クックの部屋

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病気との戦い PART1




3年ほど前に、私はとある会社に出向していた。

いくつかの大きなプロジェクトがあり、問題等もあったためほとんど休みがなかった。
ようやく、1つのプロジェクトが終わりに近づいたときにそれはやってきた。
ブルースの詩の中にあるように「黒い犬」がやってきたのだ。

なんか、調子がおかしい、以前のような感覚ではないと思っていたら、悪いことに数多くのトラブルが私を襲ってきて、どうしようもなかった。
今考えてみれば、普段なら対応できるのはずのことができない。夜に何度も悪夢にうなされて起き上がり、体重もどんどん減っていった。
そのうち、人と話すことができなくなり、頭の中で悪魔が「死ね、死ね」とささやてくる。
車で交通事故を起こし、とんでもない失敗をしてしまったと怯え、疲れきっていた。
実際死のうとしで実行し失敗に終わった事もある。そのうち家族に病院へつれていかれた。
1度目は仕事があるからと拒んだが、2回目は強制的に入院。

病名はうつ病 まさか自分がなるなんて夢にも思ってなかった。

退院し、なんとか仕事もできるようになりそのうち病院にも行かなくなった。
反動なのか、今まで鎖につながれていたような感覚がなくなり、俄然やる気が出てきて思った
「これからは今までやれなかった事をしよう」
大学を卒業して仕事を一生懸命やってきたのだ。
「仕事もするが、昔やっていたバンドをやろう」

それから、同級生のベースマンに連絡し、飲み屋で知り合ったブルースギタリストとともにライブハウスに行った。
しばらく、バンド活動はしていなかったし、どの程度の人が出ているのか確かめたかったのだ。

出演していたのは2つのブルースバンドで結構そこでは有名なバンドだった。
たまたまその1つのバンドのギタリストが同級生だったのだが、演奏中に客席で大騒ぎし、マスターに「俺の方が700万倍すごい!」と訳のわからないことを言い出す始末。

終わった後に、マスターといろいろ話をした。
「今までの最高観客動員数は、どんと(元ボ・ガンボス)の時の97人」
ちなみにそんなに広い店ではない
「ブルースバンドでは聞く人が限定されてくるために、来客が少ない」
そんな事を話したと思うが、やる気満々の私はマスターにこう言った。

「俺が出る。ブルースバンドではなくソウルバンドだ。しかも全曲オーティスレディング。早くブッキングしてくれ!」
マスターはいきなり夜は出られないこと。日曜の昼にオーディションをかねてやってるんで、しばらく出てみて様子を見たほうがいいと言った。
仕方がないので、早速日にちを決めてもらい、押さえてもらった。

飲み屋で知り合ったブルースギターと同級生のベースマンにそのことを話すと、「そりゃ、無理じゃねーの」とか「まだ1回もこのバンドでやったことがないのに」
といったが、「もうブッキングしてもらったっちゃけんしょうがなかろーもん」

確かに、そのとうりだ。普通ライブハウスに出る時は、メンバー集めてスタジオで練習してからという手順を踏むべきだが、そんな暇はなかった。

最後にマスターに「俺がこの店を儲けさせちゃーけん」と宣言した。
マスターはなぜか笑って、「ブルースファンよりソウルファンのほうが、数が多いけんたのむよ!」と言われた。

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