《櫻井ジャーナル》

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2011.12.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 日本政府は妄想と現実の区別がつかなくなっている。

 東京電力の福島第一原発が「過酷事故」を起こし、周辺地域を汚染しただけでなく、大気や海洋に大量の放射性物質を放出、その影響は全世界に広がりつつある。当然、各国の日本を見る目は厳しい。

 そうした中、野田佳彦首相は「発電所の事故そのものは収束に至ったと判断される」と宣言、来年4月には警戒区域を解除し、年間20ミリシーベルト未満を「避難指示解除準備区域」として帰宅させる方向で動き出そうとしている。

 野田首相が本心から事故の収束を信じているのかどうか不明だが、原子炉内部の状況が明らかになっていない現在、事故が収束したと考えている人は多くないだろう。記者会見で首相はあたかも内部の温度分布がわかっているかのように発言していたが、そうした情報はこれまで発表されていない。

 昨年、東京電力はイスラエルのマグナBSPとセキュリティ・システムに関する契約を結んでいる。 3月15日付けエルサレム・ポスト紙 3月18日付けハーレツ紙 によると、原子炉の周辺にセットされたカメラは立体映像で、熱や放射性物質も感知できたようだが、事故の際に破壊されたと見られていた。このシステムが機能していたのならば、そのデータを速やかに公開する義務が東電や政府にはある。

 政府が「安全デマ」を流す中、原発周辺の深刻な放射能汚染を明るみに出したのはフリーランスのカメラマンであり、原子炉内の破滅的状況に肉薄していったのは、かつて自身も原子炉の設計に携わったことのある元技術者であり、海洋汚染のひどさを明らかにしたのはヨーロッパを拠点とする民間の環境保護団体であり、街に出回っている食品汚染を明らかにしているのも民間の団体、というのが実態だ。つまり、政府や東電はいまだにデマを発信、大手メディアはそうした情報を垂れ流している。原発に対する批判的な報道もあるが、扱いは小さく、「アリバイ工作」的だ。

 しかし、アメリカでは公的な機関である原子力(核)規制委員会(NRC)は福島第一原発の状況について厳しい見方をしている。遅くとも 4月上旬の段階で溶融した燃料棒が圧力容器の底から格納容器に融け出ている可能性が高いと指摘

 また、4月の段階で NRCは使用済み燃料プールから吹き上げられた燃料棒の破片や粒子は上空1マイル(約1.6キロメートル)の地点にまで達し、原子炉建屋の間に落ちたとしていた のだが、 7月28日に行われた会議 で委員会のスタッフ、ジャック・グローブ(原子炉規制局副局長)とゲイリー・ホラハン(新炉局副局長)は、放射性物質の出所は圧力容器の中だとしている。

 アメリカのコンサルタント会社、フェアウィンズの主任エンジニアを務めているアーニー・ガンダーセンが紹介( 8月21日付け映像 )しているので知っている人も多いだろうが、日本政府がこの件についてコメントしたという話は寡聞にして聞かない。

 このNRCは現在、 グレゴリー・ヤースコウ が委員長を務めている。原発に批判的なエド・マーキー下院議員の下で働いていたことのある人物で、原子力産業からは疎まれている存在のようだ。3月12日に菅直人首相は20キロ圏内の住民に避難を指示したが、NRCは50マイル(約80キロ)の内側にいるアメリカ人に避難するように勧告した。この決定はヤースコウ委員長の意向が反映されたようだ。

 このNRCの決定は間違っていなかったのだが、アメリカの原子力産業にとっては許し難かったようだ。こうしたことの積み重なりが今回の反ヤースコウ工作につながったと考えられている。委員長に反旗を翻した委員は クリスティン・スビニッキ ジョージ・アポストラキス ウィリアム・マグウッド 、そして ウィリアム・オステンドルフ マグウッドは東京電力のコンサルタント を務めていると伝えられている。

 1997年12月に京都で「温室効果ガス」に関する議定書が議決されて以来、日本政府はアメリカと歩調を合わせるように、この問題と真剣に向き合おうとしないで現在に至っている。エネルギー消費の削減には消極的である一方、エネルギーを大量に消費し、声明の死滅に結びつきかねない放射性物質を大量に作り出す原子力を推進、これを「温室効果ガス」対策だとしてきた。日本と同じように気候変動問題を考えようとしないイギリスやアメリカは石油利権で成り立ってきた国であり、核エネルギーに執着している国でもある。





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最終更新日  2011.12.19 16:18:19


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