《櫻井ジャーナル》

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2019.10.06
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 ​ 10月に入り、イラク国内が政府に対する抗議活動が続いている ​ようだ。経済的な困窮や失業の問題が理由なのだが、そうした情況にサウジアラビア、イスラエル、アメリカがつけ込み、事態の深刻さを深めている。それに対し、政府は夜間の外出を禁止し、インターネットを使えないようにしたという。

 イラクの経済状況を悪化させている最大の原因はアメリカが始めた戦争である。この戦争のベースにあるのはネオコンが描いた戦略。彼らは1980年代からイラクのサダム・フセイン政権を倒して親イスラエル派の体制を樹立しようとしていた。

 フセインはCIAを後ろ盾にしていた人物だが、ネオコンからみると従属度が足りなかった。当時はトルコがイスラエルと友好的な関係にあり、イラクが親イスラエルになればトルコ、イラク、ヨルダンの親イスラエル国帯ができ、シリアとイランを分断できる。その上でシリアを潰し、最後にイランを倒すという目論見だった。

 1980年代のアメリカには非ネオコン勢力の力もあり、対立が生じる。非ネオコンの主要人物の中にはジョージ・H・W・ブッシュやジェームズ・ベイカーが含まれ、この対立がイラン・コントラ事件やイラクゲート事件が浮上する大きな原因になっている。ブッシュたちはフセインをペルシャ湾岸産油国の防波堤と考えていた。

 アメリカ軍が主導する連合軍は1991年1月から2月にかけてイラクを攻撃したが、その際にブッシュ大統領はフセイン体制を倒さなかった。その理由はそこにある。

 しかし、フセインの排除を望むネオコンは怒った。この戦争が終わった直後、国防次官のポール・ウォルフォウィッツはイラク、イラン、シリアを殲滅すると口にしていたという。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官の話だ。(​ 3月 ​、​ 10月 ​)

 2001年9月11日以降、ネオコンの力が強まり、非ネオコン派や統合参謀本部内の反対を押し切って03年3月にイラクを先制攻撃した。サウジアラビアが抜け出せなくなっているイエメンの戦争もイラク侵略が原因だ。

 フセイン体制が崩壊した後、アメリカは親イスラエル派の体制を樹立させようとして失敗、シーア派が実権を握り、イランとの関係が改善される。必然的にイラク政府とアメリカ政府との関係は悪化、アメリカはジハード傭兵をイラクに集中させようとしている。昔のネオコンのように、イラクの体制を潰し、親イスラエル派の体制に作り直したいのだろう。

 アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの3国同盟はテヘラン、バグダッド、ダマスカスを結ぶ交通路を攻撃してきたが、これはイラン、イラク、シリアが連携できないようにするためだ。シリアでロシアに敗れたアメリカはイラクを中東における新たな戦いの舞台にしようとしている可能性がある。






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最終更新日  2019.10.06 14:09:08


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