・マセソン。インドで傭兵の武装蜂起で始まった大反乱(セポイの反乱)が終わった翌年、1859年に同社はトーマス・グラバーを長崎へ、ウィリアム・ケズウィックを横浜へ派遣した。 グラバーは明治維新をテーマにしたドラマによく出てくる人物だが、ケズウィックの方が大物だった。ジャーディン・マセソン創立者の一族で、麻薬資金を処理していた香港上海銀行(現在はHSBC銀行)とも深く結びついている。有り体に言うと、明治維新の黒幕は麻薬業者だ。 CIAがエル・サルバドルを含むラテン・アメリカ諸国で死の部隊を使ってアメリカの巨大企業のカネ儲けに邪魔な人物や団体を抹殺していた当時、ロサンゼルス市警の内部の麻薬担当はCIAの活動に肉薄、司法省などからの攻撃を受ける。捜査チームを追い込むために税務調査が実施され、細かい違法行為を見つけ出して刑務所へ入れると脅され、退職を余儀なくされたと言われている。 また、CIAの手先だったニカラグアの反革命ゲリラ(コントラ)のコカイン取引を暴く連載記事を1996年に書いたサンノゼ・マーキュリー紙のゲーリー・ウェッブ記者は有力メディアから一斉攻撃を受けて退職を余儀なくされ、自殺に追い込まれた。 今回のミュージシャン/俳優のコカイン事件を伝えているマスコミも芸能界の実態を知っているだろう。
2019.03.18
国連の決定には関係なく、ICC(国際刑事裁判所)はシリアのバシャール・アル・アサド大統領の起訴を目論んでいるのだという。 シリア軍による多くの残虐行為を目撃したというムスリム同胞団の某家族による訴えに基づき、人類への犯罪で起訴するのだという。シリアがICCに加盟していないことは無視されている。 本ブログでも繰り返し書いてきたが、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟、イギリスとフランスのサイクス・ピコ協定コンビ、当初はトルコやカタールがリビアやシリアへの侵略に参加、その手先としてムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を主力とする傭兵が使われてきた。シリアで住民を虐殺しているのはこの勢力だ。 シリアより1カ月前から侵略戦争が始まったリビアでもICCの名前が出てきた。侵略を正当化するため、「人権擁護団体」、西側の有力メディア、アメリカバラク・オバマ政権などは政府が兵士にバイアグラを配布り、レイプさせているという偽情報を流していたのだが、ICCのルイス・モレノ・オカンポ主任検察官も同じ主張をしていたのだ。 しかし、このときはリビア情勢を担当する国連人権調査団のシェリフ・バッシオウニ団長からすぐに批判された。反カダフィ派が制圧しているリビア東部を訪れた際にそうした主張を耳にしたが、首都トリポリでは政府側の人びとが同じことを話していたが、そうした話を裏づける証拠は何もないとしている。「人権擁護団体」も被害者を見つけることができなかった。 話はこれで終わらなかった。オカンポ自身がオフィスで女性をレイプしたことが判明したのだ。ただ、検察官には起訴されない特権があるため、罪に問われていない。また、起訴した相手を脅してカネを要求していたともいう。 オバマ大統領はイスラム諸国での政権転覆を実行するため、2010年8月にPSD-11という指針を出したが、今回、アサドを訴えたムスリム同胞団はその主力と位置づけられていた。 カダフィ体制が倒され、カダフィ自身が惨殺された後、侵略勢力は戦闘員と武器/兵器をシリアへ移動させるが、その工作の拠点はベンガジのアメリカ領事館やCIAの施設だった。 その領事館が2012年9月11日に襲撃され、リビア駐在のアメリカ大使だったクリストファー・スティーブンスが殺されている。その前日に大使はCIAの担当者と会談、襲撃当日は海運会社の社員と会っていたとジャーナリストのシーモア・ハーシュは主張している。オバマ政権がムスリム同胞団を重用することへの反発からサラフィ主義者が襲ったとする説もある。 ムスリム同胞団とサラフィ主義者との間に対立はあるようだが、シリア人から見れば両方とも侵略者にほかならない。その侵略勢力は崩壊状態。一部はアメリカの軍や情報機関が救出、保護したり次の工作地へ運んでいるようだ。ICCはそうした勢力に替わってアサド政権を倒すつもりなのだろうか?
2019.03.17
アメリカ軍のトップ、ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長は上院軍事委員会に出席、軍事政策を変更して核兵器の先制使用を禁止することに反対すると述べた。 核兵器が開発して以来、アメリカの好戦派はその先制使用を目論んできた。当初、そのターゲットはソ連。今はロシアと中国を想定しているだろう。これまで先制核攻撃を実行しなかったのは、準備が整う前にソ連が反撃能力を持ってしまったからだ。アメリカがロシアや中国を圧倒できると信じる状況になれば、核攻撃をいつ始めても不思議ではない。 第2次世界大戦でドイツが降伏した直後、1945年5月に米英軍数十師団とドイツの10師団米英独でソ連を奇襲攻撃するアンシンカブル作戦を立てさせたウィンストン・チャーチル首相は下野した後の1947年にアメリカのスタイルス・ブリッジス上院議員に対し、ソ連を核攻撃するようハリー・トルーマン大統領を説得して欲しいと頼んだと伝えられている。 その2年後、アメリカの統合参謀本部はソ連の70都市へ133発の原爆を落とすという内容を含む研究報告を作成、1952年には初の水爆実験を実施、54年にSAC(戦略空軍総司令部)は600から750発の核爆弾をソ連に投下、118都市に住む住民の80%、つまり約6000万人を殺すという計画を立てている。(Oliver Stone & Peter Kuznick, “The Untold History of the United States,” Gallery Books, 2012) 1957年に作成したドロップショット作戦では300発の核爆弾をソ連の100都市で使い、工業生産能力の85%を破壊する予定になっていたという。(前掲書)このドロップショット作戦は実行するつもりだったと見られている。 アメリカが初めて水爆実験に成功したのは1952年11月だが、ソ連も53年8月に成功させている。この間隔から考えてソ連は独自に開発しているのだが、放射性物質の分析から技術的にはソ連が上だということが後に判明した。 それでもアメリカ支配層が先制核攻撃に積極的だった理由は核弾頭の数とその運搬手段。核弾頭をターゲットまで運ぶためには戦略爆撃機かICBM(大陸間弾道ミサイル)が必要なのだが、1959年の時点でソ連は事実上、このタイプのミサイルを保有していなかった。 アメリカが必要なICBMを準備でき、しかもソ連が準備できていないタイミングで先制核攻撃をすると考えた好戦派の中には統合参謀本部議長だったライマン・レムニッツァーや空軍参謀長だったカーティス・ルメイが含まれていた。そして1963年後半に先制攻撃するというスケジュールが決まったとテキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授は主張している。 しかし、この計画には大きな障害が存在した。ジョン・F・ケネディ大統領である。アメリカ側の計画を察知していたであろうソ連がキューバへ中距離ミサイルを持ち込んでいることが発覚したのは1962年10月。ICBMに対抗するためだったのだろう。 アメリカの軍や情報機関の好戦派は即時攻撃をジョン・F・ケネディ大統領に要求したが、大統領は話し合いで解決してしまった。1963年後半に予定した先制核攻撃計画でもケネディ大統領は大きな障害。その障害が取り除かれたのは1963年11月22日のことだった。大統領がダラスで暗殺されたのだ。 暗殺の直後、CIAはソ連やキューバが黒幕だとする偽情報を流したが、FBIがその事実を新大統領へ伝え、米ソ開戦には至らなかった。 本ブログでは繰り返し書いてきたが、レムニッツァーは1955年から57年にかけて琉球民政長官を務めている。沖縄では1953年に布令109号「土地収用令」が公布/施行され、武装したアメリカ兵を動員した暴力的な土地接収が行われる。いわゆる「銃剣とブルドーザー」による接収だ。1955年の段階で沖縄本島の面積の約13%が軍用地になった。その後、現在に至るまで沖縄はアメリカ軍の基地に苦しめられている。 沖縄の基地問題はアメリカの先制核攻撃計画と密接に結びついている。CIAは沖縄を中国や東南アジアに対する秘密工作の拠点として使ってきたが、それだけではないのだ。アメリカ軍が沖縄をはじめとする日本に基地を建設している目的を「防衛」だと考えるべきではない。 そうした意味で、2006年当時は非常に危険な状況にあった。アメリカ支配層の機関誌的な存在であるフォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載されたキール・リーバーとダリル・プレスの論文によると、アメリカ軍の先制第1撃でロシアと中国の長距離核兵器を破壊できるようになる日は近いというのだ。つまりアメリカはロシアと中国との核戦争で一方的に勝てるとこの筆者は考えていた。おそらくアメリカ支配層の相当部分もそう考えていたのだろう。アメリカは2002年にABMから離脱している。 この分析は2008年に崩れ去る。この年の8月、イスラエルやアメリカの支援を受けたジョージア軍が南オセチアを奇襲攻撃したのだが、ロシア軍の反撃で侵略軍は粉砕されてしまったのだ。つまり、アメリカやイスラエルの軍隊はロシア軍と同じような規模で衝突すると負けるということ。さらに、シリアでの戦争でロシア製兵器の性能は高いことが確認された。 アメリカ軍は通常兵器での戦闘でロシア軍に勝てない。先制核攻撃で圧倒することも難しい。そこで、自分たちに従属しないと人類を死滅させると脅しているように見える。 そしてアメリカ軍は2010年7月にポーランドとイージス・アショアの設置で合意、ルーマニアが続いた。日本も購入することになっているこのシステムが使用するランチャーは攻撃型の巡航ミサイルであるトマホークと同じで、ソフトウェアーを変更すれば攻撃用の兵器になるとされている。韓国へはTHAAD(終末高高度地域防衛)を強引に配備した。アメリカが先制核攻撃を放棄したなら、この軍事的な脅しが使えなくなってしまう。
2019.03.16
マルコ・ルビオ米上院議員のベネズエラに関するツイッターへの書き込みを読むと、「語るに落ちる」という表現を思い出す。 3月7日にベネズエラでは大規模な停電があったが、その数分後に同議員はその状況を詳しく述べ、空港ではバックアップの発電機も起動しなかったことが指摘されているのだ。これは事実だが、その時点ではベネズエラ政府もそれを把握できていなかった。 ベネズエラはサイバー攻撃を受けたようだ。システムがコンピュータ・ウイルスに汚染されていた可能性もあるが、アメリカの情報機関は以前からバグを組み込んだシステムを国際機関、各国の政府機関、あるいは巨大金融機関へ売っていた。 こうした工作は1980年代に問題化している。不到底多数のターゲット(人であろうとカネであろうとプルトニウムであろうとかまわない)を追跡する優秀なシステムPROMISを民間企業が開発、それを司法省が盗み(破産裁判所、連邦地裁、課員司法委員会でそう認定された)、アメリカとイスラエルの情報機関がそれぞれトラップドアを組み込み、ダミー会社を通じて売りさばいていたのだ。 1980年代には中東の某国がライバル国のインフラに爆弾を仕掛けているとする元情報機関員の証言もあったが、似たことを電子的にも行っていたということだ。 PROMISの優秀さは日本の法務省も理解していた可能性が高い。法務総合研究所は1979年3月と80年3月、2度にわたってこのシステムに関する概説資料と研究報告の翻訳を『研究部資料』として公表しているのだ。 その当時、駐米日本大使館に1等書記官として勤務していたのが原田明夫は後に法務省刑事局長として「組織的犯罪対策法(盗聴法)」の法制化を進め、事務次官を経て検事総長に就任する。原田の下で実際に動いていた敷田稔は名古屋高検検事長を務めた。 アメリカ司法省による横領と情報機関によるトラップドア組み込みシステムの販売は1980年代から90年代にかけて大きな問題になり、その間、イギリスのジャーナリスト、ダンカン・キャンベルは1988年に地球規模の通信傍受システムECHELONの存在を明るみに出している。 通信の監視システムの問題は1970年代から指摘され、フランク・チャーチ議員はNBCのミート・ザ・プレスという番組で情報機関の通信傍受能力はアメリカ国民に向けられる可能性があり、そうなると人々の隠れる場所は存在しないと警鐘を鳴らしていた。 最近ではエドワード・スノーデンが内部告発した。この人物の場合は実際のファイルを持ち出しているが、通信傍受などの問題は1970年代から指摘されてきたのだ。その問題が日本では真剣に取り上げられなかった。1980年代から90年代にかけて新聞社、放送局、出版社、活動家などにその危険性を訴えたのだが、相手にされなかった経験がある。唯一の例外は山川暁夫だった。 ルビオ議員の書き込みはアメリカ支配層の手口を改めて示すものだったとも言える。アメリカ企業の製品を使っているエレクトロニクス製品、アメリカが支配しているインターネットなどにはそうした危険性があるということだ。
2019.03.15
スペインのマドリードにある朝鮮大使館が模造銃を持つ10人組に襲われたのは2月22日のことだった。その場にいた大使館員を殴打、手錠をかけ、尋問した上で携帯電話、コンピュータ、書類を持ち去ったという。 館員によると襲撃犯はいずれも朝鮮系だったというが、スペインのパイス紙は3月13日、捜査当局者の話として容疑者10名のうち身元の特定された2名はCIAと関係があると報じた。襲撃には韓国の情報機関が協力しているとも伝えられている。 襲撃犯の目的は2017年9月までスペイン駐在大使だった金革哲(キム・ヒョクチョル)に関する情報を得ることにあったと推測する人が少なくない。この人物は金正恩朝鮮労働党委員長の側近で、2月27日と28日にかけてベトナムのハノイで行われた米朝首脳会談で朝鮮側の中心人物だったともいう。 その会談は失敗に終わったと見なされている。ドナルド・トランプ米大統領は金委員長が核施設を廃棄する見返りに経済制裁の全面解除を求めたことから合意に至らなかったとしているが、朝鮮の李容浩(または李勇浩)外相はその主張を否定、朝鮮側は部分解除の条件として核施設の廃棄を提示したとしている。韓国で伝えられている情報によると、アメリカ側は核プログラムの完全的な廃棄だけでなく、生物化学兵器も含めるように求めたという。 その会談に出席していたマイク・ポンペオ国務長官はキリスト教系カルトの信者であり、ジョン・ボルトン国家安全保障補佐官は狂信的な親イスラエル派。いずれも好戦的で、シリアからのアメリカ軍を撤退させるという大統領の命令に公然と反対したコンビでもある。 2月22日にあった襲撃の目的は金革哲に関する情報の収集でなく、アメリカや韓国の2カ国と朝鮮との関係を悪化させることにあった可能性もあるだろう。アメリカの支配層はロシア、中国、韓国の連携を壊したいはずだ。
2019.03.14

ベネズエラでは3月7日に大規模な停電があった。アメリカのマイク・ポンペオ国務長官はベネズエラ政府の無能さが原因だと主張し、ニコラス・マドゥロ大統領の排除を訴えている。 リビアのムアンマル・アル・カダフィが元気な時と惨殺される直前の写真をツイッターに掲載、マドゥロを脅したマルコ・ルビオ米上院議員は今回、停電の直後に空港の様子を書き込んだ。 停電になっただけでなくバックアップの発電機も動かなかったというのだが、その書き込みがあった時点ではベネズエラ政府を含め、そのバックアップの発電機については知られていなかったという。ところがルビオは予備の発電機が動かないことを知っていた。 議会選挙のあった2010年9月にはベネズエラの発電設備が脆弱だという分析が存在する。分析したのはCANVASなる組織。 この組織は2003年にオトポール(抵抗)!の幹部らによってセルビアで設立された。「非暴力」を掲げているが、目的はアメリカ支配層のカネ儲けに邪魔な体制を転覆させることにある。オトポール(抵抗)!はスロボダン・ミロシェビッチの体制を倒すため、1998年に作られた。これらにはNED(ナショナル民主主義基金)、IRI(国際共和研究所)、USAID(米国国際開発局)などから、つまりCIAから資金が提供されている。 現在、アメリカの支配層はフアン・グアイドに大統領を自称させている。この人物は2007年にアメリカのジョージ・ワシントン大学へ留学、新自由主義を信奉している。政権を奪取した暁には私有化を推進、国営石油会社のPDVSAをエクソンモービルやシェブロンへ叩き売るつもりだと言われている。 グアイドがアメリカへ留学する2年前、アメリカ支配層は配下のベネズエラ人学生5名をセルビアへ送り込んだ。その頃にアメリカ支配層はベネズエラの体制転覆を目的として「2007年世代」を創設、2009年には挑発的な反政府運動を行う。 こうした組織が「非暴力」であっても、運動全体が非暴力だということにはならない。役割分担があるからだ。広域暴力団でさえ、資金源を別組織、いわゆる企業舎弟にしている。
2019.03.13
シリアのバシャール・アル・アサド大統領が2月25日にイランを突如訪問、3月11日にはイランのハサン・ロハニ大統領がイラクを訪れた。そして2月24日、イラクのノウリ・アル・マリキ元首相はダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の創設でバラク・オバマが重要な役割を果たしたとイラクの地方局で語っている。 マリキによると、2013年にダーイッシュの部隊がシリアとイラクの国境沿いに集結していることを示す航空写真などの情報をアメリカは示していたという。アサド政権の崩壊は近く、それを待ってイラクへ攻め込むと判断されていたようだ。 それより前、遅くとも2011年の段階でマリキ政権はジハード傭兵の動きを懸念、アメリカ政府に対してF-16戦闘機を供給するように要請、契約したものの、納入されなかった。新たな支援要請も断られ、ヘリコプターの部品なども手に入らなくなったという。 そこでマリキ政権は2013年6月、ロシアに支援を要請して受け入れられ、数日のうちに5機のSu-25近接航空支援機がイラクへ運び込まれた。急な要請だったこともあって不十分ではあったが、この一件でロシアに対する信頼感は高まっただろう。 2014年4月に行われた議会選挙ではマリキを党首とする法治国家連合が勝利、通常ならマリキが首相を続けたはずだが、フアード・マアスーム大統領はハイダル・アル・アバディを指名した。ロシアへ接近しているマリキを嫌ったアメリカ政府の意向だと言われている。 アメリカ政府はイギリスのマンチェスター大学で博士号を取得したアバディをコントロールできる人物だと見ていたのだろうが、そうはならなかった。 アメリカ支配層は軍事侵略を正当化する口実のひとつとして「テロとの戦争」を掲げてきたが、2014年に売り出された「テロリスト」が存在する。ダーイッシュだ。 この武装集団はこの年の1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にモスルを制圧する。その際にトヨタ製小型トラック「ハイラックス」の新車を連ねた「パレード」を行い、その様子を撮影した写真が世界に伝えられ、広く知られるようになった。 言うまでもなく、アメリカの軍や情報機関は偵察衛星、無人機、通信傍受、人間による情報活動などでダーイッシュの動きを知っていたはず。つまりパレードは格好の攻撃対象だったはずなのだが、そうした展開にはなっていない。 2013年までにアメリカ政府がイラク政府との契約通りに戦闘機を供給していたなら、2014年の段階でダーイッシュは大きなダメージを受けていただろう。その後の破壊と殺戮、残虐な行為はなかった可能性が高く、そうなるとアメリカ軍は空爆やシリアへの地上部隊の侵攻を実行しにくい。 本ブログでは繰り返し書いてきたが、オバマ政権の反シリア政府軍を支援する政策の危険性を2012年8月の段階でアメリカ軍の情報機関DIAは警告していた。 その報告によると、シリアで政府軍と戦っている主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団で、戦闘集団としてアル・カイダ系のアル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘されていた)の名前が挙げられている。その上でバラク・オバマ政権の反政府軍支援はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになると警告していた。その警告はダーイッシュという形で現実になったわけだ。 ところで、イラク、シリア、イランを制圧するという作戦をネオコンは1980年代に立てていた。ロナルド・レーガンが大統領だった時代だ。 ネオコンはイランとシリアを分断するためにイラクのサダム・フセイン政権を倒して親イスラエル派の体制にするべきだと主張、1991年にはネオコンの中心メンバーで国防次官だったポール・ウォルフォウィッツがイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていた。 そのプランは2001年9月11日の攻撃で実行に移される。その攻撃とは、勿論、ニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)に対するもので、アメリカ軍はイギリス軍などを引き連れ、2003年3月にイラクを先制攻撃してフセイン体制を破壊した。体制を破壊しただけでなく、100万人を超すと見られるイラク人を殺している。 この数字は複数の調査でほぼ一致している。例えばアメリカのジョーンズ・ホプキンス大学とアル・ムスタンシリヤ大学の共同研究によると、2003年の開戦から2006年7月までに約65万人のイラク人が殺されたという。イギリスのORBは2007年夏までに94万6000名から112万人が死亡、またNGOのジャスト・フォーリン・ポリシーは133万9000人余りが殺されたとしている。 しかし、フセインはもともとCIAが手先として使っていた人物。ジョージ・H・W・ブッシュなどアメリカ支配層の一部はペルシャ湾岸の産油国を守る役割を果たしていると見なしていた。その後の展開を見ると、アメリカの政策はネオコンが主導権を握ったと推測できる。 このネオコンの戦略はイラクを先制攻撃した直後に破綻、イラクとイランを接近させることになった。そこでアメリカの支配層は方針を転換、ムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を主力とするジハード傭兵を使うことにする。 この戦術転換を指摘していた記事がある。調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが2007年にニューヨーカー誌に書いているのだ。 ハーシュによると、ジョージ・W・ブッシュ政権はシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラを最大の敵だと定め、スンニ派の過激派と手を組むことにしたのだ。スンニ派の過激派とはサラフィ主義者やムスリム同胞団を指す。 2009年1月にアメリカ大統領となったバラク・オバマはその戦術を継承、翌年の8月にPSD-11を出し、ムスリム同胞団を主力とする体制転覆プロジェクトを始めた。選挙キャンペーンの時の宣伝とは違い、チェンジはなかった。 いわゆる「アラブの春」はそのプロジェクトの一環で、2011年春にはジハード傭兵を使ったリビアやシリアへの侵略戦争につながる。その年の10月にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制を倒した後、CIAやアメリカ国務省は傭兵や武器/兵器をシリアへ集中させた。 ネオコンはアサド政権を簡単に倒せると考えていたようだが、そうした展開にはならなかった。このケースに限らずネオコンは状況判断が身勝手で甘く、希望的な観測で暴走する。 かつてコンドリーサ・ライス元国務長官がFOXニュースのインタビューの中で、控えめで穏やかに話すアメリカの言うことを聞く人はいないと語っていた。そこで脅すということになるが、最近は脅しがきかなくなっている。
2019.03.13
イランのハサン・ロハニ大統領が3月11日にイラクを訪問した。現在、アメリカ軍はイラク西部を軍事的な拠点にしてジハード傭兵を1000人ほど訓練、同時にシリア東部に建設した軍事基地を強化していると伝えられているが、支配力を失いつつあるようだ。似た現象は東アジアでも見られる。 前にも書いたことだが、イラクでの報道によると、同国の治安を担っているハシド・アル・シャービ(人民動員軍)の現地司令官は、アメリカ軍がシリアとの国境周辺を偵察して入手した情報、あるいはハシド・アル・シャービから入手した情報をシリア東部にいるダーイッシュへ渡しているという。 アメリカ軍の情報機関DIAは2012年8月、シリアで政府軍と戦っている主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団で、戦闘集団としてアル・カイダ系のアル・ヌスラ(AQIと実態は同じだと指摘されていた)の名前を挙げ、その上でバラク・オバマ政権の反政府軍支援はシリアの東部(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配地域を作ることになると警告していた。その警告は2014年にダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)という形で現実になった。 そのダーイッシュは2015年9月30日にシリア政府の要請で介入したロシア軍によって今は壊滅寸前。アメリカなど侵略勢力が新たな傭兵を投入しない限り、このまま消滅することは必至だ。 その穴を埋めるため、アメリカ軍がシリア東部からイラク西部にかけて、一時期ダーイッシュが支配していた地域を支配しようとしている。そうした動きをシリアやイランだけでなくイラクの政府も苦々しく見ている。そのイラクへイランの大統領が訪問した意味は大きい。しかもイランへは2月25日にシリアのバシャール・アル・アサド大統領が突如、訪問している。 それだけでなく、NATO加盟国でありながらアメリカとの関係が悪化しているトルコはロシア製防空システムS-400の導入を巡ってその関係はさらに悪化している。アメリカはF-35の売却を考え直すと言っているようだが、これは高額欠陥戦闘機であり、魅力は感じていないだろう。 こうした国々はこれまでも水面下で結びつきを強めていたが、ここにきてそれが表面化している。勿論、その背後にいるのはロシアだ。
2019.03.12
フアン・グアイドなる人物をベネズエラの暫定大統領に任命したのは事実上、アメリカ政府。ウゴ・チャベスが大統領選挙に勝利した1998年からアメリカ支配層は政権転覆を目論んできたが、グアイドの件もその延長線上にある。 そのアメリカに従属している国、例えばオーストラリアやカナダのアングロ・サクソン国、日本、EU、ラテン・アメリカの属国、つまりアルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタ・リカ、グアテマラ、ホンジュラス、パナマ、パラグアイ、ペルーなどの政府もグアイドを支持している。 それに対し、ロシア、ベラルーシ、中国、トルコ、イラン、シリア、ラテン・アメリカではボリビア、キューバ、ニカラグア、エル・サルバドルなどは法律に則って大統領に就任したニコラス・マドゥロを支持している。選挙はアメリカなどよりはるかに公正なものだった。 選挙で選ばれたわけでないグアイドを暫定大統領と表現すること自体、アメリカのクーデターに組していると言われても仕方がない。 アメリカの支配層は目障りな政権や体制を転覆させる際、似た手口を使う。まずエリート層の買収、それがだめなら恫喝。さらに進んで暗殺やクーデター、状況によっては軍事侵攻だ。クーデターの前にはメディアや広告会社を使ってプロパガンダを展開、配下のゴロツキや労働組合、最近ではNGOを使って抗議活動を展開、それと並行して経済戦争を仕掛ける。 鉱物資源を輸出している国を潰すために相場を暴落させることは昔から行われてきた。さらに活必需品が手に入らないようにしたり、逆に主要輸出品を売れないよう各国に圧力を加える。銀行や金融関係の国際機関は融資を止めたり、厳しい取り立てを始める。やることは犯罪組織と同じ。 ベネズエラの主要輸出品は石油だが、2014年半ばから原油相場が暴落して経済状況は悪化する。9月11日にアメリカの国務長官だったジョン・ケリーとサウジアラビアのアブドラ国王と紅海の近くで会談しているが、その会談でも相場引き下げについて話し合われたと言われている。 相場を暴落させる最大の目的はロシア経済を破綻させることにあったと推測されている。これは失敗に終わったものの、ベネズエラは大きなダメージを受けている。さらに経済戦争、要するに兵糧攻めにあって苦しくなったのは事実。 アメリカ側でベネズエアラ攻撃を指揮しているのは殺戮と破壊を繰り返してきたエリオット・エイブラムズだが、そのグループのシナリオでは物資不足で社会が不安定化、ニコラス・マドゥロ政権に対する不満が爆発することになっていたのだろう。ところがロシア、中国、イラン、キューバなどからの人道的支援でそうした展開にはならず、店には商品が並んでいる。 有力メディアの記者は予定稿通りに書いたのだが、それが事実と違うということかもしれない。予定稿があるとすると、それはアメリカ支配層のプランに基づいている。事前の調査が不十分で現地に情報網を持っていない場合、御仕着せの取材でそのプランを書くように仕向けられるだろう。現地へ行けば事実が見えるというものではない。
2019.03.12
福島県沖を震源とする巨大地震が原因で東京電力福島第1原発の炉心が溶融する事故が引き起こされたのは8年前の2011年3月11日だった。内部の詳しい状況は不明で、事故が終結したとは言えない。勿論、コントロールなどできていない。 溶けた燃料棒を含むデブリは格納容器の底部へ落下しているが、地中へ潜り込んでいる可能性もある。そうしたデブリを回収し、廃炉にするまで相当の年月が必要だ。 日本政府は2051年、つまり34年後までに廃炉させるとしていたが、イギリスのタイムズ紙はこの原発を廃炉するまでに必要な時間を200年だと推定していた。その推測も甘い方で、数百年はかかるだろうと考えるのが常識的。廃炉作業が終了したとして、その後、10万年にわたって放射性廃棄物を保管する必要があると言われている。 事故の直後に相当数の人が放射性物質が原因で死んでいる可能性が高い。例えば、医療法人の徳洲会を創設した徳田虎雄の息子で衆議院議員だった徳田毅は事故の翌月、2011年4月17日に自身の「オフィシャルブログ」(現在は削除されている)で次のように書いていた: 「3月12日の1度目の水素爆発の際、2km離れた双葉町まで破片や小石が飛んできたという。そしてその爆発直後、原発の周辺から病院へ逃れてきた人々の放射線量を調べたところ、十数人の人が10万cpmを超えガイガーカウンターが振り切れていたという。それは衣服や乗用車に付着した放射性物質により二次被曝するほどの高い数値だ。」 事故の翌日、2011年3月12日には1号機で爆発があり、14日には3号機も爆発、15日には2号機で「異音」がり、4号機の建屋で大きな爆発音があったとされている。 その後、建屋の外で燃料棒の破片が見つかるのだが、この破片についてNRC(原子力規制委員会)新炉局のゲイリー・ホラハン副局長は2011年7月28日に開かれた会合で語っている。発見された破片は炉心にあった燃料棒のものだと推測するというのだ。 その後、建屋の外で燃料棒の破片が見つかるのだが、この破片についてNRC(原子力規制委員会)新炉局のゲイリー・ホラハン副局長は2011年7月28日に開かれた会合で語っている。発見された破片は炉心にあった燃料棒のものだと推測するというのだ。 また、マンチェスター大学や九州大学の科学者を含むチームは原子炉内から放出された粒子の中からウラニウムや他の放射性物質を検出している。 事故当時に双葉町の町長だった井戸川克隆によると、心臓発作で死んだ多くの人を彼は知っているという。セシウムは筋肉に集まるようだが、心臓は筋肉の塊。福島には急死する人が沢山いて、その中には若い人も含まれているとも主張、東電の従業員も死んでいるとしている。 事故に伴って環境中に放出された放射性物質の放出総量をチェルノブイリ原発事故の1割程度、後に約17%に相当すると発表しているが、その算出方法に問題があるとも指摘されている。 計算の前提では、圧力抑制室(トーラス)の水で99%の放射性物質が除去されることになっているが、今回は水が沸騰していたはずで、放射性物質の除去は困難。トーラスへの爆発的な噴出で除去できないとする指摘もある。そもそも格納容器も破壊されていた。 原発の元技術者であるアーニー・ガンダーセンは少なくともチェルノブイリ原発事故で漏洩した量の2~5倍の放射性物質を福島第一原発は放出したと推測している(アーニー・ガンダーセン著『福島第一原発』集英社新書)が、10倍程度だと考えても非常識とは言えない。 数年前から甲状腺の異常が増えていると指摘されているが、日本に秘密保護法が存在している以上、日本の安全保障と深く関係する原発に関する情報がきちんと明らかにされるとは期待できない。
2019.03.11
イラクを先制攻撃したアメリカ軍の実態を明らかにしたブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵が3月8日に再び収監された。アメリカの司法システムはウィキリークスに対する弾圧を正当化する証言をマニングにさせようとしたのだろうが、証言を拒否したからだ。 2016年のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプ陣営の選挙対策本部長を務めたポール・マナフォートのケースでも言えるが、アメリカ支配層は司法取引などを利用して自分たちに都合の良い証言をさせようとする。往々にして偽証の強要だ。その手口がマナフォートやマニングの場合、成功しなかった。 ウィキリークスの顔的な存在で、ロンドンにあるエクアドル大使館から外へ出られない状態にあるジュリアン・アッサンジをアメリカの当局は2011年、秘密裏に起訴しているが、それに絡む証言をさせたかったのだろう。 マニングが提供した情報をウィキリークスは公表するが、中でも衝撃的だったものは、2007年7月にバグダッドでロイターの特派員2名を含む非武装の十数名をアメリカ軍のヘリコプターから銃撃、射殺する様子を撮影した映像。2010年4月に公開された。 スウェーデン検察は2010年11月、幹部の判断でアッサンジに逮捕令状を出した。レイプ容疑だが、嫌疑なしということで2017年に捜査は中止され、逮捕令状は取り消されている。それにもかかわらずアッサンジの軟禁状態が続いているのはアメリカ支配層の意向があるからだ。 嘘の上に嘘を重ねて自由と民主主義の国という幻影を見せてきたが、事実はその幻影を消し去ってしまう。事実を封じ込めようと彼らは必死だ。 2011年春にリビアとシリアへジハード傭兵を使って体制転覆作戦を始動、14年2月にウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを成功させ、いまはベネズエラの再植民地化に力を入れている。いずれも侵略を正当化するために嘘を拡散させているが、事実を明らかにする人びとが立ちはだかっている。 嘘を広める役割を果たしているのは広告会社と有力メディア。最近は嘘から真実味が急速に失われ、厚顔無恥な人間でなければ騙されたふりをすることもできないだろう。大東亜共栄圏を宣伝していた記者たちを笑うことはできない。
2019.03.10
ベネズエラで3月7日に大規模な停電があった。グリ水力発電所が電力を供給できなくなったことが原因で、国の大半が影響を受けたという。ニコラス・マドゥロは破壊活動があったとしている。 詳細は不明だが、何らかの破壊活動があっても不思議ではない状況だとは言える。現在、アメリカ政府はマドゥロ政権を倒す工作を実行中で、その指揮官に任命されたのはエリオット・エイブラムズ。 ウゴ・チャベスが大統領選挙に勝利した1998年からアメリカ支配層は政権を倒すために何度かクーデターを試みている。そのひとつが2002年のものだが、その黒幕はオットー・ライヒ、ジョン・ネグロポンテ、そしてエイブラムズだ。 ライヒはキューバ系アメリカ人で1986年から89年にかけてベネズエラ駐在大使を務め、ネグロポンテは1981年から85年にかけてホンジュラス駐在大使としてニカラグアの革命政権に対するCIAの秘密工作に協力、2001年から04年までは国連大使、04年から05年にかけてはイラク大使を務めた。 エイブラムズもニカラグアの秘密工作に参加している。CIAの工作には麻薬取引がつきもので、ニカラグアを含むラテン・アメリカの場合はコカインが利用された。 ニカラグアの工作は周辺国、例えばエル・サルバドルでの工作と一体の関係にある。そのエル・サルバドルで実行された「汚い戦争」ではCIAの手先になっていた軍人や警官が1980年3月にカトリックのオスカル・ロメロ大司教を暗殺、その年の12月にはカトリックの修道女ら4名を惨殺、81年12月にはエル・モソテの村で住民900名から1200名を殺している。 2月13日に下院の外交委員会へ出席したエイブラムズはイルハン・オマール下院議員からエル・モソテの村での虐殺について1982年2月に上院外交委員会で虚偽の証言をした過去を指摘された。 エイブラムズはイラン・コントラ事件と自身の関わりについて議会へ情報を隠した罪を1991年に認めているが、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の恩赦で刑務所行きを免れた。破壊、殺戮、麻薬取引を含む秘密工作に連座していた人物が今、ベネズエラのマドゥロ政権転覆工作を指揮しているのだ。 アメリカ支配層はマドゥロとすげ替える人物としてフアン・グアイドを用意しているが、庶民を中心とする国民の多数はマドゥロを支持、軍もアメリカの説得に応じなかったと言われている。2月23日には「人道的援助物資」の演出も失敗した。イギリスの富豪が主催するコンサートで人を集めることもできなかった。国民を揺さぶり、何らかの工作の前段階として停電を仕掛けても不思議ではない状況にベネズエラはある。
2019.03.09
グアムのアンダーセン空軍基地を飛び立った2機のB-52戦略爆撃機が3月4日に南シナ海から東シナ海にかけての空域を飛行した。前回の飛行は昨年(2018年)11月。アメリカ太平洋空軍は通常の訓練飛行だとしているが、中国の近くを飛行しているわけで、挑発、あるいは恫喝と見られても仕方がない。 アメリカはこの空域を含む東アジアのほか、ウクライナやシリア(中東)で軍事力を行使、ベネズエラでクーデターを目論み、ここにきてインド周辺で軍事的な緊張を高めている。 ベネズエラはアメリカ支配層が自分たちの「裏庭」だとしているラテン・アメリカの再植民地化を完了させることが目的だろうが、ウクライナ、中東、インド、東アジアは19世紀から続くアングロ・サクソンの長期戦略に基づいている。 イギリスの支配層は中国(清)を植民地化し、その富を略奪する目的で1840年から42年にかけてアヘン戦争、56年から60年にかけてアロー戦争(第2次アヘン戦争)を仕掛けた。両戦争でイギリスは勝利したものの、内陸部を占領する兵力がなかったことから傭兵として日本人が利用されたと本ブログでは考えている。そのための明治維新だ。 関東大震災の復興支援を頼ったことからアメリカのJPモルガンが日本に大きな影響を及ぼすようになったが、この巨大金融機関の創設者、ジョン・ピアポント・モルガンはナサニエル・ロスチャイルドが自分たちのアメリカにおける代理人に据えた人物だ。 その後の展開は本ブログでも何度か書いているので今回は割愛するが、ジョセフ・グルーという名前だけは頭に入れておいて欲しい。この人物は戦前レジームと戦後レジームを結びつけるキーパーソンである。 19世紀からアングロ・サクソンは中国の完全な植民地化、つまりすべての富を奪おうとしてきた。1945年4月にニューディール派のフランクリン・ルーズベルト大統領が急死するとホワイトハウスの実権をウォール街が奪還、中国では国民党政権の樹立を目指して支援した。 この計画が失敗、コミュニストの中華人民共和国が1949年に成立してしまう。そして1950年に朝鮮戦争が勃発、51年1月にCIAの破壊工作を統括する副長官にアレン・ダレスが選ばれ、その年の4月にCIAの顧問団に率いられた国民党軍が中国領内に侵攻したが撃退され、翌年の8月にも同じように国民党軍が中国への軍事侵攻を試みたが失敗に終わった。 山岳地帯での戦闘に不慣れなアメリカ軍は朝鮮戦争で大規模な空爆を実施、2割とも3割とも言われる人びとを虐殺したが、苦戦した。旧日本軍の将校からアドバイスを受けて盛り返したと言われている。その戦争は1953年7月に休戦、アレン・ダレスの兄にあたるジョン・フォスター・ダレス国務長官は54年1月にNSC(国家安全保障会議)でベトナムにおけるゲリラ戦の準備を提案、それを受けてCIAはSMM(サイゴン軍事派遣団)を編成した。 この流れから考えて、朝鮮戦争もベトナム戦争も対中国戦争の一環だろう。その戦争は今も続いている。ベトナムのハノイで2月27日と28日にかけて行われたドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の会談もそうした視点から見る必要がある。米朝問題の本質は米中問題だ。アメリカの支配層が純粋に朝鮮半島の平和を望んでいるなどということは考えられない。当然、日本もアメリカの戦争に巻き込まれている。
2019.03.08
アメリカのドナルド・トランプ大統領は何人かの議員に対し、アメリカ軍部隊をシリアへ残留させることに100%同意すると伝えたという。昨年12月20日、トランプ大統領がシリアから2000名のアメリカ軍地上部隊を撤退させるように命令したと報道され、国防長官だったジェームズ・マティスは撤退の命令書に署名したのだが、その決定を翻すものだと言える。 大統領が軍隊の撤退命令の署名するという情報が流れると議会や有力メディアから批判が噴出、政権の内部でもマイク・ペンス副大統領、ジョン・ボルトン国家安全保障補佐官、マイク・ポンペオ国務長官が造反、マティス長官は2019年2月一杯で辞任すると表明した。 しかも現地のアメリカ軍はシリアで軍備を増強、撤退するようには見えなかった。本ブログでも書いたように、命令が出た直後にアメリカ軍はイラクからシリアにある同軍の平坦拠点へ軍事車両や軍備品を150両近いトラックで運び込んでいると伝えられている。 これもすでに書いたことだが、イラクの治安を担っているハシド・アル・シャービ(人民動員軍)の東部地区を担当している司令官によると、アメリカ軍はシリア東部にいるダーイッシュへ軍事情報を渡している。アメリカ軍はシリア東部に建設した軍事基地を増強するために物資を運び込み、シリアとの国境に接したイラクの西部地域を軍事的な拠点にしつつあるとも語っている。 つまり、今回のトランプ発言は自分の命令に閣僚も軍も従わないため、それを追認しただけのことだろう。善意に解釈すると、トランプは大統領としての権限を持っていない。もし権限を持っているなら、大嘘つきということになる。 撤兵に反対している人びとはダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の脅威が去っていないと主張しているのだが、ダーイッシュにしろアル・カイダ系武装集団にしろ、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を主力とする傭兵にすぎない。 2001年6月から04年6月までイギリスの外務大臣を務めたロビン・クックが05年7月に指摘していたように、アル・カイダとはCIAの訓練を受けたムジャヒディンの登録リスト。つまりアル・カイダという武装集団は存在しない。 シリア政府の要請を受けたロシア軍が2015年9月30日に介入してアメリカなどが送り込んだ傭兵部隊が壊滅状態になるとアメリカ軍はヘリコプターなどで戦闘員の救出を繰り返してきた。助け出されたのは幹部クラスや外国人だろう。侵略国の軍人や情報機関員も侵略作戦に参加していたと言われているので、そうした人びとも含まれていた可能性がある。 こうした傭兵部隊が敗走を始めるとアメリカなど侵略国はクルドを手先として使い始めたのだが、侵略勢力の中からトルコやカタールが離脱、クルドを敵視するトルコとアメリカとの関係が悪化、それにともなってアメリカとクルドの関係は微妙になっている。 アメリカの有力メディアや議員がダーイッシュの脅威を主張しているということは、アメリカの支配層は新たな傭兵を集めて軍事侵略を再度試みようとしていることを暗示している。
2019.03.07
ベネズエラのニコラス・マドゥロ政権を倒すためにアメリカの支配層が舞台に上げた人形がフアン・グアイド。このグアイドが2月下旬に不法出国、22日にコロンビアへ入り、マイク・ペンス米副大統領と会談してからラテン・アメリカ諸国を歴訪、3月4日にベネズエラへ戻った。 ベネズエラの法律が適用されるとグアイドは懲役30年を言い渡される可能性もあるらしいが、実際はマドゥロ政権に無視され、無事入国できた。入国を拒否される、逮捕されるといった話が飛び交っていたが、そういう展開をアメリカの支配層は望んでいたのだろう。 本ブログでも書いたことだが、グアイドは事前に何かが23日に起こると予告、その日にイギリスの富豪が主催するコンサートが開かれ、同じ日に「人道的援助物資」を積んだUSAID、つまりCIAのトラックがコロンビア領内に出現し、現在は使われていない橋を渡ってベネズエラ領へ侵入しようと試みた。 その際にグアイド派の一団は石と火炎瓶を投げ始め、その直後にトラックが火に包まれた。その原因はベネズエラ側にあるとグアイド派のメディアは主張、西側の有力メディアは同調するのだが、火炎瓶がトラックへ投げ込まれ、ガソリンがまかれる様子を撮影した映像がインターネット上で流れている。 コンサートに20万人以上が集まったとワシントン・ポスト紙は伝えていたが、その様子を撮影した写真から実際は1万5000人くらいと推測されている。 これも前にも書いたことだが、西側の有力メディアなどはベネズエラで物資が欠乏し、国民は食事もままならないと伝えているが、現地を取材したジャーナリスト、マックス・ブルメンソールはそうした事実を否定する映像をインターネットで伝えている。 また、ピンク・フロイドのメンバーだったロジャー・ウォルタースはカラカスにいる彼の友人から伝えられた現地の様子を書いているが、それによると現地では内戦も混乱も殺人も独裁も反対派の大量拘束も言論封殺もないという。 1月28日にジョン・ボルトン国家安全保障補佐官は記者会見の場へ「5000名の部隊をコロンビアへ」と書き込んだノートを持ち込んで話題になったが、ロシア安全保障会議のニコライ・パトルシェフによると、アメリカの特殊部隊がプエルト・リコやコロンビアへ入ったという。 グアイドが帰国した際に逮捕などで混乱した場合、何らかの「偽旗作戦」を実行し、一気に戦乱へというシナリオがあったかもしれない。 国民の多数はマドゥロを支持、アメリカの支配層は軍を買収することに失敗、通常のクーデターは難しい状況。周辺国を使った軍事侵攻や傭兵の調達もも容易ではないようだ。 そこで思い出す出来事がある。フィリピンでフェルディナンド・マルコスのライバルだったベニグノ・アキノ・ジュニアが1983年8月に帰国した際、マニラ国際空港で殺され、86年2月にアメリカ軍がマルコスを拉致したのだ。マルコスに替わって大統領に就任したのはベニグノの妻、コラソン・アキノ。ベニグノとコラソンの息子であるベニグノ・アキノ3世と同様、アメリカの傀儡として働くことになった。
2019.03.06
アメリカ主導軍がシリアのデリゾールに取り残されたダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の村を空爆、その際に化学兵器と見なされている白リン弾を使用して女性や子どもが犠牲になっていると伝えられている。 ダーイッシュとはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を主力とする傭兵のひとつで、アル・カイダ系武装集団と本質的な差はない。ジハード傭兵、あるいは派遣戦闘員とも呼べるだろう。主な雇い主はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟だが、トルコ、カタール、イギリス、フランスなどの系統もあるようだ。 こうした雇い主、つまり侵略勢力は2016年以降に分裂、必然的に傭兵部隊も分裂し、部隊間で戦闘も行われているとされている。攻撃されたダーイッシュの部隊は切り捨てられたのか、何らかの交渉の材料に使われているのかもしれない。 サウジアラビアでこうしたジハード傭兵を動かしていたのはトゥルキ・ビン・ファイサルやバンダル・ビン・スルタンと言われている。ふたりとも総合情報庁長官の経験者で、前者の任期は1979年から2001年9月1日(9/11の10日前)まで、後者は12年7月から14年4月までだ。両者は2017年6月にモハマド・ビン・サルマンが皇太子になってから粛清の対象。サウジアラビアの姿勢も微妙だ。 2015年9月30日にシリア政府の要請でロシア軍が介入して以来、こうしたジハード傭兵の支配地域は急速に縮小して現在は壊滅寸前である。手先を失ったアメリカ軍は相当数のジハード傭兵を救出、保護する一方でダーイッシュを殲滅したのは自分たちだと宣伝している。 供出した傭兵の一部をアメリカ軍はアフガニスタンへ運んだと伝えられていたが、ここにきてイラクの西部に1000名ほどを集め、訓練しているという情報が流れている。 本ブログでもすでに書いたことだが、イラクの治安を担っているハシド・アル・シャービ(人民動員軍)の東部地区を担当している司令官によると、アメリカ軍が軍事情報をシリア東部にいるダーイッシュへ渡しているという。アメリカ軍はシリア東部に建設した軍事基地を増強するために物資を運び込み、シリアとの国境に接したイラクの西部地域を軍事的な拠点にしつつあるとも語っている。 ジハード傭兵が敗走するとアメリカ軍はクルド勢力を手先として使い始めたが、バシャール・アル・アサド政権の打倒が難しくなったと判断したクルドはそのアサド政権と話し合いを始めた。 現在、アメリカはクルドとダーイッシュの代表と三者会談を続けているようだが、そうした最中、ダーイッシュがイラクやシリアで盗んだ金塊を山分けしているという話が出ている。すでに50トンほどはアメリカへ運び去られたと伝えられているが、クルドへも流れている疑いがある。引き留めのための買収なのかもしれない。
2019.03.05
アングロ・サクソンの長期戦略は1991年12月にソ連が消滅したことで目的をほぼ達成したように見えた。アメリカの支配層だけでなく、少なからぬ人がアメリカは唯一の超大国になったと信じる。そして1992年2月に作成されたのが潜在的なライバルを潰し、力の源泉であるエネルギー源を支配する戦略。国防総省のDPG草案という形で1992年2月に作成された。 その当時のアメリカ大統領はジョージ・H・W・ブッシュ、国防長官がディック・チェイニー、国防次官がポール・ウォルフォウィッツ。このウォルフォウィッツが中心になって書き上げられたことからウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。 当然のことながら、アメリカの支配層は属国である日本もこのドクトリンにしたがって政策を変更するように求めてくるが、反応は鈍かった。 怒ったネオコンは自分たちでプランを作成する。それが1995年2月に発表された「東アジア戦略報告」。国防次官補だったジョセイフ・ナイが書き上げたことからナイ・レポートとも呼ばれている。 この文書は日本に対して国連中心主義を放棄し、アメリカの単独行動を容認するように求めている。この年に日本はアメリカの戦争マシーンへ組み込まれたのだ。1995年は日本にとって節目となる年だ。 その直前、1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ(松本サリン事件)、ナイ・レポートが発表された翌月の95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布され(地下鉄サリン事件)、その月の30日には警察庁長官だった國松孝次が狙撃されて重傷を負っている。 8月27日付けのスターズ・アンド・ストライプ紙には、1985年8月12日に墜落した日本航空123便に関する記事が掲載されたことも無視できない。墜落当時、大島上空を飛行していたアメリカ軍の輸送機C-130の乗組員だったマイケル・アントヌッチの証言に基づく記事で、自衛隊の責任を示唆している。 アンドヌッチらは上官から口外しないように命令され、10年の間沈黙を守っていたのだが、このタイミングで公表した。この新聞はアメリカ軍の準機関紙であり、アメリカ軍上層部が証言とその証言の掲載を許可、あるいは命令したのだろう。 1995年に日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれた。沖縄県の普天間基地の返還合意が発表されたのはその翌年の4月。1995年に引き起こされたアメリカ兵による少女暴行事件が理由だとされているが、似たような事件は繰り返されてきたわけで、これは表面的な理由だろう。 21世紀に入ってロシアはウラジミル・プーチンらによって再独立に成功、ウォルフォウィッツ・ドクトリンの前提は崩れたのだが、このドクトリンも放棄されていない。ドクトリンを軌道に戻すため、アメリカの支配層はロシアや中国に対する攻撃を強めるつもりだろう。 昨年(2018年)5月に米太平洋軍は米インド・太平洋軍へ名称が変更になった。担当海域が大幅に拡大したわけだ。太平洋の拠点は日本、インド洋の拠点はインド、ふたつをつなぐ役割をインドネシアが担うという。ディエゴ・ガルシア島も重要な役割を果たすことになる。 中国は一帯一路と呼ばれる政策を推進、ユーラシア大陸の東と西を結びつけようとしているが、これを寸断するためにアメリカはジハード傭兵などを投入して戦争の種を要所要所にまいている。 南シナ海や東シナ海を中国の船が自由に航行することをアメリカは阻止するつもりだろう。朝鮮半島が鉄道、道路、パイプラインが結びつけられることもアメリカ支配層は受け入れられない。彼らが認める朝鮮半島の統一とは、そこが自分たちの支配地域になる場合だけだろう。朝鮮側がアメリカへ全面降伏する意思がない以上、トランプ大統領と金正恩委員長の交渉が行き詰まるのは必然だったと言える。(了)
2019.03.04
朝鮮側から流れている情報によると、金正恩労働党委員長はドナルド・トランプ米大統領との朝鮮半島の非核化を目的とした交渉に興味を失った可能性があるという。 アメリカの支配層と話し合っても意味はないと言う人もいるが、それは彼らに歩み寄るという発想がなく、交渉とは自分たちの意向に従うかどうかだからだ。しかも約束を守らない。朝鮮が交渉を続けるとしたなら、それは交渉自体に意味がある場合だけだろう。 本ブログでは繰り返し書いているように、アメリカやイギリス、つまりアングロサクソン系の国々の支配層は20世紀初頭にハルフォード・マッキンダーがまとめたハートランド理論に基づいて今でも行動している可能性が高い。 その理論とは世界制覇のためにはロシアを制圧する必要があり、そのためにユーラシア大陸の沿岸部を支配して内陸部を締め上げていかなければならないというもの。 つまり、西ヨーロッパ、パレスチナ(1948年にイスラエル建国を宣言)、サウジアラビア(サウード家のアラビアを意味するサウジアラビアが登場するのは1932年)、インド、東南アジア諸国、朝鮮半島をつなぐ内部三日月帯を、またその外側に外部三日月帯を想定、内陸部に圧力をかけていこうというわけだ。そうした三日月帯の西の果てがイギリス、東の果てが日本である。 イギリスは中国(清)を侵略して富を奪うため、1840年から42年にかけてアヘン戦争、56年から60年にかけてアロー戦争(第2次アヘン戦争)を仕掛けて勝利した。麻薬を売りつけるだけが目的ではない。 戦争の結果、清は広州、厦門、福州、寧波、上海の開港とイギリス人の居住、香港の割譲、賠償金やイギリス軍の遠征費用などの支払いを最初の戦争で認めさせられ、次の戦争では賠償金の支払い、天津の開港、九龍半島の割譲を認めさせられている。香港はイギリスによるアヘン密輸と侵略戦争の象徴だ。 しかし、当時のイギリス軍に清の内陸部を支配する力はなかった。戦争でイギリス軍が制圧できたのは沿岸の一部地域だけ。内陸を支配するためにはそれなりの規模の地上部隊が必要だった。そこで目をつけられたのが日本だ。 イギリスを後ろ盾とする薩摩と長州が徳川体制を倒して明治体制をスタートさせ、琉球併合、台湾への派兵、江華島での軍事的な挑発、日清戦争、日露戦争と続くが、これはイギリスの戦略に合致している。明治政府の支配層はそれが自分たちの私的な利益につながると認識していただろう。 日本は関東大震災でウォール街に君臨していたJPモルガンの影響下に入ったが、この巨大金融資本は歴史的にイギリスのシティを拠点とする巨大資本の支配下にあった。 アメリカでは1932年の大統領選挙でウォール街と対立していたニューディール派の大統領、フランクリン・ルーズベルトが勝利する。ルーズベルトを生んだ一族は支配層の一角を占めているが、自身が病気で下半身不随になったこともあり、その出身母体から離れたという。1933年から34年にかけてウォール街がニューディール派政権を倒そうとクーデターを計画したのはそのためだ。 その1932年、つまりウォール街と強う結びついていたハーバート・フーバー政権の最後の年にアメリア大使として日本へ送り込まれたジョセフ・グルーはJPモルガンの総帥の妻の従兄弟。この人物は日本の政界、財界、そして皇族にも太いパイプを持っていた。第2次世界大戦後、日本の進路を決めたジャパン・ロビーの中心はジョセフ・グルーにほかならない。 ちなみにグルーの妻は少女時代に華族女学校(女子学習院)で学んだことがあり、その曾祖父にあたるオリバー・ペリーはアメリカ海軍の伝説的な軍人で、その弟は「黒船」で有名なマシュー・ペリーだ。(つづく)
2019.03.04
ダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)がイラクやシリアで盗んだ金のインゴット約50トンをアメリカ軍が自国へ運び去ったと中東では伝えられている。その代償として戦闘員たちの安全を保証しているのだという。 アメリカが金を持ち去ったという話はこれまでにもあった。例えばウィキリークスが公表したシドニー・ブルメンソールからヒラリー・クリントンへあてた2011年4月2日付け電子メールに出てくるリビアのムアンマル・アル・カダフィ政権が保有していた143トンの金と同量の銀。(フィナンシャル・タイムズ紙によると少なくとも143.8トン)金は金貨ディナールという全アフリカ通貨に使われることになっていた。 2014年2月にアメリカはウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを成功させたが、その際、ウクライナ政府が保有していた金のインゴットをアメリカへ秘密裏に運び去ったという噂が流れている。同年3月7日の午前2時、ポリスポリ空港に4輌のトラックと2輌の貨物用のミニバスが現れ、そこから40個以上の箱をマークのない航空機へ運び込まれたと言われている。その中身は金塊だというのだ。 1991年12月にクーデターで消滅したソ連の場合、消滅の直前にゴスバンク(旧ソ連の国立中央銀行)に保管されていた金塊2000トンから3000トンが400トン程度に減っていたとも言われている。クーデター派(CIA人脈とKGBの腐敗勢力)が盗み出したというのだ。 日本軍にも金を盗んだという話が残っている。1918年に日本が革命直後のソ連へ派兵、22年まで留まっているが、そのときの話だ。この問題を最初に取り上げたのは憲政会の中野正剛で、持ち帰った金塊は1万2000キログラムに達すると考えられている。その大半は朝鮮銀行の下関支店に運ばれ、そこから大阪造幣局へ移され、またルーブル金貨は朝鮮銀行か横浜正金銀行で日本の通貨に換金されたと推測されている。 中国では財宝の略奪作戦を日本軍は実行したことがわかっている。ジャーナリストのスターリング・シーグレーブとペギー・シーグレーブによると、その略奪作戦「金の百合」を指揮していたのは秩父宮雍仁で、その補佐をしていたのが天皇の従兄弟にあたる竹田宮恒徳。政府や金融機関が保有していたものだけでなく、裕福な家に押し入って金や宝石などを略奪、その総重量は6000トンに達したという。 こうした財宝の一部は日本へ持ち帰られたが、途中で船を使うことが困難になり、集積地だったフィリピンへ隠された。その隠し場所を聞き出すために日本軍の将兵はアメリカ軍に尋問されているが、その責任者はOSSのオフィサーだったエドワード・ランズデール。この人物は戦後、CIAの幹部として秘密工作に参加している。結局、アメリカの支配層は日本が略奪した財宝を横取りすることになる。 大戦中、ドイツも金塊を略奪している。ヨーロッパの場合、財産は銀行に集中して保管されているため、容易に盗み出せたという。これがいわゆるナチ・ゴールドだ。この金塊の多くもアメリカ支配層が横取りしている。 その一部はアルゼンチンへ運ばれたが、フアン・ドミンゴ・ペロンと結婚したエバ・ドアルテ(エビータ)はその財宝を庶民のために流用していたと言われている。エビータは1952年に33歳で死亡、弟のフアン・ドアルテは1954年に頭部を銃で撃たれて死んだ。自殺だとされている。ペロン政権は1955年に軍事クーデターで倒された。 ラテン・アメリカではヨーロッパ人が膨大な貴金属を盗み、資源を略奪した。その象徴的な存在がボリビアのポトシ銀山だろう。18世紀までにポトシ銀山だけで15万トンが運び出されたとされているが、実態は不明。それがヨーロッパ支配層の富になっている。イギリスが通貨を支配できたのは南アフリカを侵略、金鉱山を支配できたからだ。
2019.03.03
舞踊家で天皇制に反対する活動家でもある花柳幻舟が2月28日に死亡した。 身につけていたポシェットの中にあったデジタルカメラに碓氷第3橋梁(めがね橋)の上から撮影した写真が残っていたほか、橋の上に傘があり、現場に争った形跡がなかったとして安中警察署は転落事故だとしている。写真を花柳幻舟が撮影した確証はあるのか不明で、別の場所で争った可能性もある。 現天皇が即位した際、1990年11月12日にパレードが行われたが、彼女は天皇が乗った自動車の近くで爆竹を破裂させ、道路交通法違反で罰金刑が言い渡されている。その際に罰金の支払いを拒否、東京拘置所で20日間の労役に服した。 そのときに即位した天皇は今年(2019年)4月30日に退位、翌日には新天皇が即位する予定だ。その約2カ月前に著名な反天皇制の活動家が死亡。大きな出来事がある際にしばしば見かける奇妙な偶然のひとつと言えるかもしれない。
2019.03.02
ベトナムのハノイで2月27日と28日にかけて行われたドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の会談で合意に至らなかった。トランプ大統領は金正恩が核施設を廃棄する見返りに経済制裁の全面解除を求めたとしているが、朝鮮の李容浩(または李勇浩)外相は部分解除の条件として核施設の廃棄を提示したとしている。韓国で伝えられている情報によると、アメリカ側は核プログラムの完全な廃棄だけでなく、生物化学兵器も含めるように求めたという。 今回の会談にはアメリカからマイク・ポンペオ国務長官とジョン・ボルトン国家安全保障補佐官も参加している。シリアからのアメリカ軍を撤退させるというトランプ大統領の命令に公然と反対したコンビだ。ポンペオとボルトンは朝鮮半島、そして東アジアの平和を望んでいないだろう。 かつてアメリカのジョージ・W・ブッシュ政権はリビアと似たような交渉をしたことがある。その結果、リビアのムアンマル・アル・カダフィ政権は2003年に核兵器や化学兵器の廃棄を決定したが、アメリカは約束を守らずに「制裁」を続けた。そして2010年、バラク・オバマ大統領がムスリム同胞団を使った侵略計画のPSD-11を承認、カダフィ体制が倒されただけでなく、破壊と殺戮が今でも続いている。ヨーロッパより国民が豊かな生活を送っていたと言われるリビアの面影はない。 日本では肯定的に捉える人がいる東西ドイツの統一も問題が多い。1989年にベルリンの壁が壊され、90年に統一されたのだが、その際の約束をアメリカ側は守っていない。ジョージ・H・W・ブッシュ政権のジェームズ・ベイカー国務長官はソ連のエドゥアルド・シェワルナゼ外務大臣に対し、統一後もドイツはNATOにとどまるものの、東へこの軍事同盟を拡大することはないと約束していたが、今はロシアの国境近くまでNATOを拡大させ、ミサイルを設置、軍隊を配備して軍事的に脅している。 トランプはベトナムのケースを口にするが、これも問題。アメリカとの戦争に勝利したベトナムだが、戦乱で国土は破壊されて惨憺たる状態。多くの人が殺され、インフラが破壊されただけでなく、化学兵器の一種である枯れ葉剤(エージェント・オレンジ)やナパーム弾の影響も残っている。そうした中、後ろ盾だったソ連が消滅した。 ソ連が消滅してから3年後の1994年にアメリカはベトナムへの経済戦争を中止するが、その代償としてベトナムは新自由主義を受け入れなければならなかった「毒饅頭」を食べることになったとも言える。しかもベトナム戦争中にアメリカ側が行った犯罪的な行為は不問に付され、ベトナムの庶民は低賃金労働者として西側巨大資本のカネ儲けに奉仕させられている。 こうしたアメリカ支配層の行動は20世紀初頭にハルフォード・マッキンダーがまとめたハートランド理論に基づいているように見える。ユーラシア大陸を囲むように西ヨーロッパ、パレスチナ(1948年にイスラエル建国を宣言)、サウジアラビア(サウード家のアラビアを意味するサウジアラビアが登場するのは1932年)、インド、東南アジア諸国、朝鮮半島をつなぐ内部三日月帯を、またその外側に外部三日月帯を想定、内陸部、つまり中国やロシアを締め上げようというわけだ。そうした三日月帯の西の果てがイギリス、東の果てが日本である。日本はイギリスやアメリカにとって侵略の拠点であり、日本人は彼らの傭兵だと言えるだろう。 この戦略を放棄しない限り中東や東アジアからアメリカ軍が撤退することは考えられない。この戦略に執着しているアメリカ支配層は朝鮮半島の平和も望んでいないだろう。 現在、ロシアを中心に中国や韓国が計画している鉄道やパイプラインの建設計画は東アジアを経済的に結びつけるものであり、アメリカの支配層が認めるとは思えない。こうした面からも今回の米朝会談が不調に終わったのは必然だった。
2019.03.01
バラク・オバマ大統領はロシアとの関係を悪化させる政策を推進していたが、クリントンはその政策を継承、核戦争も辞さない姿勢を示していた。それに異を唱えたのが民主党ではバーニー・サンダース、そして共和党のドナルド・トランプだ。 本ブログでも繰り返し書いてきたが、選挙の風向きが変化したのは2016年2月3日のこと。ヘンリー・キッシンジャーがモスクワを訪問、ウラジミル・プーチンと会談したのだ。そして3月からウィキリークスはヒラリー・クリントンの電子メールを公表しはじめる。 7月22日にはDNC(民主党全国委員会)の電子メールも明らかにされるのだが、その中には、民主党の幹部へバーニー・サンダースが同党の大統領候補になることを妨害するよう求めるものも含まれていた。民主党の幹部やクリントン陣営はトランプの前にサンダースを潰しにかかったのだ。それが発覚した。 この電子メールはハッキングされたと主張する人もいるが、データの分析からハッキングではなく内部でダウンロードされたと推測する専門家は少なくない。7月10日に射殺されたDNCのスタッフ、セス・リッチがウィキリークスへ渡したと考える人もいる。 警察は強盗がリッチを殺したと発表しているが、それに納得できなかったリッチの両親は元殺人課刑事の私立探偵リッチ・ウィーラーを雇って調査を始める。 この探偵によると、セスはウィキリークスと連絡を取り合い、DNC幹部の間で2015年1月から16年5月までの期間に遣り取りされた4万4053通の電子メールと1万7761通の添付ファイルがセスからウィキリークスへ渡されているとしている。のちにウィラーガーが雇い主に無断で調査結果を外部で話したことが問題になり、情報は出なくなった。 電子メールの件では国務長官時代のクリントンが機密情報の取り扱いに関する法規に批判した可能性が指摘され、FBIが捜査したのだが、ジェームズ・コミーFBI長官は取り扱いが「きわめて軽率」だと認めたが、不起訴にした。 声明の中に出てくる「きわめて軽率(Extremely Careless)」という表現は元々「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だったとされている。それが書き換えられた。「非常に怠慢」だと認められた場合、罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられるため、表現を変えたと見られている。 クリントンが3万2000件近い電子メールを消去してしまったことも不起訴の理由として挙げられているのだが、全てのメールはNSAが記録しているので理由にならない。この件をFBIは封印したいのだ。 最近、アンドリュー・マッケイブ元FBI副長官は新たなFBIの反トランプ工作を明らかにした。2017年5月にトランプ大統領がジェームズ・コミーFBI長官を解任した後、彼は同僚とドナルド・トランプ大統領をホワイトハウスから追放する謀議を行ったというのだ。 そのほかにも民主党やクリントンだけでなくCIA、FBI、司法省などがトランプをターゲットにした秘密工作を展開していたことは本ブログでも繰り返し書いてきた。 アメリカ支配層が執拗にロシア攻撃を続けている最大の理由は破綻した世界制覇プランを再び軌道に乗せるためだろう。そのプランは1992年2月に国防総省のDPG草案という形で作成された。 当時のアメリカ大統領はジョージ・H・W・ブッシュ、国防長官がディック・チェイニー、国防次官がポール・ウォルフォウィッツ。ウォルフォウィッツが中心になって書き上げられたことからウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。 そのドクトリンが作成される直前、1991年12月にソ連が消滅した。アメリカが唯一の超大国になったと認識した彼らは潜在的なライバルを潰し、資源を独占しようとしたのだが、そのプランは21世紀に入ってウラジミル・プーチンがロシアを再独立させたことで狂った。まだロシアの経済はアメリカやイギリスの巨大金融資本に支配されているが、それでも外交や安全保障はプーチンたちが取り戻した。 ネオコンのような勢力は世界制覇の実現という夢を捨てていない。そのためにはロシアを再植民地化し、ライバル化しつつある中国も潰さなければならないというわけだ。ユーラシア大陸の沿岸部分を支配して内陸部を締め上げるという長期戦略も継続している。 中期戦略から見ても長期戦略から見ても、彼らは中東を手放そうとはしないはずだ。朝鮮半島を含む東アジアが経済活動で結びつくこともアメリカ支配層は許さない。日本はその手先として働かされるだろう。そうした視点からトランプ大統領と金委員長のハノイ会談を見る必要がある。(了)
2019.03.01
ベトナムでドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が会談していた2月27日、アメリカ下院管理委員会の公聴会にトランプの顧問弁護士だったマイケル・コーエンが登場した。 「ロシアゲート」に関する爆弾発言をすると議員や有力メディアがかつて宣伝していた人物だが、何も出てこなかった。「羊頭を掲げて狗肉を売る」だ。今回も売られたのは狗肉。茶番だった。 コーエンは冒頭の声明でトランプの悪口を書いていたが、ロシアとのスキャンダルと言えるようなものは含まれていなかった。人種差別主義者で口が上手く詐欺師だというのだが、個人的な感想を並べただけで何の意味もない。それで有力メディアは騒いだのかもしれない。 ロシアとトランプとの関係についての話は、2016年7月にトランプの事務所にいたときにロジャー・ストーンから電話が入り、ウィキリークスのジュリアン・アッサンジから数日後にヒラリー・クリントンの選挙運動に大きなダメージを与える電子メールを公表すると知らされたと連絡してきたという話くらいだ。記者を含め、この程度の情報を知らされていた人は少なくないだろう。 ちなみにストーンは今年(2019年)1月25日、ロバート・マラー特別検察官の捜査に絡んで逮捕されたが、本人は無罪を主張している。 ロシアゲート疑惑の開幕はアダム・シッフ下院議員が2017年3月に下院情報委員会で告げた。2016年の大統領選挙にロシアが介入したとする声明を出したのだが、証拠は何もなかった。それにもかかわらず、その年の5月にロバート・マラーが特別検察官に任命されたのである。 アメリカの支配層は2015年の段階でヒラリー・クリントンを次期大統領に内定していたと言われている。その根拠のひとつは、2015年6月11日から14日にかけてオーストリアで開かれたビルダーバーグ・グループの会合にジム・メッシナというヒラリー・クリントンの旧友が出席していたからだ。(このグループについての説明は割愛する) アメリカの選挙は資金力が物を言う仕組みになっていて、支配層に選ばれた人物が当選する確率が高い。選挙制度はそうした支配層のカネにどっぷりつかった民主党や共和党が優遇されるようになっている。 それだけでなく、投票が不正操作されている疑いも指摘されていた。例えば、裁判所が当選者を決めた2000年の大統領選挙。選ばれたのはネオコンに担がれたジョージ・W・ブッシュだった。 この選挙ではバタフライ型投票用紙などが原因で開票作業は混乱、通信社のAPが「スーパー代議員(上位代議員、あるいは特別代議員と訳されている)」の投票予測でクリントンが圧倒、勝利は確定していると宣伝してブッシュ当選の雰囲気が作られたことでも話題になった。 2016年の選挙を前にアメリカでは投票の電子化が進み、不正は容易になったと指摘されていた。ヒラリー・クリントンを当選させるために不正システムが使われるのではないかと懸念されていたのだ。(つづく)
2019.03.01
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