結婚したワケ


「結婚を決めたワケは?」

27歳にもなると、恋愛の形も変わってくるからだろう。高校の時の友達の中で1番始めに結婚をした私は、良くそんな質問をされる。が・・・

なるようになっただけ。。。と。あの時はそんな感覚だったのだ。

だって、19,20の時に結婚して欲しいなんて、言われたって「無理だから!あはは」
なんて、そんなノリだったもの。
結婚したのは23歳になる少し前だから、あんまり考えもなかった・・・。ただ、この人となら、何でも乗り越えていけると直感で感じたから。だから、抵抗なくなるようになっていったんだとおもう。
19歳位でつきあって、3ヵ月後には一緒の部屋で半分暮してた。
彼の母が倒れ、入院してからは、もうその家の家事を任された。
彼は家族と一緒に住んでいたから・・・。

親戚のおばちゃんと1日交代で、食事の面倒から、掃除から、家の中のこと全部やりつつ、専門学校に通った・・・。

そのうち、私が一人暮らしをしていたマンションの更新がきて、荷物そっくり、1日で引越しし、この家に移り住んだ。
近所の目もはばからず、よく彼の父親や、私の両親が許してくれたとおもう。。。あの頃はなんともおもってませんでしたが。。。


専門学校を卒業し、就職・・・ダイビングインストラクターとして、世界中を飛び回るのが私のあの時の最大の夢だった。
あのころ・・・
海外で働くか。それとも。国内で、ココから通える場所にするか。沖縄に行くか・・・
夢はかなえたい。絶対にやりたい。それしかなかった。
そのために、東京へきたんだもん・・・

結局選んだのは、都内のショップで働く事。家のこともしなくちゃだから、融通利かせて貰って、
おばさんの来ない日は休ませてもらったりした。
だけど、仕事としては大変色々な経験をさせてもらって、海にも週末ごとに行っていた。夢がある程度かなっていった。

彼との生活。海で人に感動を与える事のできる環境。。。都内のショップだったから接客などもして、それもまた、楽しいものだった。
現実が見えてきて、都内で週末ごとに海に出て行くほうを選んでよかったとさえ思っていた。
リゾート地に就職していたら、海が嫌いになっていたのかも、とも思う。実際、仕事と好きな事は別物だから。
人の命を預かるイントラが、海で魚にあって感動していたら、いけない事だと思うから。
その辺はあとにしようか・・・

プライベートでは、海外にもよく行った。
もう毎日が忙しいけど楽しくて、悩めるけど、自分の好きな事をしてるという感覚で生きていた。うちに帰れば彼がいて、
気持ちを理解してくれ、見守っていてくれたから。

そのうち、何が一番大事なことか・・・・

そう思えてきた。仕事先を去らねばならない状況にあったのと、彼のお母さんが退院して、帰ってくるというタイミングもあった・・・。
彼の母が退院して、帰って来てから、私は自然と彼との結婚を意識していたし、この家に住み込む時からもう心の中は決まっていたんだとおもう。

退院してきた母の面倒をみることになった。

仕事はしていなかったから、それが私の役目となった。そして1年。
母のそばで介護をし、若奥様のように、家の中のことをやっていた。

そんな日々を送る私に・・・  私の母親は・・・。

「貴方は、今まで自分のためだけに生きてきたから、これからは、人の為に、人が喜んでくれるような、生き方をしなさい」

と。。。

そこで、私の生きる意味を考え、ここにいるって事は私は必要とされてるってことなんじゃないか。

もう海への夢はかなった。
それよりも・・・

人の為になる人生。
考えもしなかった・・・あの頃、私は自分だけの為に生きていたし、好きな事を全部やってきて、自分の中で他のものを探していたときだった。

母の言葉が大きかった。それを聞いて、自分の居場所を見つけた気がした。
大事な人とともに生きる自分。
その中での、自分の役割。

そしてなによりも・・・私は彼に、心の奥の奥のほうを、絶対誰にも見せた事のなかった心のうちを
全部ひらいて、真剣に語ることができた・・・。
自分でも気がつかなかった自分の声を、彼はドンドン聞いてくる。

以前にも、私の心を開こうと近づいてきた人は、男女年齢関係なく、居たのだけれど・・・。
どうしても人に心を開いて物事を話す事は出来なかった・・・。



そして・・・とっても 尊敬できる人だった。相手が。
私よりもはるかに人の気持ちとか、何を考えるべきかとか、そういう事を知っていたら、何にも考えず、自分の感性だけに身を任せて今まで生きてきた私にとって、
驚きの連続だった。

だから、彼の言動は私には結構、きついものがあった・・・。正論。だから、それを言われると返す言葉もなく、ただ、自分がダメな人間に思えてきたときもあった。
でも、自分の中で分からないながらにも、人の気持ちを考えるとか、物事を理解することとか、自分にはすごく足りてなくて、必要な事なんだってことだけは、分かっていた。
分かっていて出来ない自分から、絶対逃げたくなかった。

彼に追いつきたい。ああいう考えになって、人の気持ちや私が知らなかった事をもっと知りたい。
もうそう思ったら、ずっとそばに居たくなったんだ。
きっと、そばにいたら自分の理想の自分になれるかもしれない。

だから、彼の母の面倒を見るから結婚を決めたワケじゃなく、彼と一緒に居たいから、そうなりたいから。結婚しよう、と素直に思えた。

結婚もせず、1年間、全てを経験した上で、決めた決意。

「由紀じゃなくちゃダメだ。ずっと一緒に居て欲しい。」

そう言われた気がする・・・あは。。。色々いわれた気がして覚えてないの~。

    彼と人生を歩もう・・・
    もう、決意は固まっていた・・・


その1年は母の事やなれないことばかりで、泣いてばかりもいたし、実際自分の中で消化できない辛い思いを何度となくした。けど。全部乗り越えた。

そして。

私は、彼や家族にとって、なくてはならない存在になったと思う。。。

私にとっても、彼や家族はなくてはならない存在にもうなっていた・・・。

彼との絆。日増しにドンドン深くなっていく。
今でも。
お互いに、心を開いている限り、続くものだと信じている。

喧嘩も、ムカつく事ももちろんあるし、結婚して嫌だと思う時だってあるけれど、
それ以上に、絆が深いから、こういう気持ちで居られるんだと思う。

追いつきたかったあの時の自分。今では少し可愛く見える。
いろんな事が理解できなくて、悔しくて泣いていた。いつかそういうことの分かる人間になる!ずっと思っていた。
指摘されて、辛い思いもした。
こんな人間を好きになったんだから、仕方ないでしょ!と、投げ出しそうにもなった。

今はもうそんなことはない・・・。
私がだんだん成長してきた証なのだろうか。
でもまだまだだと思ってる。
その気持ちは一生続くものだろう・・・。

結婚した理由。

それは、私のなりたい自分になるため の第一歩を踏み出すため。だったのかもしれない。。。








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