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2007.05.20
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私は海沿いを歩いていた
聞こえてくるさざ波や鳥の声に耳を傾けて
海の空気を吸い込んで 自分が海の一部になったような
そんな気分になっていた

「ちょっとそこの人 おいらの船に乗っていかないかい」

突然聞こえてきたのは
その暖かで静かな空気には合わないほど元気な声だった
ただ 声のした方を見てみても 最初は誰もいないように見えた

もう一度声をかけられて よくよく見てみると
少し離れたところに 蒼色に塗装された小さな船に
まだ肌寒いだろうに 半そで姿の少年が乗っていた

私は興味を覚えて 彼の言葉に甘えることにした
彼一人のものにしては少々大きいその船は 手作りのようだったけれど
私も乗れそうなくらい 充分大きかった
そして 船の中まで 全てが蒼色に塗られていた
「どうして 蒼色に塗ってあるの?」
私は彼に聞いてみた

「この蒼の船で 昼にねっころがるのが好きなのさ
 海と同じ色のこの船の上で おいらも海になるんだ」


「私も 海岸を歩いていて 海の一部になった気がしましたよ」
同じ気持ちになっている人がいることが嬉しくて
思わず微笑んで 言いました

「おいらも それが好きなんだ」
彼は満面の笑みを浮かべて 誇らしげに話し始めた

 浜辺から浜辺まで全部か? 海の底から 水面まで? 空までか?
 でも そうじゃないんだ
 例え おいらが陸にいたって 海はここにある
 おいらはそれを感じてる
 海はどこにでもあって それを感じられる
 それが『世界』なんだ」

誇らしげに語る彼の言葉は 私には分からない部分もあったけど
彼のその想いが 真っ直ぐに 私に届いていた
海を愛してやまないこの少年の 海という『世界』

私は 彼とこの大海原に横たわって
青空一杯に 海を感じながら
私たちは 確かに 海になってるんだと
思いました



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最終更新日  2007.05.20 07:34:21
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こんにちは★  
きれいで…静かで…

その静けさがもの悲しくて…

美しい舟は

まだ動かぬ箱船…

(2007.05.23 09:16:05)

☆RIKKO☆さん   
色職人  さん
この物語の この船は
わたりゆく船ではなく
空に溶け 海と一体化する仲間

そこには その時その時にある感情があって
気持ちがあふれています
それを少しでも感じていただけたら
嬉しいです (2007.05.23 22:45:38)

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