DarkLily ~魂のページ~

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約束~(第5回)



「ありません。」

知り合って、まもないのに、早くもすっかりデイバイン。

「アリーナで少し遊んでみますか?」

「おー、いきましょう。」

「では、アリーナで落ち合いましょう。」

「はい。」

アリーナのテラの街を一歩外に出ると、そこは闘技場と化している。ひさしく来てはいなかったので、今もバトルロイヤルが行われていたことに、むしろ少々驚いた。

ふと見ると、門の傍らで、あのパラさんが、ギルメンのヲリさんとたむろしていた。

すでに彼とは一戦交えているが、なすすべもなく倒されてしまった。

なんであんなに命中が高いのだろう。

リベンジ。挨拶代わりに、いきなり襲い掛かった。

一瞬の後、二人の反撃が始まる。

一緒に行ったバルさんもすぐに加勢してくれたが、いかんせんトータルのレベル差30はあまりにも大きすぎた。

ゲートから門に向かいながら作戦を話す。

「バインドは使えますか?」

「はい。」

「あの二人に飛び道具はありません。」

「私がおとりになりますから、最初は逃げてください。」

「それからもどってきて、後ろから二人を足止めしてください。」

「わかりました。」

パラヲリ対マジバルコンビの戦いが始まる。

氷を使った得意の逃げ撃ちで、二人に攻撃を開始。追撃を受けつつ移動し、門から少し離れたところで、バルさんが飛び出す。

ヲリさんのほうが気がついて、後を追おうとするそぶりを見せたが、一目散に離れていくバルさんに、追跡を断念。

必死で距離を保とうとする私を、ヲリさんが回り込もうとする。そのつど向きをかえて逃げつづけた。

「もどってきました。」

ほどなく、バルさんからの連絡が届く。どうやら少し気の毒に思い始めているらしく、動きに躊躇のあるヲリさんを選んで、今度は私からつめより、魔法を連射。すぐにパラさんが駆け寄ってきて、私に攻撃を浴びせたそのとき、バインドが二人をまとめてくぎ付けにした。

どうやら、運良く攻撃をかわしつづけることに成功したらしい。再び、距離をあけて二人に魔法を浴びせつづける。しばらくは、回復魔法を使っていた二人だが、どうやら、おおめにみてくれるきになったらしく、あきらめて倒されてくれたようだ。

「撃破に成功!」

「やりましたね。」

二人で勝利を喜んでいると、黒装備のヲリさんがオークチャットで戦いを申し込んできた。

「つねに私より後ろにいてくださいね。」

「はい。」

再び、戦いの火蓋がきって落とされた。

今度は、その場で足をとめての打ち合いを挑む。真っ向勝負!のように見えなくもない。

「POTつかってる?」

倒れたままのヲリさんが聞いてきた。

「いいえ。」

「じゃ、リベンジだな。」

舞い戻ってきたヲリさんの猛攻。

あ、あたっちゃった。倒れふす私を見て、バルさんが駆け寄ってきてしまう。

「もしかして、グル?」

「はい、連れです。」

「あぁ、そうだったのかー。」

逃げるバルさんを、ヲリさんはどこまでも追いかけてゆく。

「がんばれー。」

どちらともなくに声をかけ、山並みにそって姿を消した二人を、すなに埋もれて見送った。

「誰かさん、やられました。」

「そっか。」

再び、テラの門をくぐりぬける。

「気をつけろー、やつの後ろからはデッドリーがくるぞー。」

ヲリさんの楽しそうな声が響いた。



誰かより一言。
このバルさんとは、この後まもなくお別れします。それは、最初から聞いていたことでした。さて、次からは、卑劣のあの方や、水滸伝の武将の名を持つあの方や、それにわれらがマスターが登場するのですが、はてさて。
乞うご期待! エッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?

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