クックの部屋

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伝説のイエロー・ブルース




日本でブルースバンドを結成し、クールスやダウンタウン・ブギウギバンドのプロデューサを勤めた後に結核になり、入院後単身でアメリカに渡って現在も活動中の大木トオルの自伝

矢沢永吉の「成り上がり」が「願望熱意型」の典型とすれば、大木トオルの「伝説のイエローブルース」は「不言実行型」の典型だろう。
接点があったのかどうかは知らないが、2人ともアメリカに渡った。
大金持ちになったのは永ちゃんだが、アメリカではパッとしなかった。この前巨額詐欺事件の判決が出たが、いまだに物凄いパワーだ。
ブルースとロックの違いもあるだろうが。

米国の東洋系ブルースシンガーとして初めて米国労働省の認可を受け、永住権を持っている凄い人。いろいろなブルースの祭典などにも出演しているが、日本では残念ながら今一知名度が無い。

日本で知り合った女性黒人シンガーを頼って、ビック・ファミリーという家族と一緒に生活しながら少しずつ溶け込んでいき
ニューヨークに渡って「TORU OKI BLUES BAND」(メンバーはほとんど黒人)を結成し日本公演成功からアルバート・キングとの共演までを描いたもの。
キング・オブ・ザ・ブルースのB・B・キングのマネジャーに前座で出ないかと言われ、「俺はブルースの王様になりたいんだ。それだけだ」と言い張り、東洋人をバカにした態度に反発して断ったシーンは鳥肌ものだ。

この人のステージを見たあの「美空ひばり」はものすごく感動し、曲を依頼してできたのだが、歌う前に死んでしまった。
その後、韓国のスーパースター パティ・キムが変わりに歌ったのが「魂のかけら」
もし美空ひばりが歌っていたら、この人への評価は全然違ったかもしれない。
その流れで、マネーの虎に出演中のひばむすは、この人の元で修行していた。

以前この人が日本に帰国中、バブルガム・ブラザースのTV番組に出演したのを見た。
そのころバブルガムの2人は大ヒットを出した後で、大木トオルにむかって
「俺たちが横にいるのが不思議なくらい凄い人だが、もし友達がブルースをやると言ったら絶対止めさせる、理由は儲からないから」と言っていた。
当時別の本でバブルガムの2人が「黒人に憧れるけどなりたいとは思わない」と発言したのが、ブラックミュージックファンの間で物議を招いていた。
要は「いいとこ取り」じゃないかということ。

一時期流行したガングロギャルや最近のR&Bと言われるブラコン、ラップ好きの若い人が「黒人に生まれたかった」と発言しているのをたまに聞く。
時代は変わった、良かったなと思いつつ反面は複雑だ。
実際その人たちのベースになった人の音楽が、どういう過程を経て生まれそうなったてきたかという背景を理解してほしいと思う。
若いうちはカッコから入るのは分かる、俺も昔ロックミュージシャンに憧れたがカッコが真似できなかった(笑)しかしいつまでもそのままではいられない。
そういうことを言う私はすでにジジイかもしれんが。



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