お父さんの手作り

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September 18, 2004
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テーマ: Jazz(2018)
カテゴリ: カテゴリ未分類
 行ってきました、東京JAZZへ。

 (今回は、多少マニアックな内容になるので、興味のない方には申し訳ありません。)

 JAZZフェスティバルに行ったのは、ほんとうに久しぶり。

 昔、読売ランドだったか、マイルス・ディヴィスが出演したニューポート・JAZZ・フェスティバルや、松岡直也やスクウェア等が盛り上げる高原のJAZZフェスティバルなんかに行ったことがあった。

 今回は、大御所、ハービー・ハンコックがプロデュースするグローバルな、ある意味では音楽の実験の場でもある、創造的な空間(フェスティバル)。

 いろいろなユニットが出演しているが、ハービーとウェイン・ショーターのカルテットにしぼって、書いてみたい。

東京




 プログラムも終盤、ステージにお待ちかねの4人が現れると、会場からは、ためいきとも嗚咽ともとれる、押し殺したようなどよめきが起こる。

 ゆっくりと、それぞれのポジションにつくマスターたち。にこやかに譜面をめくり、おのおのの楽器の前の椅子の位置をたしかめる。

 そのうち、何気なく、ハービーがフレーズを流す。デイブ・ホランドがウッドベースの弦をこまかくつまびきだす。ブライアン・ブレインがシンバルを軽くはじく。

 はじまった。静かに、クリアに、会場全体を包み込むように。

 しばらくして、イントロが起伏をみせはじめたところで、ウェインがテナーサックスをくわえる。絶妙の音色のフレーズが空間を彩りはじめる。

 独特の透き通ったミステリアスなサウンド。決してでしゃばらず、かといって存在感は十分ある、そして、続くフレーズが予測できない、新鮮な音の組み立て。

 これがウェインだ。

 もう、すっかり溶け合った4人の音楽が、変幻自在に躍動をはじめる。

 4人のうち3人は、あのマイルス・ディヴィスのいわゆる門下生、特にハービーとウェインは60年代、黄金のクインテットを築き上げたメンバー。息が合わないはずがない。

 一つのドラマを展開するように、音楽が溢れていく。

 ハービーは、音楽上、次から次へと新しいものをクリエイトしてきている。大学で電子工学を専攻していたとのことで、音を細分化・記号化して有機的に組み合わせるという、まさしくエンジニアのような作業を、生演奏の場で瞬時に行っている。
 ある時期、チック・コリアと共同で吹き込んだり、ピアノ・デュオでコンサートを開いたりしていたが、基本的にチックのピアノとはコンボの中での位置付けが異なる。
 チックのピアノは、いつもコンボ全体をリードしていなければならない、自分がテンポをキープしていなければならないのだ。だから、あのスティーブ・ガッドのドラムにさえ、自分のピアノの後追いをさせてしまう。
 しかし、ハービーのピアノは、コンボの中に溶け込み、ある時は兆発したり、ある時はバックアップしたりする。そのため、リズムセクション全体を一つの生き物のようにしてしまい、叫んだり、つぶやいたり、笑ったり、自由自在の表現をさせることを可能にしてしまうのだ。

 そのようなハービーのサジェスチョンに的確に、あるいは、インタラクティブに応えているのが、ドラムのブライアンだ。今回、彼の演奏をはじめて知ったが、自己主張をしながら対話のできるドラムは、コルトレーンと一緒に演奏している時のエルビン・ジョーンズ、ジャック・デジョネット、ポール・モチアン等、いわゆる単なるリズムセクションを超えた巨人たちだ。

 デイブは、イギリス出身のベーシストで、その音色は力強く、繊細で、かつ、深奥で安定感がある。私自身、高校時代にJAZZベースをかじって(しかもウッドベース)いるので、ベースにはうるさい。
 彼の弦をはじく力強さは驚異的だ。パワーのあるベースといえば、チャールス・ミンガス、レイ・ブラウン、ミロスラフ・ヴィトウス等いるがそれらに匹敵するのではないか。
 一言で言えば、海のような、広くてやさしくて、少し神秘的で安心感のあるベースだ。今回のカルテットの、文字通りのベースだ。

 さて、ウェインだが、なぜ、彼はあんな音が出せるのだろう。彼の音楽は、まるで、突然、宇宙のかなたからやってきて、地球上の空間にひらめきを残して、また、宇宙のかなたに去っていく、という感じなのだ。
 彼の頭の中には、広大な宇宙が果てしなく広がっているような気がしてならない。ほんとにミステリアスで美しいサウンドなのだ。

 次のフレーズの予測ができない、しかし、創造性に満ちていて、聞いているとなぜか心が満たされる、というプレーヤーの一人にエリック・ドルフィーがいるが、彼のサウンドには、もう少し人間くさい苦渋が感じられる。それに比べてウェインには、苦しんでいるという感触が感じられない。(本当は、大変なのかもしれないが)

 また、リード奏者は、リズムセクションと違って、自分のパーツの演奏がないときは、やることがなく、ステージにいるだけなので、少し苦痛かなとも思うのだが、ウェインは時々、ハービーや他のメンバーに、にこやかに微笑んだりしている。そして、少し照れくさそうにステージにたたずんでいる。そんなウェインが(こんな言い方は失礼だが)、かわいく見えてしまう。


 そんな、こんなで、ほんとに満足した夜でした。


 長文になったが、まだ、書きたいことはある。またの機会に音楽のことについては触れたいと思う。

 お付き合いいただき、ありがとうございます。







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Last updated  September 19, 2004 10:41:28 AM
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Re:やっぱり最高!(09/18)  
ジャズはいいですね♪
こういう趣味があると一人でも楽しめるからいいね! (September 19, 2004 02:53:18 PM)

Re:やっぱり最高!(09/18)  
たま19680206  さん
おお、行ってこられたんですね♪
ものすごいカルテットですねぇ。。(ためいき)
マイルスのどの時期がいいかなんて、簡単には言えませんが、ウェイン・ショーターらの在籍時は一つの頂点だったように思います。

ウェイン・ショーターのインプロヴィゼーションは、エリック・ドルフィーよりずっと自由な感じがします。
ドルフィーは不自由さを振り払おうと格闘しているように聞こえるんだけど、ショーターは最初から自由で開放されているような感じというか。。
勿論、それぞれに素晴らしいんですけど。

あぁ、羨ましくなってきたー!
来年あったら是非行きたいです。 (September 20, 2004 12:28:12 AM)

Re:やっぱり最高!(09/18)  
ライブ、楽しんで来られたんですね~
弾けた感じが伝わってきますよ!!!
こういう楽しみがあるからこそ、毎日頑張れるのかな? (September 20, 2004 08:03:19 PM)

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