裏さゆ

アホ丸出し、常に楽しく・・　をモットーにしている「いちご大福」ですが
そんなモットーにそぐわない、ちょっと暗いお話しをします。
アホな私も「私」ですが、これも「私」です。

私が身体の異常に気付いたのは、５年前の夏。
足が痛い　疲れる　動悸　手足の震え　暑い　痩せる・・・
夏バテと思いこんでいた。
クーラーの効いた部屋でうちわが手放せない　（なんで私だけこんなに暑い？）
字がうまく書けない　（まっすぐな線書くってこんなにむずかしかったっけ？）
足の痛みに夜も眠れない　（私の足、どうしちゃったの？）
常に耳元で感じる心臓の早い鼓動　（天然メトロノームだよ）
車のブレーキを踏む足がガクガク　（信号待ちは勘弁）
そして何より、激しい疲労感・・・　（だるくて動けない）

おかしいよ・・・・・・　　私・・・・・

「なんか今年は夏バテがひどくてさー」
実家でぼやいたところ、笑っていた父の顔が急に曇った。
「甲状腺、１度病院で診てもらった方がいい」
え・・・・？　なに？？　甲状腺・・・・？
父は以前、甲状腺を患ったことがある。　その時の症状と同じだと言う。

そして病院へ・・・・
「甲状腺機能亢進症ですね。　今日からお薬始めましょう。」
思いもよらない病人宣告だった。
この日から私は甲状腺に持病のある人間となったのだ。

甲状腺は首の前側に蝶々のような形で貼り付いている。
新陳代謝を活発にするホルモンを分泌する臓器だ。
そして免疫、これは外敵から身体を守ってくれる有り難い機能。
ところが突然、なんらかの原因で暴走を始めた免疫機能が甲状腺を総攻撃。
攻撃をくらった甲状腺は異常なまでにホルモンを放出。
身体中に色々な症状が出る。
基本的に新陳代謝がおそろしく活発になる。
じっとしていてもマラソンをしている状態・・・
常に脈は早く、汗ばみ、疲れている。　それが亢進症だ。
（爪や髪の毛も早く伸びるんだよ）
どうやら私は免疫機能が暴走しやすい・・・そんな体質を父から譲り受けたらしい。
頂いたものはしょうがない。　子供にバトンを渡していないことを祈るのみ。

さて　始まった治療。
メルカゾールというホルモンの生成を抑える薬を毎日、数年間飲みつづける。
これが効かなかったり、再発を繰り返すと手術となる。
時々　通院しては血液検査をして数値をみながら薬を加減する。
私の場合、症状は軽い方なのだが、重症の人はかなり辛い症状に
悩まされるらしい。
１週間ほどで症状は嘘のように無くなり、
ただただ忘れないように薬を飲む日が続いた。
その後、１年で治癒・・・・・
さよなら　メルカゾール

ところが・・・・

今年、再発・・・・・
まあ　この病気は自分の体質によって起こる病気なのだから、
体質が変わらない限り再発の可能性は常にあるわけで・・・
原因はストレスだといわれるが、日々ぼ～～～っとしている私に
大したストレスは見当たらない。
のんびりゆったり生活することが予防法だという。

今回、症状は以前と同じだが、少し情緒不安定に陥ったようだ。
一般的にはイライラして周りの人間に当たったりするそうだ・・
私の場合は逆だった。
味わったことのない孤独感・・・・
私はひとりぼっち・・・
誰も私のことなんかわかってくれない・・・・

サミシイヨ・・・・・

ささいな事で涙が止めど無くこぼれる。
理解をしてくれない夫がいる。
もっとこの病気の事をわかってよ！
アタシはこんなに辛いんだよ！
愛犬ポンタだけが、私の涙をそっと舐めてくれた。

今思えば、鬱というのはこんな感じなんだろう・・
死にたくなったっておかしくない。
薬のおかげでこの精神状態は１週間ほどで治まった。

そして今、相変わらずメルカゾールを飲みつづける毎日。
状態は極めて良好。
この病気は女性に多いらしい。
神経質、頑張り屋さんに多いという。　そうでもないけどなぁ・・私
身内に亢進症の人がいたら要注意。　リウマチ、膠原病も原理は同じだそうだ。

人前では、いつも笑っていたい、弱い自分なんか見せたくない・・・
でも、ホントはこんなに弱虫なんだ。
この病気になって思い知らされた。

私の相棒、メルカゾールよ、これからもヨロシクな！
言う事を聞かない私の甲状腺をなだめすかしておくれ。
そして毎日　ゆったりのんびりのほほ～んと過ごせれば
それでいい。。。。